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市内RPG ⑧会心の攻撃

ぼくとヒラとヤスの3人は、同封されていた武器を持って集まった。

ぼくとヒラは木の棒。ヤスはプラスチック?なかなか硬そう。

この違いは何だろう。職業の違いか?
ぼくは勇者。ヒラは魔法使い。ヤスは戦士。

ヒラは木の棒を振り回しながら言った。
「これはヒノキの棒だね。ヒノキボー。ほら、ホームページに書いてある」
そう言って、子郡市のホームページをケータイで見せてくれた。ホームページには、「ヒノキボー、初心者の武器」と書いていた。
「あった、ヤスのはバトルステッキ、これだ」

ヒノキボーは振るとヒュンヒュン鳴るのに、バトルステッキはブンブンと鳴り、音が重い。ステッキと言っても、ダイヤ型をしているので、意外といろいろ切れるようだ。ヤスは近くの木の枝を叩き落としてみた。

バキッと音がして、枝が落ちる。
「なかなか使えそう」

「ちょっと貸して。」ヒラが言った。
「いやー重くない、コレ」
「あー、重い?そんなにないけど。オレ、戦士だから。」ヤスが応えた。

「武器もケータイに登録するみたいよ。登録するとなかなか使いやすくなる」

なるほど。武器も魔法と同じで、ケータイに登録するんだな。そうすることで使えるってわけだ。と言うことは、防具も登録するんだろうなー。

ヤスはバトルステッキをブンブン振っていたが、何度かズババッと音がする。どうやら会心の攻撃らしい。

ヤスは気持ちが昂ってきたようだ。
それにつられて、ぼくも魔物と戦いたくなってきた。

弱い魔物お願いします。スライムなんか駅前にいないかな。

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