食事とデザイン

私は、多分同世代の同じ年齢の人たちより、食に生活の重点を置いている気がします。

食絡みのことは今後もちょくちょく書いていきたいなと思いますが、今回改めて気づいたことは、今更ながら、美味しい食事にうつわの存在は欠かせないなということです。

昨日、門前仲町のとあるレストランでお食事をいただいたのですが、どのお料理も美味しく、細かい工夫がされていて目にも美しく、またお店の内装がとても個性的で目を奪われたのですが、(ついでに言うと、どのお酒もお料理に合って美味しかったのですが、)特に印象に残ったのが、うつわの美しさとお料理の相性の良さでした。

うつわが大事、と言っても、必ずしも高級である必要はなく、また、凝った模様である必要もないと思います。

今回のレストランで用いられていたうつわは、雑貨屋でアクセサリー入れとして売っていた木製の皿を食器に転用したもの、土器の破片を用いているものがありました。

またお茶の世界でも、井戸茶碗などのように、日常的に用いられていたものを茶器として重用した例もあります。

真っ白なお皿がお料理を生かすこともあるでしょうし、逆に派手な模様のお皿が料理の良さを殺してしまうこともありそうです。

そこに、料理の良さを生かそうという作り手のこだわりの有無が露になるのかなと改めて思いました。

うつわにこだわった料理に触れると、そういう作り手の思いを知ることができるだけでなく、どういう料理にはどういううつわがしっくり来て、どういううつわはダメなのか、というデザインの観点からもとても学ぶところは多いです。

食事に重点を置くことについて、「食事は消費して終わりだから無駄だ」という意見もありますが、私は食事に重点を置くことで得られることも多いと思います。

単純に自分へのエネルギーチャージになるだけでなく、味覚に敏感になる、人とのコミュニケーションツールになる、自分の好みについて発見がある、などのほか、今回のように、デザイン感覚の学びもあるから決して無駄ではないですよ、と言いたい。(もっと深掘りすればさらに何かありそうですが、それはまたの機会に…)

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