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縄ない機、修理して使われへんやろか?

2年ほど、滋賀県多賀町多賀で活動する老人会のおっちゃん達から聞き取りをしている。
「昔を語る会」と言って、農作業の話、遊びの話、お祭りの時の話、昔の町並みの話、食の話など毎回テーマを決めて思い出話を聞かせてくださる。
2年前、多賀町立化財センターに寄贈された昔の農機具を見て、「懐かしいなあ、子どもの頃につことったわ」と、昔を思い出して生き生きと話しておられました。
「縄ない機 修理して使われへんやろか?」と。
昨年、秋ごろから、「修理してみようや!」と定期的に集まって縄ない機を修理し始めました。


製縄機

昭和初期のものかなぁと、おっちゃんたちがしゃべっていました。「報国」と書いているあたり、もっと古いものかと思い、付属品の入る袋に書いてあった「広島県福山市 報国農機株式会社」をネット検索してみる。今も会社が福山市にあることが分かりました。会社のホームページによると、昭和20年頃の製品のようです。
ラッパのような部品と、陶器の白い部品で、縄の太さ調整が出来るようです。

「広島県福山市 報国農機株式会社」

縄編み機の修理作業3回にわたりはじまる

令和5年10月12日 1回目 10月19日 2回目 12月13日 3回目
錆びついて動かなくなった部分をひたすら磨いて掃除
縄編み機の仕組みがいろいろ分かってきて
少年のように目を輝かせるおじさま達は、めちゃくちゃ楽しそうです。
あーでもないこーでもないと相談しながら動かすうちに
手で回してなんとか縄が編めるようになってきました。

作業していたおっちゃん達の中に、昔、蒸気機関車の運転手をしていた人が2人いるという奇跡。煤で真っ黒になった部品の掃除の話をされていましたが、作業がなんだかリンクしているようで。

いろいろ議論しながらの修理
楽しそうです
この部分で縄のまわりのささくれた部分をそぎ落とす
汚れをとって油をさし 動きやすく調整
藁を差し込む
藁を左右から少しずつ入れます。
ラッパ型の部品で藁がねじられて、反対方向に撚られて縄になります
ミシン糸をボビンに巻くイメージです
ここに縄を巻き取ります。
すべて巻き取れると、横にして縄が取り出せる。

ワークショップでお披露目


12月20・23日、地元の博物館「あけぼのパーク多賀」で開催したしめ縄作りワークショップでお披露目。たくさんの方に見ていただき、触れていただきました。 

足ふみで縄を編み巻き取っていきます。
足ふみも、全体重を乗せないと動かず、一人が藁を入れて、もう一人が足ふみで回転させてと大掛かりな縄編み。

昔取った杵柄


なんと、
「わし、子どもの頃にそれやっとったで」と経験者が登場。
「そんなやり方では売りもんにならんで」と。一人で自転車をこぐように軽々と扱うおっちゃん登場。かっこええ。
ぜひ、下記リンクからおっちゃんの動きをご覧ください。
おっちゃんたちの、やってみた活動がすごすぎる。

さて、ボビン?いっぱいに巻き取った縄の使い道は・・・。
畑のエンドウ豆の支柱や、庭木に使えると。
役目を果たしたら土に還るなんともサスティナブルな素材。

地元小学校で、しめ縄作りの地域学習にも協力くださったおっちゃん達。
回想法ともいうのでしょうか、70後半から90歳代のおっちゃんたちが集まり活き活きと昔を語り活躍してくださっています。



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