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高橋李依がエモい・・「るろうに剣心」

最近、「るろうに剣心」2023年リメイク版を見た。
「るろうに剣心」といえば今までもアニメ化されてたし、実写映画も作られた。
特に実写映画は数あるコミック実写化の中でも図抜けた完成度で、国内のみならず、海外でも高い評価を得ている。
誰しも、一度や二度は見てるだろう。
ある意味「もうお腹いっぱい」でもあり、今さら「剣心」再アニメ化かよ、と思って新アニメを見てない人も多いんじゃないかな?
私も最初は食指が動かなかったんだが、今回は原作者の和月伸宏先生が完全監修していること、さらにその先生が今回の出来をやたら大絶賛してるのを聞き、こりゃ一度見といた方がいいな、と。
この手放しの大絶賛を聞く限り、ひょっとしたら先生、今までのアニメには不満があったのかも?
で、新アニメを見てみた。
なるほど、こりゃ確かに完成度高い。
まぁ正直、私は前回のアニメをよく覚えてないので、比較のしようがないんだが・・。
確か、前回のは90年代の制作だよね?
私が思うに、日本のアニメ水準は00年代半ばぐらいから急激に向上したのは間違いない。
たまに80~90年代のアニメを見てると、作画のクオリティの低さが気になってしようがなくなるわけで(ジブリは別だけど)。
正直、今の技術水準で作り直してほしい古いアニメはたくさんあるよ。
おそらく和月先生も「今の時代の技術なら完璧なものを作れるかも・・」と思ったからこそ、自ら監修に乗り出したんだろう。

これは2023年版
これは昔のやつ
やっぱ、画は2023年の方がいいよな・・

90年代と00年代の間に、アニメ界で一体どんな技術革新があったのかは知らん。
でも、革新的な何かあったのは間違いのないことかと。
明らかに何かが変わったもんな。
それは画だけのことではない。
画の質の向上と比例するようにして、声優の質もまた向上してないか?
たとえば、今回の「るろうに剣心」でめちゃくちゃ目立ってたのは誰よりもヒロイン・神谷薫役の高橋李依である。
この人の声が持つ圧倒的なエモさ、凄いよね。
あまりにもヒロイン臭がきつすぎて賛否が分かれるところかもしれんが、私は前作の薫よりも全然いいと思う。
超かわいい。
やっぱ90年代と比べると、今の声優はレベルが段違いに上だよ。

今、最も時代に適した「ヒロイン声」を出せる存在、高橋李依

ちなみに「るろうに剣心」はジャンプ作品だが、私がジャンプ作品の声優で真っ先に思い浮かぶのは、80~90年代の神谷明氏である。
彼が主人公をやった作品といえば、「キン肉マン」「北斗の拳」「シティーハンター」など、この人ってジャンプと専属契約してるのか?と思うほどに重用されてたのよ。
それほどに彼はうまかったのか?
うん、確かにうまかった。
でも今にして思うと、決して神レベルというわけではない。
ひとつその論拠となるのは、昨年放送された「うる星やつら」リメイク版である。
この作品の面堂終太郎は神谷さんがブレイクするキッカケにもなった役だが、リメイク版では彼じゃなくて(もう神谷さんも77歳らしいからね)、宮野真守がやっていた。
で、その宮野真守がまた完璧な面堂終太郎だったのよ。
見た目はイケメンなのに中身がアホ、というのは確かに彼の十八番だもんな。
正直いって、全盛期の神谷明と比較しても全く遜色のない出来。
そう、80~90年代なら神谷さんは頭ひとつ抜けた存在だったけど、今の時代は宮野真守クラスの中堅が彼と同水準の演技を普通にこなしてるわけよ。
つまり、あの時代の神谷さんは当時の偏差値70ぐらいだったが、彼の演技と同レベルのものを今の時代にやると、せいぜい偏差値60ぐらいなんだよね。
そのぐらい、全体のレベルが上がってるということさ。
ちなみに、「うる星やつら」のラムちゃんといえば平野文のイメージが当時として強烈だったんだが、リメイクではこの役を上坂すみれがやっていて、それが全く違和感なく「昔から上坂すみれじゃなかったっけ?」というほどハマってたんだ。
ホント、いまどきの声優さんの偏差値の高さは逆に恐ろしいわ・・。

