最近、エッセイっていいなと思う。
人の生活をのぞき見する感覚。
人の考えてることを知るのは面白い。
漫画を読む時と同様にげらげら笑ってしまう時もある。
人の生活に対してげらげら笑うのもどうかと思うが私はエッセイを読んでいる時、結構幸せである。

益田ミリさんの「小さいコトが気になります」を読んだ。
本当は「僕の姉ちゃん」が欲しかったのだが、本屋さんになかったのでこちらの本を購入させていただいた。益田ミリさんのエッセイは時折、漫画のページがあるのが良い。目が文字疲れしかけた時にあの優しいタッチのイラストは非常にありがたいものである。そして、ゆるくてかわいい。

この本はタイトルにあるように日々の生活でなんか気になるコト、なんだか確認しちゃうコトが書かれていた。初めのうちは、へぇ～とかほほぅとか他人事のように益田ミリさんの確認事項に読み入っていた。

でもふと、思った。
私にも意外と確認事項あるな、と。

代表的なのはガチャガチャコーナーの確認。
少し前にガチャガチャにはまっていた。BTS関連のものがたくさん発売されてそれを集めるためにガチャガチャコーナーに通っていた。だけどいよいよそのかわいいミニチュアたちを飾るスペースもなくなり、そもそもマメじゃない私がそんな小さくてかわいらしい代物を管理できるわけがないのだ。自分の部屋に雑然と並べられたそれらを見て、もうガチャガチャするのやめようと誓った。
少し話が長くなってしまったが、私はそれでもガチャガチャコーナーの前を通ると立ち寄らずにはいられない。やってる？的な感じで入ってしまうのだ。でもガチャは回さない。今日もBTSのガチャがそこにあることを確認するこで安心と満足を得て店を後にするのだ。

BTS関連だともう一つ。
近所の本屋さんにはパズルコーナーがある。なぜパズルコーナーがあるのかはひとまず置いておく。そのパズルコーナーにBTSのパズルがあるのだが、その本屋さんに行くたびに私はBTSのパズルが置いてあるその棚の前を通り過ぎるのだ。「お、あるある、ほぉ～かっこいいねぇ～」と毎回同じように眺めてニッコリして帰る。自分でも謎の確認である。

新聞のテレビ欄、今日の再放送のサスペンスは何かな～の確認。
家の庭にキノコが生えていないかの確認。
近所のスーパーの清掃の人が元気そうかの確認。
家のベランダから見える山の美しさの確認。
通勤途中にある立派なクモの巣がまだ残ってるかの確認。

よくよく考えてみたら私の日常にも意外と「確認」はあった。

「確認」という言葉にはどちらかというとマイナスイメージがあって堅苦しくて、圧がある感じがしていた。

仕事をしていると本当に確認作業が多くて、やることはちゃんとやるけれど確認ってしんどいなぁと思ってしまう。仕事中の確認にはいつも焦りとか緊張や責任がある気がする。
知らないことを確認する、お願いした仕事が出来ているか確認、自分の掲げた目標が達成できているか確認。確認って辛い作業だった。

それでも、私には意外としんどくない「確認」もあった。
しんどい確認もあるけれどしんどくない確認もある。
スーパーの清掃の方が元気そうかなんて、余計なお世話である。

しんどくない確認に気づけていなかっただけ。
私の人生は案外いいものなのかも知れないと思った。

ありがとうございます、益田ミリさん。
少しだけ肩の力が抜けました。

読んでくれてありがとうございます。
それではまた。

やさい