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建築ディテールと間接照明

今回もみんな大好き間接照明がテーマです。
コーブライトやコーニスライトなどの建築化照明は、照明効果に影響のあるアゴの内部形状や寸法も重要ですが、空間デザインという観点においてはその見えがかりも等しく重要です。
空間デザインのディテールは、打ち出したコンセプトや目指しているイメージ、設計思想にあわせて計画されると思うのですが、間接照明のディテールにまでその考えが及んでいるでしょうか?
今回は照明のディテールを思考するためのヒントをお伝えします。

重厚感と軽快感

ディテールを考えるうえでの切り口は、重厚感と軽快感のふたつに分けることができると考えています。コーブライトやコーニスライトはもちろんですが、棚照明などにも応用していける考え方です。

重厚感
類語や関連性の高いキーワードとして
重々しい、マッシブ、有機的、装飾的など。

わざと厚みをもたせることで、カタマリ感のあるどっしりとた佇まいを演出することができます。
副次的なメリットには、厚みがあることで光を受ける面が大きくなり、視覚的な明るさが得られやすくなります。

クラシカル、オーセンティックな空間デザインとの相性がよく
リラックスしたい、緊張感をつくりたくないといった場合におすすめです。
特に電球色系の色温度との相性がいいと思います。

左:スタンダードな納まり / 右:重厚感のある納まり

軽快感
類語や関連性の高いキーワードとして
軽やか、スマート、無機質、シンプルなど。

先端にテーパーをかけた「ナイフエッジ」など、小口を薄くすることで空間の要素を少なくみせることができます。
中途半端な厚みになってしまうと「軽快感」が損なわれてしまうので、ボードでつくる場合は小口が15mm以下になるように計画しましょう。
また、テーパーの角度も重要です。角度が大きすぎると傾斜した面が見えてしまうので、30°以下にするのがおすすめです。

タイムレス、ミニマルな空間デザインとの相性がよく
ドライな雰囲気をつくりたい、緊張感をつくりたい場合におすすめです。
特に白色系の色温度との相性がいいと思います。

左:スタンダードな納まり / 右:軽快感のある納まり

まとめ

いかがでしたか?
空間デザインの目指す方向性が決まってきたら、照明に関連するディテールもおなじ思想で考えてみましょう。コンセプトの強度とデザインの完成度が高まるはずです。
最終的な着地点が中間的な表現になったとしても、それが微妙なニュアンスを表現するためなら問題ありません。
間接照明の見えがかりをデザインするという視点を持つことで表現の幅を拡げていきましょう。

今後も照明に関する、ためになる記事を投稿していきますので
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