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土のスープ?余韻を味わいたい本「すべて真夜中の恋人たち」

川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」

キーワードは「光」なのかな。

内容はこんな感じ↓

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。

本の説明(Amazon)

川上未映子さん。
この方の本は初めて読んだけど、細かい描写が絶妙で惹きつけられました。
(どう絶妙かは、ぜひ読んでみて笑)


以下、つらつらと感想。

意図的なんだろうけど…
序盤から平仮名が多くて、正直ちょっと離脱しそうになりました。
でも読み終えたらすごく良かったので、離脱しなくてよかった笑

人との関わりが苦手な冬子(34)と、三束さん(58)の物語。
話の季節は秋冬なので(たぶん)、今の時期に読むにはピッタリかと。

冬子と関わる人は、冬子の自信のなさにイラッとしたり、心無い言葉をかけたりする。
でも、三束さんはそうではなく…

という話なんですが、
ストーリー書いちゃうとネタバレになっちゃうので、気になる方は本読んでみて。

******

といいつつ、おそらく話の肝ではないと思われる部分を紹介。

記事のタイトル、「土のスープ」って何?
と思った方。
そう、あなたです。

以前、「土を食べたことがある」という知らんがな全開な記事を書きました。

綿矢りさの小説「オーラの発表会」の主人公が土を食べていて、「そういえば」と思い出した話。

で、今回の小説。

主人公がレストランで食事をするシーンで、なんと「土のスープ」なるものが登場したのです。

土、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

土、どうやら調理によって食べられるようになるらしい。
煮つめて、殺菌して、丁寧にあくをとりつづけて、裏ごしをする。
そこにゼラチンを加えると、あら不思議。
「土のスープ」の出来上がり…らしいです。

小説の中の話だけど、きっと本当に存在するんでしょうね。
裏ごししたところで、土は土な気もしますが。
今、気になるスープNo.1です。


ということで、
偶然同じくらいのタイミングで読んだ本に、
「土を食べる」という共通点を見つけてビックリ、という話でした。

******

特に派手なシーンなどはなく、淡々と進んでいく話なのですが。
描写が秀逸だからか、それぞれのシーンがほわわーんと想像できて、読後も反芻したくなる。
余韻を味わいたくなる。
そして、真夜中を散歩したくなる。


そんな一冊でした。

<あとがき>
読書の秋にいかがでしょうか?
美容院でダ・ヴィンチ(雑誌)読んでたら紹介されていたので、気になって読んでみました。
土のスープ、もし飲んだことある人いたらコメントで教えてください。(いないか)
今日もありがとうございました。


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