哲学者のソクラテスがONE PIECEのゴール.D.ロジャーだという仮説
哲学史の大伝説的人物“ソクラテス”
と
『ONE PIECE』の“ゴール.D.ロジャー”が
同一人物説という哲学史から見る仮説
※ワンピースの結末予想であったり伏線考察は含みません※
哲学史の勉強をしてたら「この話聞いたことあるぞ!!」となり、
きっと皆さんもこれを知ったら周りに話したくなるはずですので
楽しむ程度に読んでください
9割ソクラテスの話
① 哲学とは
まず入り口から難題なので、
簡潔に伝えるためにも誤解を生むのは百も承知でまとめます。
哲学とは、
“真理とは?”を紀元前から今に至るまで考え続けている学問です。
もしくは考えてきた人たちの歴史を研究する学問です。
その真理は現在でもまだ明確に答えを見つけられていないので
その奥深さが人類の歴史レベルだと言うことが容易に想像できます。
真理とは、
いつどんなときにも変わることのない、正しい物事の筋道。真実の道理。
哲学はこれを見つける、見つける筋道を立てる、活動です。
よくわからないですよね。
けどそれでいいんです。
だって紀元前から天才たちが生涯かけて考えてもわからないんですから。
「真理」っていうとてつもないものがあるんだなぁくらいでいいです。
② ソクラテス以前の哲学
“プロタゴラスさん”と“相対主義”
紀元前485年くらいに活躍した哲学者ですが、
結構早々に
「真理なんてさ、人それぞれでいいんじゃね?」
「同じ温度の水も飲む場所でぬるいとか冷たいとか変わるじゃんね」
「人は万物の尺度じゃ」
相対主義を打ち出したのです。
当時の民は
先の見えない真理の追求に飽き飽きしてたのか、
それともそもそもあんま考えていなかったのか、
「みんなそれぞれ真理持ってるよ」というのがハマり、
大ブームが起きます。
このブームの弊害として、
1 人は正しいことは何か?を探求しなくなった。
2 弁論術でのパワープレー(物は言いよう、言ったもん勝ち)
相対主義のデメリットとして
1は人の考える力を奪い
「絶対的に正しいことなんてないなら適当でいいんじゃん?」と
一生懸命に考えなくなりました。
2は1を利用し、
もっともらしい事を言い「考えない人」を自らの利益のために操作する
弁論術に長けた人達が国を支配し始めたと言います。
「隣の国を潰して国民全員奴隷にしてうちで働かせたい」と言うのか、
「不遇な国で苦労暮らしている人達を我が国に迎え救おうではないか(涙)」と言うのかで聞こえ方が違うっていう話です。
*これが現代でもまだいる悪徳政治家の始まりという説あり。
③ 熱き男 その名もソクラテス
世の中は相対主義によって、
より博識な人が提唱する「もっともらしい」思考に国民は
群がり、教示を乞い、信じ、
限られたの人間の知恵で世界がコントロールされることになります。
民主主義国家であった古代ギリシャは投票(多数決)をとっており、
本来であるとそれぞれの意志が国の方針に反映されるべきなのです。
しかし投票が真の意味を果たすためにはそれぞれが
「こうあるべき!」とそれぞれが自分の価値観を持つ必要があるわけで、
それがないと政治家の思うつぼなのである。
そこでソクラテス 堂々登場
「目を覚ませ!お前ら(国民)は国を変える力をもっておるのじゃッ!
真に正しいことが何かわからないのに、それっぽいことを言ってる者に
自身の生涯を預ける気か!このたわけェエッッッ!!」
って
国民はびっくり。
それを聞いた政治家たちは激怒。
ここから新時代の幕開けは始まるのです。
④ 必殺「無知の知」炸裂
ソクラテスは「無知の知」を提唱します。
これはどこかで聞いたことあるのではないでしょうか?
「無知の知」とは
あなたは知らないことがあると理解した時点で既に無知ではない。
無知であることを知っているからだ。
真の無知はそれすらも気づかないことなのである。
これが一般的な理解だが、
ソクラテスの真意はもう一歩先に進んだところにある。
ソクラテスは
「知らないことを知っているぞ私は!」と皆に豪語してほしいわけでなく、
あくまでもそれはスタートライン。
その先にある「知らないことを知りたい!」という情熱を掻き立て、
探求心を持ちながら生きる事こそ「善い生き方」だと言い放つのです。
謎だらけの世の中を他人の言葉で「そういうもの」と理解し、
解決でなく慣れることは一切解決になっていない。
「そういうもの」が
なぜ「そういうもの」なのか?
本当にそれが正しいのか?
