介護 × 経験学習モデル
大企業を経て介護業界に飛び込んだわたしは、アカデミック(社会学・心理学・経済学・法学・政治学等)文献等から得た情報や日頃の経験を整理し、よりよい社会福祉を体系化していこうとしています。
福祉とは何か?考えれば考えるほど奥が深い。NPOやNGO、製造販売業、教育業、人材戦略関係コンサルティングを経験してきた私にとって、福祉ほど「人間的」な仕事はないのではないかと感じています。
利用者さんはこれまでの人生の中で、
「どのような価値観を育み、有限の時間を過ごしてきたのか」
という壮大な思いを馳せることが福祉に携わる人材には必要だと思います。
介護人材にとっての日常業務の概観
介護人材の仕事でテクニカルな業務としては、「介護過程を確かに展開していく」ことだと思います。
アセスメント(利用者さんの情報収集・生活課題の明確化)
↓
計画立案(目標の設定)
↓
実施
↓
評価(目標の達成度合い・計画の適切性を再考・再アセスメント)
このような流れで介護の仕事は進んでいきます。
介護の仕事の奥深さは、利用者さんとのかかわりの中での「新発見」
人材育成領域で有名な「経験学習モデル」を考えてみます。
人々は日常生活の中で、様々な情報を収集・整理しています。その中で、自分の価値観を強化・修正しているそうです。
ここで注意しなければならないのは、
「ひとりよがりな価値観を強化していないか」
なのだと思います。
人間には、「確証バイアス」という自分都合な解釈を起こしやすい「思考の癖」があるそうです。
たまに、「自分は独善的になっていないか?」を振り返ることがとっても重要だと思います。
ここで、介護現場に話を戻します。
利用者さんは基本的には、介護スタッフより年上です。
この利用者さんの言葉や立ち振る舞いに大きな成長のヒントが隠されていることがあります。
ご年配の方々は、若いころ感じてきたことや、いままでの経験の中で人にとって大切なことを語ってくれます。
これまで聞いてきた利用者さんの言葉で印象的だったものは、
「人の目をみて話すことは大切だ」
「家族は大切だ」
「ごはんをおなか一杯食べることは大切だ」
「謙虚さってのは難しいな」 等々
上の「経験学習モデル」の中での「抽象的な概念化」を利用者さんが見事にしてくれることがあります。
介護現場で働いていないとこのような「実感と重み」のある言葉を聞くことは少なかっただろうなと感じます。
介護現場はこのような生身の人間のこれまでの人生の結晶が表出する場所でもあるのだと思います。
介護現場からは以上です。
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