不登校_特殊支援学級

自分や子どもが発達障害かもしれないと思った時に 1

 この章では、自分や子どもが発達障害かもしれないと思った時にどう考え、何をすべきか書いていきます。

まずはっきりさせるべきことは

 発達障害かもしれないと思った時に最初にはっきりさせるべきことは何でしょう? 
 発達障害かどうかの診断? いえ、違います。
 発達障害かもしれないと思った時にまず整理すべきは、誰が何を困っているのかです。
 何がうまくいってないのでしょうか。困っているのは本人でしょうか。それとも親や学校などの周りでしょうか。それらをまず整理しましょう。
 その次に整理すべきは、それがどれくらい困っているのか。このままだとやがてどうなるか。そしてどうしたら改善できそうかです。
 これは大人でも子どもでも変わりありません。今、学校や職場で何がうまくいってないのか。勉強や仕事についていけない。対人関係がうまくいかない。何とかやってるけど、ギリギリで疲れきってしまい、このままが続くともたない。そういった不具合はどんなことによる部分が大きいのか細かく整理していきます。
 もちろん、自分や家族だけでうまく整理できることは少ないでしょう。そこで専門家の登場です。


頼れる専門家の条件は

 では、どんな専門家を頼るのがいいでしょうか。
 ズバリ言って、頼るべき専門家の条件はしっかりと話をしてくれる人です。こちらが何を困っているのかしっかりと話を聴いて、どんな状況なのか、どうすればいいのかをしっかりと説明してくれる人です。
 意外に思うかもしれませんが、こういったことが充分に受けられないことがよく見られます。発達障害という診断だけをもらって、自分がどんな状態なのか、どうするといいかがよく分からなままというわけでは意味がありません。本人の特性や今後どんな手段があるのかを、本人や家族が理解して動くことができなければ相談に来た意味はありません。
 では誰に相談するか。まずは最も近くにいる専門家や、その人が紹介する専門家に相談してみましょう。学校なら担任の先生や学校にいる心理の専門家であるスクールカウンセラーがうってつけです。
 働いている人の場合は少し難しくなります。大きな組織なら会社の相談部門、産業カウンセラーなどへの相談になるでしょうが、そういった組織がしっかりとしている場所は決して多くはありません。そういった場合は、発達障害について詳しい相談機関を探すことになるでしょう。民間のカウンセリングルーム等で発達障害関連の相談を宣伝しているところをネットで探すのがいいでしょう。相談できる場所があるならすぐに医療機関に行く前にまずそこへ行った方がいいと考えますが、そういった場所がなければ大人の発達障害を専門とする医療機関にいきなり行くのがいいでしょう。ただ、地方ではそういった場所を探すのは難しいかもしれません。
  

診断は対策とセット

 医療機関にいきなり行くことをお勧めしないのは二つ理由があります。
 一つは医療機関がしっかりとした説明、対話をしない場所が少なくないこと。もう一つはしっかりコミュニケーションをしてくれる医療機関と出会えてもその対策を教育や仕事の現場で活かす環境ができていないと意味がないからです。医療機関だけでなく身近な場所とも話し合える環境でないと医療機関の診断はあまり意味を成しません。診断と対策はセットです。診断だけでは意味はありません。
 ただし、医療機関のみでも大きく機能する場合もあります。一つは服薬が有効なケースです。ADHDでは服薬で状態が改善する場合があります。また、うつ状態や不眠になってしまっている時なども服薬が有効になる場合があります。
 もう一つが診断そのものによって何らかの配慮を受けられるケース。支援級や障害者枠の雇用がこれにあたります。ただし、そういった枠を活用するかどうかは慎重な検討が必要でしょう。そのためにも医療機関と身近な専門家、両方とよく話し合えることが大事になります。


『自分や子どもが発達障害かもしれないと思った時に 2 +あとがき』へ続きます。


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