私わかってないじゃん!知りたい!と目覚めた時、
その人の中で革命が起き、
その革命が突き動かすあなたの探求心こそが善い生き方の要となるのです
ソクラテスはそう唱えたのです。
⑤ソクラテスの反撃
弁論術頼りの悪徳政治家は「正義」についてスピーチをしていたところに、
ソクラテスは
「その正義ってなんじゃい?」 と問う
政治家は
「そりゃ、国民の幸せを守ることだよ」と答える
ソクラテスは
「ふむ、では幸せってなんじゃい?」と問う
政治家は
「ゆ…豊かな人生を歩むことだよ」と答える
ソクラテスは
「はて、では豊かってなんじゃい?」と問う
こんな問答が延々と続く。
一見揚げ足取りに聞こえるが、政治家はまんまと答えに詰まるわけです。
国民は
「あれ?なんか答えが曖昧だな。確かに正義ってなんだ?」と思い始める。
そこでソクラテスからとどめのボディーブロー
「なんだ、結局知らないのに知ってる風だったわけね。がっかりじゃ」
政治家憤怒
⑥ソクラテス絶体絶命!?
恥をかかされ激怒した政治家たちは、
こちらも必殺技を繰り出す。
「死刑ィッッッッ!!!!」
国民をでたらめを使って誘導し堕落させようとした罪で
まじで死刑宣告。
「これでさすがのソクラテスもひれ伏すだろう…」と思いきや
ソクラテスさん、全然へっちゃら。
ソクラテスは死刑宣告を受けながらもこう言い続けます。
「私が政治家に投げかけた質問の答えを残念ながら私自身も知りません。
もう一度原点に立ち返り一緒に考えて!みんなで見つけようではないか!」
って
⑦ソクラテス死す
そんなこんな言っていても国家権力はソクラテスを許しません。
ただソクラテスへの死刑宣告の真の目的は
死をちらつかせることで脅し、
「無知の知」を間違っているとソクラテス自ら認めさせることでした。
国民も「さすがにやりすぎたでしょ。謝るんじゃね?」と思っていましたが
ソクラテスはへっちゃらです。
絶対に意思は曲げません。
ソクラテスを思う
家族や仲間たちが必死に説得しに来ます
「もういいじゃないか!ここは折れて他の国に行ってそこで真理探そうぜ」
ソクラテス びくともしません。
説得もむなしく死刑当日
牢獄の中、毒を自ら飲み死ぬ日
ソクラテスはこう言います
私が正しいと思うことを
身の危険ごときでいちいち覆していたら
それはもう正しくなくなってしまう。
状況によって変わるものは偽物じゃ。
「真理」を追い求めることの
正しさを曲げるわけにはいかんのじゃ。
私は命を懸けても「真理」を追い求めたのじゃ。
そう言い残し毒を飲み、ソクラテスは死にました。
⑧大哲学時代到来
人はソクラテスの死に様に驚きを隠せなかった
「そこまでする…?」「死んじゃ意味ないじゃん…!」
しかしソクラテスの死は世の中にあることを証明したのです
この世界には
命を懸けるに値する「真理」があり、
人間には人生を投げ出す程の熱く強い生き方が出来るのだ
その原動力が探求心なのである
「真理なんてさ、人それぞれでいいんじゃね?」とかほざいてた
若者たちはソクラテスの死の真相を聞き衝撃を受け触発される。
そして立ち上がるのである。
「俺/私も熱く強く生きたいッ!」
「俺/私が代わりに見つけて見せるッ!」
ソクラテスは自らの命と引き換えに
探求心の爆発を起こしたのである。
このムーブメントが以降無数の哲学史に名を遺す偉人を生み出すのです。
探求心をもとに熱く強く生きている人すべてを生み出したのです。
それが大哲学時代の幕開けである
※勝手に名付けました
⑨ゴール.D.ロジャーとの共通点
ここまで長々と読んでいただきありがとうございます。
さてついに本題です。
といってもここまで読んでいただいた方はもうお気づきでしょう。
そう。
世界のすべて(ひとつなぎの大秘宝)の存在を提唱。
そしてそれを追い求めた熱く強い生き様を命をもってして証明。
そして彼の死を目の当たりにした若者達の宝探しへの目覚め。
世界にロマンを見せつけたゴール.D.ロジャー船長。
似てますよね。ソクラテスの生き様に。
①ひとつなぎの大秘宝=真理
②宝探し=探求心
③命と引き換えに世界を変えた
④命乞いはせず信念を貫いた
ワンピースを熟読している人にはもっと共通点が見つけられるのではないでしょうか??
どちらも自らの命をもってして
人の心を蘇らせ、世界と時代を変えたきっかけとなった張本人。
そしてこの二人が指すのは「正体不明」の何か。
ソクラテスに関しては、言ってる本人も知らないですけど(笑)
ただまだ作中では明らかになっていない【ひとつなぎの大秘宝】の正体を
ゴール.D.ロジャーは本当に知っているのでしょうか?
彼は本当に見つけたのでしょうか?
とか言ってみたり
まとめ
ほぼソクラテスの話なので、
ワンピースファンの方は飽き飽きしたかもしれませんが、
もしソクラテスの事を知らなかった人は、
知らないことを知れたということで、「無知の知」ですね。
ソクラテスの事を知ってた人は、
お付き合いいただきありがとうございました。
もっとこういう話もあるんだよ!などあれば是非コメントなどお待ちしております!私もまだまだソクラテス初心者なので…(笑)
それでは読んでくれてありがとございました!
以上です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?