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晩婚さん 戸惑った役員からのお祝いの言葉

結婚すると、いろいろな人がお祝いを言ってくれます。
私は4年前に結婚したのですが、社内のたまにしか会わない人からは、いまだに「結婚生活どう?」とか聞かれます。いつ結婚したか大々的に言っていないせいか、みなさんそんなに人に興味ないせいか、いつまでも新婚のように扱ってもらえます。新鮮な気分が保てるのでありがたいです。

さて、ある日、以前仕事をしていた営業の役員と打ち合わせをする機会がありました。昔ながらの営業マンで、面倒見のよい親分肌。私にもよくしてくれています。打ち合わせの終わりに雑談していたら、その役員がこう言いました。

「ところでさ、蓉子ちゃん、主婦業はどう?」

主婦業?
さっきまでバリバリお仕事の話していたのですが、主婦業?

「えっと、主婦業って…?」
「ほら、料理とか、洗濯とか。家のことちゃんとやってるの?」

主婦業=家事のことか!
ちゃんとやってますよ~、でも夫はうるさく言わないので結構怠けてます~と、愛想よく答えてその場は終わりました。

役員には悪気は一つもなく、むしろお祝いっぽい気持ちがこもっていたことは、よーく分かるのです。なのでセクハラやら女性蔑視やら言うつもりはないのですが、なんとなく、モヤモヤが胸に残りました。

家事=主婦業とか。
働いていても結婚したら、家事やっているか気にされるとか。
そしてやってないともやっているとも言わない、どっちつかずの返答を「正解」として答えた自分とか。

家のことをしっかりやる、を軽視していませんし、主婦がいけないということは全くありません。私も主婦になるかもしれませんし。

「結婚した女性は、外と家の仕事両方あって大変」と、思ってもらえるのはありがたいことなのに、喜べないのはなぜでしょうか。
そこには私の心の奥底に長年積もってきた、「女性への抑圧」という被害者意識があるのかもしれません。
「主婦業はどう?」を脳内で「結婚したんだから仕事よりも家事ちゃんとやりなよ」に勝手に変換していたような気がします。長い年月をかけて社会進出を牛歩で進めいてる世の中の女性に対して、「ここはあなたの世界じゃないよ」と言われているような気持ちがしたのです。

被害妄想をそっと吐き出し、心の中で役員に伝えました。
「お気遣いありがとうございます。あなたに悪気が全くないことはよくわかっています。でも、もう少し言葉は選んだ方がよいのではないでしょうか」

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