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新書執筆日記

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現在執筆中の新書にまつわる日記です。
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記事一覧

新書のメモ20240502

新書のメモ20240502

新書のメモ。
60年代フォークの時代からロックの流れがあるけれど、フォーク歌手やフォークソング運動の当事者に話を聞くと、音楽は必ずしもサウンドではなくて歌であった。それは音の出るデバイスというより声がメディアであった。マクルーハン的にもそう言える。そして、声と歌が思想であった。それはシーンを形成する。現在書いている新書で言及します。

原稿も未整理のところもあるけれど、10万字を超えた。頑張ります

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ポストモダンと日本の思想のメモ

ポストモダンと日本の思想のメモ

吉本隆明と80年代についてのメモ

 80年代はファッションとして思想に連続したものがありそうだ。それはポスト68年としての消費社会であろう。吉本隆明にそれは顕著。
 戦後思想とポスト68年の思想というか70年代以降の思想に断絶線を引くことは意味があろう。それは加藤典洋『ふたつの講演』を読んで思いを新たにしたことである。
 つまり戦後思想は第二次大戦の戦争体験とその言説を中心にして構成されていたと

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新書執筆日記20240315

新書執筆日記20240315

今日は2023年3月の室謙二さんインタビューと資料、文献を整理しながら書く。 #新書 #研究

新書執筆日記202040313

新書執筆日記202040313

この3日ほど先月調査した資料を読んでまとめてコメントをつける作業を行った。資料はページ番号もないのがほとんど。日付がわからないチラシなどが含まれる。これらは初出の宝の山なのだった。今日で少し目処がついた。

新書執筆日記20240309

新書執筆日記20240309

現在執筆中の新書で、新しい資料などから再び取り上げます。

日本のフォークソング運動の興味深いところは、アメリカ文化のローカル化におけるカウンター・カルチャー的な受容が、日本のコンテクストにおいて変容していったところがあるということ。そこに市民運動が関係していたというところは、いくつか出版しました。新書では、文化の内容と実践された活動にも焦点をあてています。

“彼らはボブ・ディランの翻訳、あるい

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新書執筆日記20240305

新書執筆日記20240305

昨年始めに新書の企画が通り、今年出版するために原稿を書いています。
そのメモを。

今日はこれまで書いた原稿をまとめて章の構成を作成して字数も計算する。いい感じで書いていて、これからも良いのが書けそう。

鶴見俊輔と音楽文化
鶴見と音楽文化については『限界芸術論』に収録された「流行歌の歴史」があり、ここでテーマとして取り上げられている「替え歌」は、1960年代後半に展開されたフォークソング運動にお

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新書執筆日記20240220

新書執筆日記20240220

メモ。花田清輝はすでに50年代後半に、「大衆を基盤とした芸術運動」に続けて「歌ごえ運動の飛躍」について述べていた。ここで、花田は『アヴァンギャルド芸術』と大衆芸術、前衛についてまとめていて、花田の文化論がつながっていること、大衆の問題として芸術論を捉えなければならないことが示されている。 #新書執筆中

新書執筆日記20240216

鶴見俊輔が関係する資料を読んでいて、鶴見の大衆文化論は漫画が代表的ではあるが、音楽についてもさまざまな場面で語っていることを発見した。音楽と限界芸術論としては、ルソーのコミュニケーション論を媒介にして展開されていたのだが(粟谷、博士論文、2018,2023)、フォークソングへの関心以前にも行進曲の歌を作ったということを語っている。 #新書 #研究

新書資料

新書資料

今日の資料。三島由紀夫のヤングベ平連への取材記事。三島はビートルズ来日公演の記事も書いていたり平凡パンチの三島由紀夫という本もあったと思うが、三島のジャーナリスト的な側面は著作集でもフォローされているのか。

新書執筆日記:鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』所収論考「いくつもの太鼓のあいだにもっと見事な調和を」を読む

新書執筆日記:鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』所収論考「いくつもの太鼓のあいだにもっと見事な調和を」を読む

今日の研究。
鶴見俊輔『方法としてのアナキズム』所収論考「いくつもの太鼓のあいだにもっと見事な調和を」

・ソローの引用(ソローの市民的抵抗についても文献を読むこと。)
・市民と非暴力抵抗運動。

鶴見によると、1960年5月22日に大相撲の千秋楽を見に行った帰り、夕刊で竹内好の辞任の記事を読む。

それから5月30日に東京工業大学に辞表を提出し、6月1日教授会で最後の挨拶をする。

そして61年

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ゴフマン『行為と演技』についてのメモ

ゴフマン『行為と演技』についてのメモ

現在近くにあるのが誠信書房版のゴフマン『行為と演技』(石黒毅訳)なのだが、最初に読んでいた頃から気になっていたのは、ゴフマンは相互行為の記述において「アメリカの中流階層」というように範囲を限定して分析していることである。これはゴフマンの博士研究が、シェットランド島のフィールドワークだったのと関係があるだろう。つまり地域の集団を分析単位としていて、その特徴の範囲と説明の限界も織り込まれているというこ

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鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ

鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ

ノート
鶴見俊輔とレイモンド・ウィリアムズ コミュニケーションとコミュニティーについて
著書『限界芸術論からの文化研究』第1章 限界芸術論の文化社会学 3節 鶴見と文化研究 4大衆文化と日常を考えるために より

鶴見のコミュニケーション論は、例えば市井三郎によれば記号や言語とまとめられるものであり、ウィリアムズのような「コミュニティ」とのつながりは強調されていない。しかし鶴見はロバート

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新書執筆日記20240129

新書執筆日記20240129

現在執筆中の新書で、その中の一章となる「鶴見俊輔と音楽文化論」では、『限界芸術論』に収録の「流行歌の歴史」が「ルソーのコミュニケイション論」につながることを改めて取り上げています。これは、2016年の博士論文とその書籍化である『限界芸術論と現代文化研究』(ハーベスト社)で書いていたことです。

フォークソング運動関係のインタビューを聞く。資料では書かれていないこともわかるのがインタビューの良さの一

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新書執筆日記20240126その2

新書執筆日記20240126その2

今日はインタビューの録音を聞きながら文章にしていく。これまで書かれていない新しい証言がいくつも聞かれた。楽しみだ。博士論文で、社会的世界が生まれるいくつかの領域について記していたが、今回の新書でもその重要性が浮かび上がる。その時は社会関係資本として書いた。 #新書