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日本文化の基層 ②人(ヒト)

アフリカの大地で、約700万年前にサルと人類の祖先が枝分かれします(猿人)。
その後、200万年前に原人への進化、100万年前に旧人へと進化、そして20万年前に新人へと進化したホモ・サピエンスが我々人類の直接の祖先です。

母親からだけ受け継がれるミトコンドリアDNAを辿ると、16万年前(±4万年)の東アフリカのたった一人の女性に行き着き、彼女はミトコンドリア・イブと呼ばれています。
また、父親からだけ受け継がれるY染色体DNAを辿っても7万年前(±1万年)の東アフリカのY染色体アダムへと行き着きます。

原人以来、何度かの出アフリカを重ねた人類は、ホモ・サピエンスが6万年前に出アフリカを重ねた人類は、ホモ・サピエンスが6万年前に出アフリカを果たし、旧人とも交雑しながら世界各地へ拡がって行きました。


『DNAでわかった日本人のルーツ』別冊宝島 より

4万年前、ユーラシア大陸の東端へと辿り着いた人々は、最終氷河期の日本列島へ様々はルートから、様々な遺伝子を伴ってやって来ました。
現代日本人のDNAの中にでも、ネアンデルタール人(旧人)由来のものが確認できます。
日本人の好きな「気は優しくて力持ち」は、もしかするとネアンデルタール人のDNAと、想像すると何かロマンを感じませんか?
それらの多様性は、世界的に見ても大変珍しいものです。

こうして4~3万年前に、日本では旧石器時代が始まります。氷河期が終わり、暖かくなると海面が上昇し、列島は完全に大陸から孤立し、1万5000~1万年前に新石器時代(縄文時代)が始まります。
世界的には新石器時代=農耕なのですが、日本列島は自然が豊かすぎたのか、1万年以上にも渡る、定住狩猟採取型の長い伝統を築き上げます。

日本列島は決して均質ではないものの縄文人と呼んでもいい様な日本固有の人々が表れ、縄文文化を形成します。

約3000年前からAC200年頃にかけて、水田稲作、金属器を携えて大陸から渡来人が少人数ずつ、長期間にわたってこの列島に入って来ます。弥生時代の到来です。
渡来人は新しい文化を持ち込みつつも、縄文人と交雑し、その文化の融合を図りつつ、ゆっくりと共生して行きます。水田稲作が西日本に広がるのにも400年もかかっています。また、この様な渡来そのものも、後の古墳、飛鳥、奈良時代まで続きます。

南からの黒潮に乗った渡来もずっと続いていたでしょうし、シルクロードを通ってのインドやペルシャからの決して水田稲作に由らない渡来も多くはなくともあった様です。

この縄文人と渡来人のミックスこそが、現日本人の元であり、農耕による人口爆発の結果、縄文系のDNAが、15~30%、文化的要素、半々の今日の日本人の完成です。

DNAで言えば、世界的に見ても多様性豊かな混血人、超ミックスこそが日本人だと言えるでしょう。

今日において、東北でフラダンスチームができても、オペラやフラメンコが好きな人がいても、アフリカの民族楽器に陶酔する人がいても…などなど、何の不思議もないのが、日本人なのでしょう。

参考資料
・『日本人の起源 縄文弥生の世界』 洋泉社 MOOK
・『DNAでわかった日本人のルーツ』 別冊太陽

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