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読み返したいnote

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2019年4月の記事一覧

多様性って「みんななかよく」じゃなくて「みんないてよし」だよねって話

こどもの頃から「みんな」が苦手だった。 同じクラスだから「友達」、みんな仲良くしましょう。という価値観にぜんぜんピンとこなくて「いや、人によるわ」と思ってしまう。 今なら、同じ地域に住んでいる同い歳というだけでたまたま集まった30人くらいの中に気があう人とあわない人がいるのは当たり前で、気があう人がひとりもいなかったとしても仕方ないと思う。 でも、子どもにとって学校の先生の言うことは「正しいこと」なので、“みんなと仲良く”できない自分に引け目を感じていた。先生に「どうし

夢に見た景色を歩く|バンクーバーから送る手紙

こんにちは。kami/ のなみえです。 今は、メキシコシティの友人の家にいます。 安心して眠れる環境、大事。 タコス、おいしい。 さて、毎月お届けしている旅先からのレターセット、4月分はカナダのバンクーバーから送りました。 (毎度恒例、栞やさんが撮ってくれた綺麗な写真。ありがとうございます!) これまでインド、韓国、台湾、ネパールなど近場のアジアしか旅したことのなかったわたしにとって、初めての欧米。 脱アジア。 空港を出た瞬間から興奮しっぱなしでした。 映画や雑誌の中

学ぶごとに、人はもっと優しくなれるはずなのだ

『まなび』は私を構成する言葉のひとつだ。 物心ついたときには読書が一番の楽しみになり、自分の気づきを周りの大人に『先生、あのね』方式でいちいち報告し、不思議に思ったことは誰彼構わず『なんで、なんで』と質問責めにするような子供だった。 わからないことは知りたい、わかったことは誰かに伝えて共有したい。 幼少期に育まれた好奇心と発信欲が今の自分を作っていると言っても過言ではない。 しかし、その純粋な好奇心によって蓄積された知識や思考が思春期特有のプライドの高さや万能感と結び

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Baby Blue Eyes -瑠璃唐草-

『ひたち海浜公園』のネモフィラの丘に行ってきたよ。少し曇っていた空の色とネモフィラが同化していてまるで、人々が蜜を求めふわふわと飛んでいるようだった。 ネモフィラが日本に入ってきたのは、なんと大正時代のことらしい。日本では『瑠璃唐草(ルリカラクサ)』という名で園芸種として広まったという。なんだかとっても難しい漢字だけど、読み方は落ち着いて和む名前でスキ。 でも、ネモフィラは最近まであまり有名ではなかったみたい。2010年代に先日お邪魔した、ひたち海浜公園のネモフィラ花畑の風

一枚のドレスが世界観を大きく変えた話(あるいは安易な共感がもたらす世界について)

長い時間、人の書いた文章についてあれこれと考える研究をやっていた頃に、一つ気づいたことがあるんです。それはですね、「どんなにがんばって時間を注いでも、最後の最後のところで他人のことは全くわからない」ということなんです。もちろん、ある程度は時間を経れば統計的な積み重ねが経験となって、高精度の推論を作ることは出来ます。でもね、やっぱり他人はわからない。自分のことさえあまりわからないのに、他人のことなんて分かるわけがない。だからこそ最近よく思うんです。「安易に共感がはびこる今の世界

憧れの物語は、いつだって省略されている

小学生の頃、偉人の伝記を読むのが好きだった。 エジソン、ナイチンゲール、ベートーベン。図書館にある伝記を片っ端から読んだ。 地元の町名の由来にもなった江戸時代の偉人や、地元の名士の逸話を聞くのも好きだった。 昔から『すごいひとのはなし』を聞くのが好きで、その興味は今も変わらない。すごいひとたちの考え方や哲学を理解したい、という欲求は私の大きなモチベーションだ。 ただ、すごいひとの話を知り過ぎることは弊害もある。 彼らの話はあまりに美しすぎて、目標として高すぎて、ふと

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あの頃、トイカメラがそばにいた

2011年から13年くらいの時期だったと思う。よく雑貨屋さんでトイカメラを見かけた。 値段はだいたい2000円から3000円くらいで、使い物にならないようなものから案外本格的なものまで、いろんな種類があった。どれもその名の通りオモチャみたいなカラフルなデザインで、学生でも手が届く気軽さが好きだった。 その後iPhoneが登場して、カメラアプリが普及するとともに、気がつけばトイカメラは店頭から姿を消してしまった。 かくいう私も、やっぱりトイカメラからずいぶんと離れていた。