宮野真守
はっちゃけた演技をさせたら無双ともいえる天才

「るろうに剣心」剣心役の声は、斉藤壮馬がやっていた。
前作の涼風真世とのギャップに違和感覚えるかな?と最初から覚悟してたが、全くの杞憂、むしろなぜ前作は宝塚女優なんてわざわざ起用してたのか、不思議に思ったほどである。
斉藤さんといえば、「アニメージュ」声優グランプリ2連覇など華麗な実績の人だが、正直いって私の中では「歌がうまい人」「イケメンが大量に出てくるアニメの中に結構な頻度でいる人」というイメージしかなくて、「斉藤壮馬といえばこういう声」という特徴をいまいち掴みきれていない。
いわゆるイケメン系ボイスの声優さんは掃いて捨てるほどいるわけで、それらを全部把握して、声聞いただけで「あ、〇〇さんだ」と認識できるほどの人はほんのひと握りである。
というか、彼がはっきりした特徴を掴みにくいヤサオトコ系の声だったからこそ、今回の剣心役では前任・涼風真世とのギャップを感じさせなかったのかもしれん。

声優なのに作詞作曲をできちゃう斉藤壮馬

声を聞いただけで「あ、〇〇さんだ」とすぐに認識できる声優って、皆さんはどれほどいますか?
声優というのは、みんな声の良さには自信があるものだろう。
だけど、女性なら美少女ボイス、男性ならイケメンボイス、そういうゾーンはいわば首都というべき人口密集地帯で、そこじゃ正統派であればあるほど誰が誰だか分からなくなるものですよ。
そういう首都から正統派のまま抜け出せた、斉藤壮馬や高橋李依は凄い素材なんだろうね。
だけど抜け出せたはいいが、そこで「替えのきく声」ばかりやっていては、いずれ誰かに座を奪われるかもしれん。
そりゃ、釘宮理恵や新井里美ぐらいに唯一無二の声質だというなら話はまた別なんだけど。
で、最近は声優自身に付加価値をつけるのがトレンドになってしまい、歌を唄うとか、グラビアを出すとか、そういうタレント活動をさせることがもう常識にさえなってきた。

現在人気NO1声優の呼び声が高い、水瀬いのり

たとえば、近年は声優人気ランキングを見るとよく水瀬いのりが1位になってるけど、これって彼女の歌唱力、および美貌込みの人気ってことだよね?
もちろん彼女は声優としても一流にせよ、でも昨年「あれ?」と思ったことがあって、それは彼女が「デッドマウントデスプレイ」でヒロインを演じたことなんだ。
このヒロインというのがなかなかのクセ者で、不幸な生い立ちから快楽殺人者になった少女、それが1回死んで吸血鬼になったというワケ分からん設定なのよ。
頭のネジがブッ飛んでる猟奇的キャラで、こういうのを水瀬さんがやるのは正直どうなの?と思いながら見ていた。
もともとこういう役柄は得意というわけでもないだろうし、「もっと演技の幅を広げる為」と解釈できなくはないものの、こういう役ならもっとうまい人はいくらでもいるだろうに・・。
で、この作品のOP曲を見ると、やっぱ水瀬さんが唄ってるのよ。
そうか、最初からヒロインはOPを歌うこと込みで水瀬さんと決まっていて、ようはマーケティングとして水瀬さんありきの作品だったわけか。
こういうのを見た時、なんか寂しい気持ちになるのは私だけ?
ぶっちゃけ私には、彼女が新曲「スクラップアート」のプロモーションで「デッドマウントデスプレイ」のヒロインを無理してやったように見えて、なんかこういうの、納得いかんのよ。
結果として「スクラップアート」はオリコン7位、まぁまぁの成功だったといえるだろう。
多分、このての収入は声優業のそれを遥かに凌ぐんだろうね・・。

水瀬さんは「デッドマウントデスプレイ」OP曲を冠に「スクラップアートツアー」を敢行した

で、「るろうに剣心」に話を戻すんだが、この作品のメインキャストは斉藤壮馬&高橋李依、どっちも唄える声優だけに「ふたりでOPとEDを各々担当するのかな?」と思いきや、なんとふたりは全く唄わず、声優専念だった。
これ、私としては非常に好感度が高い。
斉藤さんも高橋さんも、ちゃんと声優としてこの作品に取り組んでくれたんだね。
最近の私、こういうところが非常に気なるのよ。
曲のプロモーションの為に声優をやるスタンスとか、真剣にアニメそのものに向き合うファンとしては、実に由々しき問題だから・・。

今は声優も写真集を出す時代・・ これは2代目ラムちゃんを演じた上坂すみれ
「とある魔術の禁書目録」インデックス、「本好きの下剋上」マインなどでお馴染み、井口裕香
「ソードアートオンライン」アスナなどで有名な戸松遥
ここまでくると、野沢雅子先生と同じ職業とは思えんよな・・

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