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「同棲」ってそんな簡単な話じゃないぜ

彼が引っ越して引っ越しついでに1週間ほど彼の家に泊まっていた時、彼に「一緒に住みたい」と言われた。彼にしたら少し勇気のいる発言だったのかもしれない。

「嫁」と呼ばれる人生なんて御免だ

もう間もなくで付き合って5年目になる彼。普通?なら結婚を考えてもおかしくない。私も全く考えていないわけではない。

でもちょっと前に書いたように私には「結婚(法律婚)」できない理由がある。

「夫婦別姓」が認められるまで、私は結婚(法律婚)をしない。そう決めている。

私は自分の苗字にアイデンティティーを持っているし、家に入るという概念が大嫌いだ。義理の母や父に「嫁」なんて絶対に呼ばれたくない。嫁ぎたいなんて一切思ったことがない。私の人生だ。

それが理解されがたいのも、理解してくれる人がいるのも最近わかってきた。

私の彼は私のこの意見を嫌というほど聞いているはずだ。5年も付き合っていて、「結婚はしない」と言われているのだ。ちょっとかわいそう。最初はこんなこと言えなかったけど、自分がフェミニストになって自分の生き方にちゃんと向き合えるようになってからは彼にもちゃんと伝えるようにしている。彼はそんな話をちゃんと理解してくれている(と思う)。

彼は、私に浅はかに「結婚したい」なんて言わない。だから今回「一緒にすみたい」と伝えてきたのかもしれない。私が「同棲したいの?」と聞くと「一緒に住みたい」と言った。「同棲」という言葉が「結婚」の前段階というイメージだったからではないかと思う。私があまりに結婚に神経質だから彼もそう考える癖がついたのかもしれない。

「同棲」そんなに簡単じゃないよ

一緒に住むこと。社会人になった今それを考えると、なかなか難しいのが現実だ。

彼は大企業に今年新卒入社して3年おきに転勤の可能性がある。ある程度昇進するまでは特に。私は東京のベンチャーに就職している。うちの会社はリモートでもできなくはないのだけど。

彼が3年に1回異動して彼について一緒に住むとしたら、私の仕事はどうなるのか。「一緒に住む」なんて簡単な話じゃないと思った。どっちかについていくとしたらどっちかは働き方を変えなくてはならない。彼の場合はずっと東京にいるとしたら、昇進を諦めなければならないかもしれない。

私は思った。「結婚って、だれかと一緒になるって、どちらかの犠牲が大きすぎる」。

結局、高校でがんばって勉強していい大学に入って、卒業したのって、たいていはいい職?について給料を多く得たいという話だろう。(私がそう思っているわけではないがあくまで一般的?な前提として)

で、いざ結婚するとなったらすぐどちらかが仕事を諦めたり働き方を変えなきゃいけない。どこまで親が投資して、自分が努力して、ある程度の「学力」「学歴」を身に付けたと思っているんだ。

結婚って自分の人生を大きく変えることだ、それなのになぜ全員が結婚をもとめらているのか? その犠牲をしてまでも愛する人と一緒にいたい、愛する人との子どもが欲しい、ならわかるんだ。でもなんで全員がそれを求められるのか? 犠牲をしてまで愛さないといけない?子どもを持つことが幸せなのか? そんな価値観にすごく違和感がある。なくなりつつはあると言えど、家族や仲いい人以外をみるとそんな価値観はなくなっていないのが正直なところではないか?

あいみょん聞かなくてなにが悪い

私はカラス代表の牧野さんのこのnoteが大好きだ。

この言葉、非常にわかりやすいと思うのだが、どうだろうか。

僕は結婚ができない。結婚をしたくない。

いつの間にやら35才になり、それなりの身分を持つようにもなり、「どうして結婚しないんですか?」と聞かれることがたくさんある。実にたくさんある。

だけどその質問は、まったくリアリティのない異国からやってきた質問に聞こえてしまう。「どうして野球をしないんですか?」とか「どうしてナイジェリアに行かないんですか?」とか「どうしてあいみょんを聞かないんですか?」というくらい滑稽な質問に思えてしまう。そんなこと、ひとそれぞれじゃないんでしょうか。

私は10年以上RADWIMPSが好きだ。マジで神だと思っている。でも全員がそう思っているわけではないのだ。

結婚にはたくさんの犠牲が伴うのに、相も変わらずロマンティックラブ・イデオロギーが発揮され続ける世の中に私は辟易しているのだ。

私の場合は、野球をしないし、ナイジェリアに行かないし、あいみょんは聞かないだけだ。国が「選択制夫婦別姓制度」を認めるまでは。認めてくれたら、野球をするし、ナイジェリアに行くし、あいみょんも聞いてみよう。

私は自分の人生に妥協はしたくないし、自分のアイデンティティーは捨てたくないから。

だからごめん彼。まだ一緒に住めないし、結婚はできない。だけどすごく愛している。

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