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3ヵ月で12kg痩せた夫のダイエットは成功か失敗か?

数年前の夫はデブだった。

私が散々「熊のようだ」
と言っていたのに、
若い頃は細い、細いと言われてきたんだと、
全く聞く耳もたず、
運動もまるっきりしない男であった。


その頃、私は
フィットネスコンテストに出場するため
減量に励んでいた。

毎日プロテインを飲みながら
週5回のトレーニングと、
夜は、茹でたササミと海藻サラダのみという
ストイック生活を送っていた。

ある日、
風呂上がりの上半身裸の夫を、
後ろから写真を撮って
スマホに送りつけてやった。

画面にはみ出んばかりの
だらしない後ろ姿を見て愕然とし、
自分が正真正銘のデブだということを
8年6ヶ月もかかってようやく認めた夫は、
横でスルスルと痩せていく嫁を見て
「俺も明日から同じメニューにして」
と言い出した。


それから、
夫のダイエット生活が始まったのだ。


朝は、玄米と卵焼き、味噌汁
間食、プロテイン
昼食、ササミとブロッコリー、茹で玉子
間食、プロテイン
夕食、ササミと海藻サラダ

それに加え、週6回のトレーニングという、
私以上の超ハードメニューを
こなすようになった。

当然、体重はみるみる落ちていった。
1ヶ月で-5kg。

お腹が満たされれば、
毎日同じもの食べても全然平気という、
ズボラ嫁には最高の性質を持つ夫は、
体重が落ちていくのが楽しくて、楽しくて
みるみるダイエットにハマっていったのだ。


しかし、なぜか
急激に痩せていった夫に、
周りの人々は、何も聞いてこない。

普通は、痩せたよねーとか一言くらいは、
あってもよいはずだ。
もうすでに2ヶ月で9kgも痩せているのだから
さすがに皆、気づくはずだろう。

なのに、そのことに触れてくる人が
一人もいないことを不思議に思っていた。

後に聞いた話だが、
当時、夫の会社の人たちからは、
短期間で激やせしていく夫に
「癌」との噂が流れ
皆、そのことに触れるのは
タブーとされていたらしい。

夫の通うジムのスタッフからも、
激やせし、頬がこけながらも、
必死にバーベルを担いで頑張る姿に
痛々しくも、皆心打たれていたらしい。

確かに、一緒に行ったジムで、
悲壮な顔してスクワットする主人に
思わず
「お願い、もうやめてー」
と言ってしまったほど、
夫は貧相な姿になっていた。

結果的に、3ヵ月で12kg痩せたが、
周りから「癌」と勘違いされるほど、
不健康に激やせした夫のダイエットは
成功か失敗かと言えば、
成功ではない、だろう。

脂肪を落とすスピードが早すぎたため、
筋肉も大幅に落とし、
肌のハリを失って年老いてしまったからだ。

途中、私の忠告を無視し、
ダイエットにハマり過ぎた結果である。

女なら綺麗に
男なら格好よく痩せるのが
ダイエット成功の定義である。


ただ、数年経った今でも
当時のカラダはキープしている。
いや、むしろ筋肉がついて進化している。

減量は止めたけれども、
食事量が少し増えたくらいで、
トレーニングも当時とほぼ変わっていない。

顔に似合わず
なかなか格好よいカラダである。


ダイエットは、痩せたら終わりではない。

海岸に打ち上げられたトドの如く、
家の中で転がっているおデブに、
運動と太らない食生活を
習慣化することもダイエットの1つである。

5年後も10年後も
その習慣とカラダをキープ出来てこそ、
ダイエット成功といえるのだろう。


夫のダイエットはまだ終わっていないのだ。


Yoko

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