子供ができれば自由がなくなると思い込んでいた日々のこと| 『FAMILY TAIWAN TRIP #子連れ台湾』 出版によせて

ようやくこの日が来た! 初めての自著となる『FAMILY TAIWAN TRIP #子連れ台湾』の出版。一年以上かけて魂込めて作り上げてきた本が全国の書店に並ぶなんて、想像しただけで背筋がピッとなる。 本の内容や見どころはプレスリリースやAmazonの内容紹介などでまとめてきたけれど、noteに残しておきたいのはもっと内側のこと。その企画を立ち上げたときの裏話や初めての校了を終えた震える喜びについては過去のnoteにも書いていたけれど、そもそも私がどうして #子連れ台湾 の

ごく普通の会社員が365日noteを書き続けたらどうなったか

noteの毎日更新を始めてから、今日でとうとう365日です。シンプルに、うれしい! でもね、厳密に言えば、始めのころは24時間以内に更新していたわけではありませんでした。最初の2か月くらいは、自分が起きてるあいだに1投稿できればOKというルールでやってました(今は24時間以内に書いてます。なぜならnoteからの〇日連続更新おめでとうメッセージが嬉しいから)。 1度だけですが、起きてるうちの投稿すら出来なかった日もありました(翌日に2記事アップしました)。 写真のみの投稿

人生を変えるとは、過去を愛する事。

「どんな人間でありたいか」 私は物心ついてからずっとこのことを自分に説いてきた気がする。その根底にあったのは、個性が強い自分が周りに受け入れられないことによって私に染み付いた、「自分には価値がない」という前提だった。だからこそ、この0の状態からどう自分を向上させれば良いのかと、いつでも周りを見まわして、そのヒントを探し、精一杯努力してきたのだと思う。創業して、出版という一つの夢が叶い、300名で埋め尽くされた恵比寿のガーデンルームで行われた出版記念講演会で、「今日この舞台に

書きたい気持ちの源は、「怒り」かもしれない

「なんで毎日書いてるの?」と聞かれたとき、いつもうまく答えられなくて考え込んでしまう。 先日のnoteに書いた「営業が下手だから書き続ける」というのも本当だし、「noteという場所が好きだから」も真実だ。「一度書くのを辞めたら二度と書かなくなりそう」という不安もあるし、単純に「続けることだけが取り柄だから」も否定できない。 でも、なんだかそれだけだと少し足りない。 最近ぼんやり考えていて、一つ、気づいたことがある。 たぶん私は、ずっと何かに怒っているのだ。 過去に言

noteを「7日間は購入キャンセルOK」にしたらどうなるか?

noteの販売コンテンツを「7日間は購入キャンセル可能」にしたら、どうなるだろうか? あくまで思考実験のメモ。noteチームは常に攻めの姿勢をくずさず、あらゆる可能性を考えていきたいと思います。もっともインパクトが巨大すぎる上に不透明なので、まだやる予定はない(個人的には試してみたい)。 以下、想定されるエフェクト。 流通額の大幅な増加(ポジティヴ)ユーザーはリスクなく、気軽に購入できるようになる。このため、note全体での購入が活性化すると予想される。 高額note

居場所のない“異端児”が城を築くまで

むかしむかし、職場で私は”異端児”だった。 私が関心があり好きでいるものは、職場のたいていの人にとっては理解できないことだったようで、よく私の陰口が聴こえてきた。 「あの子なんなんだろうね」 「さあ、よくわからない」 もう忘れてしまったけど、なんだかあだ名もつけられていた笑。(宇宙人、みたいな感じだったように思う) どうやら、その頃私が熱意を傾けていたチャリティーダンスイベントや震災の復興支援活動のブログを見つけたらしい。 職場ではそんなに仕事ができるわけでないのに

新元号「令和」の出典を現代語訳してみた

新しい時代が清く美しい光で照らされ、やわらかで爽やかな風に彩られますように。 この日本語、この祈りが、令和の二字を目にしたとき、まっさきに浮かんだことでした。 新元号の発表に感激しています。 それは和歌(とくに古今集)が大好きなツキサカの、大好きな序文の、指折りの大好きな一文の引用だから、というだけでなく、それよりも、今この時代にこの一節が選ばれたことへの感激です。 今までの多くの元号って、「平和に統治する」「大きく事を成す」といった意味合いが大きかったと思うんです。