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& episode 023

起床は午前5時。

僕の愛しい彼女は、温め直したコーヒーを片手に早々に家を出た。

入れたてのコーヒーがいつも定番だったが、ここではそうはいかない。

僕らは今、ケンブリッジに居る。

晴れてハーバード大学に合格し、MBA取得に向け大忙しのくにちゃん。

大学時代のラクロスは、この日のためにあったんだと思う。と、夜を徹して宿題に取り組んでいる。

オイルサーディンとマッシュポテト、薄くスライスしたタマネギ、冷凍ブロッコリーとベリーミックス、オートミール、ヨーグルト、それからグルテンフリーのバケット。

ケンブリッジの生活を支える定番だ。

「シーザーサラダ+ごはん+お味噌汁」すら「ご馳走」だ。と彼女は言う。

そうだね。と僕は笑った。

だって、くにちゃんがつくるシーザーサラダにつけ合わせるお味噌汁の出汁は、築地へわざわざかつをぶしをじっくり品定めして買い出しに行っているのだから。

学校へ登校した彼女が戻ってくるのは午前様。

僕は、東京にいるときとさほど変わらない暮らしだ。

世界中どこにいてもスーパーな彼女と週末を楽しむ準備をすべく、僕も温め直したコーヒーで目を覚ますことにした。



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