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幸福とは何か

カールヒルティ「幸福論」

来年の目標を作るために、12月はカール・ヒルティの「幸福論」を読み直していました。
三大幸福論のひとつ。
スイス哲学者ヒルティの幸福論
フランス評論家アランの幸福論
イギリス論理学者ラッセルの幸福論

スイスの下院議員を務め、法学者、哲学者、著名な文筆家としても知られるカール・ヒルティ(1833~1909)は、実践的で多くのことを教えてくれます。第一部~第三部まである書籍。
今回は、第一部をご紹介いたします。

仕事の上手な仕方

特徴的ですが、まず一番に書いていることは仕事についてです。

「仕事の上手な仕方は、あらゆる技術のなかで
 もっとも大切な技術
である」
「働きのよろこびは、自分でよく考え、実際に
 経験する
ことからしか生まれない」
「人間の本性は働くようにできている
「自然の仕事の休憩によって中断されるだけの
 絶え間ない有益な活動の状態こそが、この
 地上で許される最上の幸福な状態なのである」
「ひとは誰でも生まれつき怠惰なものだ。
 名誉心や貪欲、生活維持の必要などの低い動機
 ではなく、高いほうの動機、人々に対する愛や
 責任感情から働きなさい

幸福論(第一部)ヒルティ著

この部分は今でもよく考えされられます。ここ数年、仕事とプライベートを切り分け、プライベート重視で持った夢を達成したものの、何か満たされない部分があり、仕事をもっと充実させたいという気持ちが強く生まれたこともありました。これについては、来年の課題にしたいと思っています。
「仕事を楽しむこと」
もう少し突き詰めて考えたいと思います。

勇気をもって経験をすること

ひとを信じさせるものは経験である。自分も
 経験してみたいという願望と気分とを起こさ
 せるものは、その経験をした人たちの証言で
 ある」
「人生の真の目的にはすべて、不成功が多少
 付きまとうもの
だ」
「実際に到達することのできる幸福は、ある
 大きな思想に生きて、そのためにたゆまず
 着実な仕事を続ける
生活のうちに見出され
 るものだ」
不幸は幸福のために必要だ」
「幸福を得るには、あらゆる人間の性質の中で
 勇気が最も必要
だ」
「自分自身のための努力は、いつかは休止しな
 ければならぬ」

幸福論(第一部)ヒルティ著

弁護士、スイス陸軍裁判長、ベルン大学総長、国際裁判所のスイス委員を歴任し、哲学者、
著名な文筆家である人の言葉。生涯家族・妻を愛し、静かに息を引き取ったカール・ヒルティの言葉はとても説得力があります。
会社のある人が
「自分はリアルにしか感動しない」
と言っていました。リアル・実績・経験が人を作り、人の心を動かせる。
本当に強い人は、「楽しいことも苦しいこともつらいことも自身で経験し、さらに人の気持ちがわかる人」と思います。

でも、人は完璧ではなく、失敗があり欠点があるからこそ面白く尊い。
最後はこの言葉で終わりたいと思います。

しかし、われわれはこう言おう。われわれの
よわいは70年、あるいは健やかであっても80年であるが、その生涯はたとえ辛苦と勤労とで
あっても、なお尊いものであった

これが幸福なのである!

幸福論(第一部)ヒルティ著


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