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【後編】子どものスマホ問題:スマホを持たせる前に親が考えるべきこと

割引あり

・ 前編の要約

先日「【前編】小学生の子どもにスマホを持たせる?持たせるなら何歳から?」という記事を書かせていただきました。本記事はその後編に当たります。

前編の内容をまとめると、2024年2月7日、BBC Radio4で「『スマートフォンのない子供時代』を求める親たち」というお題で3人の親御さんたちが子どものスマホ問題について意見を交わしていました。

ラジオの最初に出たのが「16歳以下の子どもはスマホを禁止されるべきか?」という問いかけ。これは昨年起こったある事件がきっかけとなっています。

2023年2月、イギリスのチェシャー州で、当時16歳のトランスジェンダー少女が、15歳の少年、少女2人に殺害されるという事件が起こりました。ニュースによると、犯人の少年、少女はネット上の闇サイトで拷問動画や殺害動画、歴史に残るような凶悪殺人犯のドキュメンタリーに夢中だったそうです。

事件後、被害者の母親は青少年がそのような情報や動画にアクセスできることに疑問を呈し「16歳以下の子どもにスマホを禁止」するよう呼びかけたり、政府に対して「青少年に対するスマホやソーシャルメディアの抜本的な規制や対策」を求めています。

また2017年にはロンドン近郊ハーロウで、14歳の少女が自殺したニュースも若者のスマホやソーシャルメディア問題として大きな話題になりました。

少女が亡くなったあとに家族が少女のスマホを調べたところ、生前によく使っていたソーシャルメディア内で、「不安」「落ち込み」「自傷」「自殺」などのキーワードにリンクされた画像を閲覧していたことがわかりました。

スマホを使うのがどんどんと低年齢化し、その影響で多くの子どもたちがソーシャルメディアを使う世の中になりつつあります。

ソーシャルメディアが原因と思われる若者の自殺や事件があるたびに、スマホやソーシャルメディアが若者に与える悪影響が問題視されています。そして子どもを亡くした親たちによる「運転免許や飲酒、喫煙と同じようにスマホを持たせる年齢制限を設けるべき」「学校内でスマホに関する規制を作るべきだ」と呼びかける活動が盛んに行われています。

前編では、2024年2月7日放送のBBC Radio4「『スマートフォンのない子供時代』を求める親たち」に登場した3人の親御さんが語った「子どものスマホ問題と現状」をご紹介しました。まだ子どもにスマホを持たせていないケイト、15歳、13歳、10歳の3人の子どもにスマホを持たせている父親ジェームス、そして児童青年精神病院の閉鎖病棟に入院中の子どもを持つアンナと、子どもの年齢も環境も全く違う3人の親御さんのお話は、いま子どもを持つ親としてのリアルな声でとても興味深く感じられました。

この後編では、それぞれの親御さんが意見交換をしながら「これから親がすべきこと」「考えるべきこと」をご紹介しながら、私自身が10歳と6歳の子どもたちに「どのタイミングで携帯を持たせるか」や「どんなことに注意していきたいか」をまとめてみました。

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