SWOT（スウォット）分析とは、企業や事業の現状を把握するためのフレームワークです。SWOTとは、Strength（強み）、Weakness（弱み）、Opportunity（機会）、Threat（脅威）の頭文字を取ったもの。マーケティングやコンサルティングの世界では基本的な分析フレームですが、家族にあてはめて考えると、その後の人生や生活に納得感が得られるのでおすすめです。他人と比較するのは良いものではないので、自分の育った家族（両親と兄弟）と今の家族（妻と息子）を比較すると、その特徴を理解できておすすめです。

自社の外部環境と内部環境を４つの要素で要因分析します。縦軸の「内部環境」「外部環境」、横軸の「プラス要因」「マイナス要因」に分けます。そうすることで、組織（家族）が現在どのような状況にあるのか、内外要因を明らかにし、将来に向けて組織（家族）がどのように対処すべきか、戦略的な意思決定を行う際に役立つものです。

◆自分の育った家族（両親と姉弟）
❶Strength（「内部環境」×「プラス要因」→強み）
両親が大卒。父が一部上場企業勤務。母は専業主婦。
→家計は安定し、家には母が絶えずいる。大学に行くことが当たり前と無意識に意識。

❷Weakness（「内部環境」×「マイナス要因」→弱み）
両親が大卒。父は東証一部上場企業に勤務。母は専業主婦。
→大学に行くことが当たり前と無意識に意識。なんとなく、自分も会社勤めをするものと意識。

❸Opportunity（「外部環境」×「プラス要因」→機会）
北関東のかなりの田舎。自然豊かな環境。
→習い事など少なく、放課後は自由に友達と自然の中で育つ。

❹Threat（「外部環境」×「マイナス要因」→脅威）
田舎がゆえ、習い事など少なく、選択肢が少ない。
→外国人や英語を話す人、世界を知る人がいない。田舎を出ることを考える一方で、都会＝東京を意識する程度。

◆今の家族（妻と息子）
❶Strength（「内部環境」×「プラス要因」→強み）
私は都内の東証プライム上場企業に勤務し、妻はフリーランスの共働き。両親ともに在宅ワークが基本。
→家計は安定し、家には両親が絶えずいる。学童通いしつつも、十分な習い事をすることができる。

❷Weakness（「内部環境」×「マイナス要因」→弱み）
両親ともに在宅ワークが基本。
→家には両親が絶えずいる。自分で考えて、今日何をして過ごすのか、自立心を育むことができていない。

❸Opportunity（「外部環境」×「プラス要因」→機会）
都心に住み、あらゆる物事に簡単にアクセスできる。
→多種多様な習い事、外国人やその家族、多様性と選択肢が豊富である。

❹Threat（「外部環境」×「マイナス要因」→脅威）
自然が少なく、自由に遊びまわる場所が多くない。
→。

ここまで読んでいただけると、❶と❷、❸と❹というのは表裏一体だとお分かりいただけたかと思います。そして、過去のそれらは変えようがないものの、それを踏まえて（反省するほどではないと思いますが）現在のネガティブである❷Weakness❹Threatへ対策を講じることが重要ですし、まずはそれらに気付くという意味で家族に関するSWOT分析をすることに意味があると思っています。

我が家では❷Weakness❹Threatへ対策として、自立心を育むこと、自然の中で遊ぶことを意識して、とあるNPO法人にお世話になって（私たちから離れることを狙って）月に一度の自然教室に通っています。そこでは4月には森に入りタケノコを掘り、5月から海辺の生き物を観察したり、6月から10月は海に入ってシュノーケリング、シーカヤックをしたり、11月から3月はまた森に入って焚火をしたり、刃物を使って気を切ったりと、私たちであれば危ないと言って止めてしまいそうなことを、私たちから離れることで体験させるようにしています。

都内にいながら、文化的な側面を活用しきれていないので❶Strength❸Opportunityを活用して新しいチャレンジを親子ともどもしても良いなとこの記事を書きながら考えて始めました。新しい気付きが生まれるという意味でも一度家族に関するSWOT分析はおすすめしたいと思います。