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晩婚さん ユニクロで中国人女性にナンパされた話

年末です。
クリスマスプレゼントに、年末の旅行用に、帰省のお土産に。皆さん買い物にいそしむ季節ですね。

3年前のちょうどこの時期、夫と二人でユニクロに行きました。夫の両親へのプレゼントを買いに。ダウンジャケット売り場で色やサイズを吟味していると、後ろから軽く肩を叩かれました。
振り向くと、20才前後の化粧っけのない素朴な女性が立っていました。つたない日本語で、こう聞かれました。

「いくつですか?」

え?いくつ…?ナンパ?
あなたとはだいぶ年が離れていて、かつ女性で、かつ既婚なんですが…。

怪訝そうな私を見て、彼女は慌てて続けました。
「おかあさん、おなじ」
彼女は両手を軽く広げて、体の大きさを示すジェスチャーをしました。いくつって、サイズのことだったのか!

「OK,OK!」
私は俄然はりきり、彼女の指定する色のダウンジャケットのサイズ違いを着て、手を広げたり、ファスナー開けてポーズとった、他の色も勧めてみたり。夫は終始苦笑して眺めていました。

自分のものは一つも買わず、母親に贈るダウンだけを持って、彼女はレジに向かいました。日本人にとってはお値打ちなユニクロのダウンも、彼女からしたら高い買い物なのでしょう。離れて暮らすお母さんに精いっぱい奮発したのだろうと思ったら、ほろりとしました。

「おかあさんによろしく」
ぐらいは中国語で話せればよかった。それどころか一つの中国語も出てこず、ただ笑顔で見送るしかなかったことが心残りです。

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