見出し画像

【読書暦】2012年に読んだ本

【★☆☆☆☆】ダ メ【★★☆☆☆】普 通【★★★☆☆】面白い【★★★★☆】お薦め【★★★★★】名 作


★★★★☆ 「残照」杉本苑子 文春文庫12/23
★★☆☆☆ 「死んだふり」ダン・ゴードン 新潮文庫12/5
★★★☆☆ 「猫の縁談 」出久根達郎 中公文庫11/10
★★☆☆☆ 「妖女のねむり」泡坂妻夫 ハルキ文庫10/23
★★☆☆☆ 「D‐ブリッジ・テープ」沙藤一樹 角川ホラー文庫10/23
★★★☆☆ 「酒仙」南條竹則 新潮文庫10/23
★★★☆☆ 「泣きたい気分」アンナ・ガヴァルダ 新潮文庫10/16
★★★☆☆ 「死霊の都」タニス・リー ハヤカワ文庫10/7
★★★☆☆ 「少年と少女のポルカ」藤野千夜 講談社文庫9/28
★★★☆☆ 「タンノイのエジンバラ」長嶋有 文春文庫9/23
★★★☆☆ 「涼宮ハルヒの消失」谷川流 角川スニーカー文庫9/1
★★★☆☆ 「沖で待つ」絲山秋子 文春文庫8/29
★★★☆☆ 「怒らぬ慶之助」山本周五郎 新潮文庫8/22
★★★★☆ 「かくも短き眠り」船戸与一 角川文庫8/7
★★★★☆ 「眠りなき夜」北方謙三 集英社文庫7/19
★★★☆☆ 「トーキョー・バビロン」上・下 馳星周 双葉文庫7/9
★★★☆☆ 「弔鐘はるかなり」北方謙三 集英社文庫6/21
★★★☆☆ 「暗渠の宿」西村賢太 新潮文庫5/30
★★★★☆ 「セント・メリーのリボン」稲見一良 光文社文庫5/21
★★☆☆☆ 「ぬばたま」あさのあつこ 新潮文庫4/20
★★★☆☆ 「美少年」団鬼六 新潮文庫4/9
★★★☆☆ 「マッカンドルー航宙記」チャールズ・シェフィールド 創元推理文庫4/1
★★☆☆☆ 「死都伝説」クライヴ・バーカー 集英社文庫2/13
★★★☆☆ 「夜の小紋」乙川優三郎 講談社文庫1/31
★★★☆☆ 「海を見たことがなかった少年―モンドほか子供たちの物語」 ル・クレジオ 集英社文庫1/24
★★★☆☆ 「粘膜人間」飴村行 角川ホラー文庫1/11


ボーイズラブなんて言葉が使われるより遥か以前、1979年のBL小説

 前年に読んだタニス・リー「パラディスの秘録」シリーズで、名前を知ってから30年以上も経って初めて彼女の作品の凄さを理解しました。
 しかし作風は大人向けであり、自分が読むのに相応しい年齢になったから楽しめたということも確かです。たぶん10代や若い頃に読んでも、そこまで面白いとは思わなかった気がします。
 それでまた「死霊の都」という古い本を見つけて読みました。
 小品でしたが、これも間違いのない大人の西洋ファンタジーの味わいを楽しみました。すでにタニス・リーの翻訳本のほとんどが廃刊になっている今、たまにブックオフの100円コーナーに並ぶ彼女の文庫本は希少です。よほど趣味に合わない内容以外は、見つけたら全部買って行くことにしています。

