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生きてる間にしかできない事

8月23日、私はカナダへ旅立つ。

その日は私にとって、ある種の「死」だ。家族や友人とはしばらく会えなくなり、全く新しい人生が始まる。あと11日。思ったより時間は残されていない。

それまでに、私は何をやっておきたいだろうか?

無論、日本にいる間にしかできないことだ。つまり、残された日本での時間を思いっきり楽しむこと。美味しいご飯を食べたり、家族や友人と時間を共にしたり。

言われてみると当たり前のことだ。誰だってこう思うに違いない。けど、普段から実践できている人がどれだけいるだろう?

つい先日、二度と食べられないという気持ちで、お気に入りのつけ麺を食べてきた。その時に気付かされたのは、普段どれだけ目の前の出来事を味わえていないかということだ。

料理一つとってもそう。普段何かを食べる時、その色や味、香りに注意を向けることなく、何となく食べている人が大半なのではないだろうか。

全く同じことが実際の死にも言える。

死ぬまでにやっておきたいことは何か?人によって細かな違いはあるだろう。けれど、「死ぬ時に後悔のないよう、人生を思いっきり楽しむ」という点は皆に共通しているはずだ。

しかし、実際にそのように生きている人はほとんどいない。多くの人にとって、死はまだ遠く先の出来事でしかないからだ。私たちはつい、時間が無限にあるかのように、薄ぼんやりとした時間を過ごしてしまう。

それに、常に集中し続けるのは大変なことだ。人間の認知能力には限界があって、あらゆる事に意識を向けることなんてできない。だから、これはある程度仕方のないことでもある。

けれど、できるだけ意識を向けようと努めることは大切なのではないだろうか。人生とは経験の積み重ねだ。輝かしい経験が積み重なれば、素晴らしい人生になるし、たいした経験がなければ、味気ない人生になる。

そして、経験の密度は「何を」やるかではなく、「どう」やるかで決まる。だからこそ、「何となく」ではなく「意識的に」日々を過ごすことが大切なのだ。

あなたも気づかないうちに、薄ぼんやりとした人生を送っているのではないだろうか?
死はあなたが思っているよりも、ずっと近くにあるかもしれない。

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