生を受け継ぐということ

スーパーで甘酒が目に入ることが多くなった。なぜだか飲みたくなって、1本買う。その翌週は2本を買う。

1本200円ちょっとだから週に2本で500円弱。これはちょっと高いなと思い、スマホでレシピを検索すると米麹と米があればできるという。しかも混ぜて炊飯器で8時間放っておくだけ。

めっちゃ簡単やんと550円の米麹でつくった甘酒は、1ヶ月分にもなった。


私にとっては甘酒といえばおばあちゃんだ。ときどき頃合いを見計らったように甘酒を手作りしていた。

どうして甘酒をよく作っていたのか、どんなレシピで誰に教わったのか、今になっては知る由もない。でも大きなお鍋をお玉でかき混ぜる後ろ姿と、台所から漂ってくる独特の香りは覚えている。


命を受け継ぐってなんだろうとよく考える。

父と母、そして祖父母。彼らがいないとこの世に生まれなかった私たちは何かしらの形で何かを受け継いでいる。というより、何かを受け継いでいて欲しいと思う。もう祖母と会えない自分を支えられるほどの何かが私のなかにあってほしいと願う。

そのひとつが甘酒だったらいいな。

あのときは「え〜あんま好きじゃないんだけどな」とありがたみもそれほどなかった甘酒を、今は焦がれるように思い出している。



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