「パラディスの秘録」はとんでもないプレミアがついて高いのでリンクはタニス・リーの著書全般

 もしこれを読んで興味を抱いた方は探してみてください。ある意味でかつての少女漫画家が好みそうなファンタジー世界を、少しホラーじみているほどダークで重厚な筆致で描き出しています。
 アマゾンで著者名を入れて探すことも可能です。表示されている本体価格に1冊送料250円程度だと思います。昔の古い本は全てハヤカワ文庫FT、比較的新しい創元推理文庫から出ている本は高いものが多いです。また角川のホラー文庫版もあります。
 タニス・リー(1947年9月19日 - 2015年5月24日)はイギリス生まれのファンタジー作家。「現代のシェヘラザード姫」、「ダーク・ファンタジーの女王」と呼ばれた。(Wikipediaより)


 読みたい人にだけ読ませる、読みにくく文字だらけの余談。

 少し前に、漫画の違法ダウンロードサイトを訴える話題がありました。その話をいくつか読む中で気になったことがあります。
 弁護士の話として、訴える相手がいくら利益を出したか計算することから始まると言っていました。つまり一定の収益を上げていないと具体的な訴えをする意味がないというようなことでした。当然裁判をするには弁護士費用もかかるし、そこに割く人件費も必要になる。
 さてそれでは、何の収益も得ていないただの個人の趣味ブログで勝手に画像を使用した場合はどうでしょうか。それを一つ一つ探し出して文句を言うだけでも、相当な時間と労力が必要になります。また個人の趣味レベルの違法使用では、注意されて消せばそれで終わりになってしまいます。果たして、そこに時間とお金を使う意味や得はあるでしょうか?
 音楽や映像の場合は、観たり聴いたりするだけで価値が生じるため、動画サイトの違法なアップロードは削除されます。それでもよほど悪質なことをしない限り注意して消されればそれで終わりです。
 例えば自分が文筆業や何らかのクリエイティブな活動をしている場合には、仮に利益に繋がらなくても自分と同業の他人の作ったものを勝手に使うわけにはいかないでしょう。
 では、ただの一般人は?ここから先は個人の判断となります。
 一つ言えることは、違法な画像は大きく綺麗に使おうと小さく粗いものを使おうと、黙って使おうと断りの一文を入れて使おうと、どんな形で使っても違法は違法で違いは何もありません。(利益を出さない活動でも公共に近い活動で使用する場合は著作権者に確認することはあります)
 つまり使いたいなら堂々と使いましょう。ゼロか100です。
 もしもあなたが趣味のブログに貼った画像に関して問題があるから云々と言いがかりをつけてくる人がいたら、その相手は99%悪意ある偽善者です。ただし、著名作品ではない個人の撮影した画像や絵などを使った場合は本人から文句を言われる可能性があるので、絶対に使ってはいけないのはどちらかと言うと個人の絵や写真です。
 今政府が漫画の違法ダウンロードへの対処として、画像使用の違法化の締め付けを厳しくしようとして、逆に作家たちから反対を受けるという話も出ています。ようするに、それをやると、作品や文化の発展性を阻害してしまうからです(二次創作やファン活動がやりにくくなる)。
 使い方が正しいか分かりませんが、“必要悪”という言葉があります。
 20年以上インターネットをやっているからこそ言えることですが、画像の違法使用、著作物の違法使用が氾濫しなければ、今ほど急激にインターネットというメディアが発展することはなかったと思います。あるいはもっと時間がかかった。
 知らない人の方がすでに多いかと思いますが、ブログが現れる以前の昔のインターネットやホームページは嘘みたいにショボイものでした。まるで戦後のバラック市場みたいなインターネットの世界から出た多くの違法な活動が、今現在のインターネットのように全てを含有した主要メディアと化すまでの、大きな一助になって来たことは間違いありません。

 光のあるところには必ず影ができます。

 どちらか一つだけ生かすことはできないのです。もしかするとそれは、社会における善意と犯罪も同じかも知れないのですが… 例えばの話ですが、上のタニス・リーの本の表紙を見て感想を読んだ人が本を購入する可能性はゼロではありません。これは出版社や作家の利益になります。


この記事が参加している募集

読書感想文

SF小説が好き

<(ↀωↀ)> May the Force be with you.