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小説・自叙

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事実は小説より奇なり否か。
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#京都

『唯一愛した女性③』 -別れ/未来編‐

世紀末。高校一年生の秋。

僕は人生で初めて彼女と付き合うという関係になったが、それはその以前と特に何も変わらなかった。相変わらず二人はジャスコに行っては安いソフトクリームを買い、大好きな松本大洋の漫画のことや、数学や物理のことを話した。

「話した」と言っても、僕に無いものを彼女が与えてくれる、というある意味で一方的な矢印のものだった。

松本大洋の作品の数々を教えてくれたのは彼女だったし、テス

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『唯一愛した女性②』-交際編-

世紀末。高校一年生の夏。

僕は半ば強制的に友達にワンゲル部の体験入部に連れ出され、”テント張り大会”に猫の足も借りたいように使われたが、結果は散々。ふてくされ、見知らぬ山から顧問の車でみんなで高校に帰っていた。

体験入部に僕を誘ったアグレッシブな女友達が「今日はすいませんでした!みんなが楽しんでもらえたらよかったです!」なんて言い、負けても一致団結感を強制してくるようなところがきもちわるかった

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『唯一愛した女性』-出逢い編-

もうカミングアウトをしてから18年近く経つ。

ここまでくると初めて会う方でも、十中八九、僕がゲイだということが事前に耳に入っているので、それはそれでラクでいいが、「いつからですか?」とか「女性には本当に興味ないんですか?」とか、未だに聞かれることが多い。
幸い僕は"自己開示欲"の高い人間なので、同じような話をこれまで百回以上してきたと思うし、そこで受ける軽い差別も含めて、それはもう慣れた。

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