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映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』

今月の3日に公開だったそうなんですけど、忙しくて全く気付かずに、公開日から10日くらい経ってやっと公開している事に気付いて、急いで観に行きました。

実は、エンドロールに名前は出ていませんが、撮影にちょっとだけ参加させていただきました。

割と想定していた感じに映っていました。

どこにいるかは、観てのお楽しみという事で。

試写等で観る機会はなかったので、実はどんな内容なのか観るまで知りませんでした…。

元々映画は事前の情報はあまり入れずに観たい派なので、「まあ、題名の通りの話なんだろうな」とか、「女性が観て共感する感じの映画かな」くらいの感じで観に行きました。

ところがどっこい、性別関係なく、「今、もがいて頑張っている人」にぶっ刺さる映画でした。

主人公の安希子は、どん底に落ち、そこから必死に這い上がろうとするも、なんとなく、「こうなりたい」という思いはありつつも、何を成したら幸せなのか、どうなったら幸せなのか、どうありたいのかがイマイチ自分の中ではっきりしなくて、それに対しても焦りがあり、どうしたらいいのかが分からなくなっている状態。

周りの皆は、それぞれにやりたい事があったり、それぞれの幸せを掴んだり、そんな状況が、また安希子を苦しめる。

そんな中、ひょんな事からササポンなる56歳サラリーマンと同居生活をする事になるのだが、このササポンの達観した言葉が、なんとも良い。
グサッと刺さるというより、遠くで鳴るお寺の鐘の音がじんわり響いてくるっていう感じ。

焦る安希子の心を鎮めるし、ギリギリのところで踏ん張って頑張っている僕にも響いてきました。

そういえば、最初からすごく自然に観る事ができたのですが、それは出演者皆さまの演技がすごく良かったからだと思います。
井浦新さんは、先日観た「福田村事件」とは全く違う感じで、でもこちらの力の程よく抜けたおじさんも見事に演じられていて脱帽でした。

世界中を救う訳ではないし、今幸せな人には届くものは少ないかもしれないけど、肩ひじ張りながら、全身に力が入って体が強張っている人に、「頑張りはするけど、もうちょっとだけ力を抜いてもいいのかも」と思わせてくれる作品なのかなと思いました。

自分としては刺さるものがあり、自分でそう感じられる作品に少しでも関われた事が嬉しいです。

是非、題名からイメージする感じに騙されながら観る事をお薦めします。

そういえば、映画が公開されている事を知って、HPを見たら、スタッフさんの中に見覚えのある名前が…。

なんと、今作のヘアメイクさんが、僕の転機の一つとなった『あるいは、とても小さな戦争の音』という映画でご一緒した方でした。

現場には、深川さんもいらっしゃったので、ヘアメイクさんも居たと思いますが、離れた場所に居たので、現場でお直しとか入っていても気付きませんでしたが、なんという偶然。

以前、ご一緒した方と現場でこうしてまた同じ現場に入れるというのは、なんだか妙に嬉しいもので、頑張って続けているとこういう事もあるんだなと改めて感じました。

そういう出来事も、また頑張る力の一つになります。

よし、頑張ろう。

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