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大学の活力の源泉である活発なサークル活動。しかしコロナ禍で存亡の危機に・・・苦境のなか、活動を何とか存続させようとする学生たちの努力を追う。

コロナ禍は、皮肉にも、大学の隠れた大切な側面—“人と人”の出会いの場としての機能を、浮かび上がらせたとも言えます。

それは、ほとんど無意識の領域で共有されてきたキャンパスの“魅力”であり、隠れた、というより、本当はとても大切な“存在価値”といえるかもしれません。

そうすると、授業や研究という本業以外の課外活動、とりわけ、サークル活動はどうなっているのか、気になります。

それこそ、不要不急という扱いで、活動休止に追い込まれ、活動の存続が
危ぶまれてはいないか、、、、

日本経済新聞は、早稲田大学(東京都)のチアダンスのサークル「MYNX」を
取り上げて、コロナ下、何度も存続の危機に陥った状況をレポートしています。


チーム練習は度々禁止され、メンバーたちは「成果を披露する機会はもうないのかも」と、どん底に突き落とされながらも、諦めずに活動を続けてサークルの存続を模索し続け、その後、地道な努力が実を結ぶ。会員数も盛り返し、昨年12月にはオンラインではなく有観客で開催できた、とのことです。

「人々の関係が希薄になりがちなコロナ下だからこそ、サークルの仲間とのつながりを大切にしてきた」

おそらく、このような壮絶で涙ぐましい努力が、全国のいろいろな大学に
おけるサークルで繰り広げられているに違いありません。

 

頼みの綱となったオンライン活用


このなかでひとつ注目したいのは、「オンラインで新歓活動」を続けた、
という点です。

文部科学省が取りまとめている「大学における課外活動での感染対策の取組例」では、同じように、オンラインを活用した新入生の勧誘の取り組みやリモートでのミーティングなどが複数紹介されています。

「大学における課外活動での感染対策の取組例」文部科学省ホームページ


追手門学院大学(大阪府)では、課外活動については、専用のシステムを
使い、事前体調・行動記録を継続的に入力させ、説明会や勧誘活動についてはすべてオンラインにて実施。
配布資料もすべて電子化して共有をしている、とのこと。

常葉大学(静岡県)でも、新入生歓迎会等の代替として、HPやメール・SNSを駆使してクラブ活動の情報を提供しています。

青山学院大学(東京都)では、活動予定表の提出などは学生ポータルの
アンケートシステムを利用。手続きを全面的にオンライン化しています。

また、甲南大学(兵庫県)では、ZOOMを使って各団体の幹部学生と学生部職員が面談を実施し、感染防止のガイドラインについて確認をしているとのこと。

これらの事例をみると、各大学では、オンラインをいろいろな面で役立て
ながら、何とか課外活動やサークル活動を維持したいとする努力が伺えますね。

情熱の炎は、コロナには消せない

部活やサークルに所属し、仲間を作り、一緒に何かを成し遂げたいという
学生たちの情熱は、コロナ禍で消されかかっても、そう簡単には消えることはない、、、、

大学側にも、感染対策を講じたうえで、できるだけ活動をさせたいという
親心が垣間見えます。学生たちの活発な課外活動こそ、活気あるキャンパスを創り出してきたのであり、それこそが大学のパワーの源泉であり続けてきたという歴史があるからです。

大学を挙げての、こうした慎重かつ地道な努力が実って、
コロナ禍という逆境に打ち勝ったあかつきには、各キャンパスでは学生たちのエネルギーが炸裂し、情熱が燃えさかる、、、
こんなシーンがあちこちで見られるのを、首を長くして待ちたいと思います。

次回は、コロナ禍で気づかされたキャンパスそのものの意義について
考えてみたい思います。

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