ジェットコースター

SUPで冬の金沢八景から宮川を巡る(前)

冬の北風が強い土曜日。市内金沢区の海の公園から出発し、宮川までSUPで巡ってきました。
海の公園でのSUPやウインドサーフィンは航行エリアなどがルールで決まっていますので注意が必要です。関係機関と調整を含めて、コーディネートしていただきました。

◾️海の公園から野島公園へ

海の公園のビーチから出発。進行方向左には八景島シーパラダイスが。
強い北風により、うねりがあります。海で乗る機会は少なくウェットスーツを着ていなので、冬の海に落ちるわけにもいきません。漁船の航路に気をつけながら沖に向かって座って漕いでいきますが、波がボードの上を被るくらいのうねりがあります。


野島運河に入るとようやく波が収まります。海から陸に吹く強い風のため何もしなくても進むのが楽しい。写真右側は市内唯一の自然海浜が残る野島公園。江戸時代には称名寺と共に観光客で賑わったそうです。この辺ではカヤックを練習中の子供たちの姿がありました。左側はカルソニックカンセイの工場があります。

◾️琵琶島神社 北条政子 歌川広重 葛飾北斎

平潟湾に入ります。上の青い鉄橋はシーサイドライン。平潟湾の歴史は古く、鎌倉時代には鎌倉の外港として栄えたそう。

平方湾を進み、シーサイドラインの金沢八景駅の駅前にある琵琶島神社へ。

神社入口にある案内によると「源頼朝公の御台所北条政子が 深く信仰した近江国の竹生島弁財天を勧請し瀬戸神社社々頭の海中に島を築いて祀ったと伝えられる」。

上から臨むと琵琶島神社はこんな風に見えます。

シーサイドラインに乗るついでに陸上からは訪問したことはありますが、水上からアプローチするのは初めて。島の中央にある赤い橋の下をくぐることができたのも、貴重な経験。京急からシーサイドラインに乗り換える方からも不思議そうな目で見られました。

金沢八景と言えば「歌川広重」が有名ですが、葛飾北斎も金沢八景も描いていて、琵琶島がモチーフにされているようです。

この絵は横九切版という小さな八景図ですが、遠近法を用いた洋風画です。空には狂歌三首が書かれています。江ノ島、鎌倉との三枚組で、「摺物」と呼ぶ特別注文品の一図です。一般の浮世絵と異なり、この場合は狂歌を詠った人々がお金を出して作らせたので「狂歌摺物」です。そして絵を描いたのは葛飾北斎。画面右上にひらがなで「ほくさいうつす」とサインのように書かれています。

絵の中心に二つ橋になっている瀬戸橋が描かれ、その先に瀬戸明神の森と鳥居が見えます。右手に見える小島は照手姫で有名な姫小島でしょうか、でも瀬戸橋の向こうに琵琶島弁天が見えませんから、琵琶島弁天のつもりかもしれません。烏帽子岩も見えますが、夏島が見つからない、と実景とは少し異なる景色です。でも狂歌に「金沢八景」「瀬戸の明神」と詠われていますから、金沢八景図です。


◾️宮川を上がる

釣り船の出入りの無い時間に合わせて、琵琶島神社の奥の河口から宮川を上っていきます。

上り始めてすぐ左側には、イオン金沢八景店があります。*十年前に横浜に住み始めたころはまだ「ダイエー」でした。このあたりでも、買い物をする親子連れも不思議そうな目で見られ、SUPは非日常の乗り物だと感じます。

宮川の周辺は家族向けの集合住宅が多く、橋の意匠も子供が喜びそうなデザイン。

もう少し上ると、京急の金沢検車区の北側をくぐります。タイミングよく赤い電車が来ました。

往路のゴールは宮下橋近くの親水公園である「宿広場」。少し休憩するためにここで上陸します。海の公園からは約5.5kmの距離。

ツアー直前の12月11日放送の「にっぽん縦断 こころ旅」でも、偶然にも同じ場所が紹介されていました。冬期で水の透明度が高かったこともありますが、エイが泳いでいる姿も見えました。

後編へ続きます)

"ヨコハマ良いよなあ"、"SUPやってみたいなあ"と感じていただけたら嬉しいです。いろいろありますが、みなさまにとっての毎日が「タフで優しい」時間でありますように。