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本屋のことあれこれ

間借りで本屋をしている。

お店の宣伝のために専用のアカウントでちまちまSNSを更新しているが、そちらは「~ですます」調で書いており、なんとなく自分にはやはり「~である」調が書きやすいのだなとは後になって思ったのだが途中で変えるのも変な気がして、使い慣れたYoukanの方のnoteでも適宜いろんなことを書いていこう、もう本屋のこともごちゃ混ぜだ、と振り切って今これを書いている。

オープンから約3週間。先週は初めての、お客さん完全ゼロ週間だった。

知名度もないし、強い「引き」のようなものを作れていない、PRも器用にキャッチーにはできていない。なにより自分自身が100%の自信を持てていない。

自責と居直りと立ち直りとを行き来しながら、それでも静かに座り続けた1週間だった(後半はちょっと体調を崩してしまったが)。

さて、これからどうするかと考えて始まった今週。状況に大きな変化はないが、状況を動かす自分の心境には少しだけ前進があって、よしもう一度がんばろう、という気になれた。

まず19日(月)は神保町にあるチェッコリという本屋さんにお邪魔して、少し仕事のお手伝いをさせていただいてから、かねてより知り合いだった代表・スタッフさんとしばしお喋り。

「自分が読んだ本だけを置く」という方向性について肯定的な意見をもらい、それをやはり丁寧に伝えるお店作りをしようと考える。

また、その夜にブック・コーディネーターの内沼晋太郎さんとお話しできる機会があり、そこでも「自分のできることや強みを生かして独自の棚やイベントを作ること」を提案していただいた。

20日(火)は、そもそも間借りで本屋をやるきっかけをくださった機械書房さんがお仕事の合間にしばしご来店。短い時間でピシパシとたくさんのアドバイスをして去っていかれた。

まず、「BGMはあった方がいいですね」。完全な無音だとお客さんが長居できない=じっくり棚を見ることができないという。

確かに、これまでもお客さんがいらっしゃったときに私自身も沈黙が気になり変にそわそわしてしまっていたのだった。恥ずかしながら、お店としての基本的な体裁も整えられていなかったのだなとハッとする。

またどこからどこまでがいりえの本棚で、どこからがハリ書房さんの本なのかが分かりにくいのでもう少し見た目で大胆に分けたらどうかとの助言も。仰る通り、こちらも毎回お客さんに「いりえの棚はここからここです~」というのを説明しないと伝わらないのだった。

そして何よりも本の並べ方。ラインナップに特徴があるので(平成初期に生まれた店主が成長とともに読んできた本、つまり1990年代後半~2010年代くらいまでの児童書・ティーン小説が多くを占めている)それを全面に伝えられるようなPRをしてもいいのではないかということ。

一方で、文庫化されているエンタメ小説は掘り出し物的な感じで思いきって値段を下げる、均一本など手に取りやすい本は一カ所にまとめて選びやすくする、もっと売りたい本や注目されそうな本を一番目立つ場所に置く…など、ものすごく実際的なアドバイスをいただいた。

もうオープンして結構な日が経ってしまったが、ここに来てようやく動き始めたような気がした(ものすごくのんき、というかのろまなことを言っているという自覚はあるのだけれど)。

そうだ。私はいつもスロースターターだった。というかブーストがかかるのが遅い。仕事や作業の要領をつかむのも、初めて所属する集団の雰囲気になじむのも、他者との会話のテンポをつかむのも、いつも自分の想定よりさらに少し遅い。でもなんとか馴染めてきたし、それなりに生きてこられた。

ものすごくたくさんの方に励まされ、背中を押していただいて、今回もどうにか進んでいけそうだ。感謝を忘れずやっていくことにする。

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