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創作に対する妄想力(その2)

第2章 妄想力を磨く


デザインソースに触れて、その秘訣を分析できるようになった次にはネットで素敵な商品の画像や建築物を見て、「実物はもっとスゴイんじゃないのか?」と、思い切り妄想を膨らませてみましょう。実物を見てしまうとそこで想像力が止まってしまいますが、未知に期待する妄想の世界は無限です。

「きっとこんな風に出来ていて、素材も素晴らしいものを使っているんだろう」と期待と妄想が十分に膨らんだら、次の段階で実物を見て触り、自分の妄想の産物と対決させます。

最初の段階では、「うわっ、妄想以上!!スゴイ!!」の連続ですが、結果を元に妄想をブラッシュアップするにつれ、いつしか妄想の勝率が上がってくるのです。

デザインの話をする上で、インスピレーションやイマジネーションといった言葉ではなく、「妄想」というワードが出てくるのはあまり見かけないような気がしますが、自分の中ではこの「妄想」が欠かせない過程となっています。

幼少期、福井県のごくごく一般的な住宅地で生まれ、自分の小さな行動範囲の中でしか生きてこなかった分、TVの中の都会にあこがれを持ち、いつも妄想していました。

関東に来てからその妄想をはるかに超えるモノからさまざまな刺激を受け、それによりモノへの興味がますます増しました。そうして、自分のまだ見ぬもの、まだ出会っていない素晴らしいモノに対しての妄想になおさら火が付いたのです。

現在ではWEB上の画像のクオリティも上がっているため、一般的なアイテムや商品との対決は妄想力が実物を上回ることが大半となってきました。よって、最近はスケール感や空気感が伴うものを求めて対決しています。

では、どうやったら妄想力を培うことができるのでしょうか。非常に良い手法として挙げたいのが日本文化 における「見立て」です。雲を「竜」に見立てたり、木目を「変な顔」に見立てたり、小さなころに遊んだ空想遊びは、捉え方を変えて違うものに見立てる想像力を引き出してくれます。

また、近しいところで「見間違え」や「勘違い」も侮れません。一瞬、目に入ったものがとてつもなくカッコよく思えて、二度見してみたら見間違いだった……という経験はありませんか? その「何だアレ??」を頭の中で突き詰めて具現化していくと、全く新しいデザインとなって生まれてくることがあります。実際にその見間違いから生まれたデザインが商品化に至ったこともあります。
断片的にしか捉えられなかった視覚情報を、頭の中のAIが補完するのだと勝手に解釈しているのですが、それまでのインプットが多ければ多いほど、より優れた結果が出てくるのではないか、と思ったりします。
AIといえば、最近ではAIイラストツールを使っての「キーワードのみでどこまで想像力をひきだせるか」対決は、お子さんと一緒に想像力を豊かにできる楽しい遊びにもなると思います。楽しみながら出来ることを取り入れることで、継続できる力になります。

きっと、こんな「見間違い」からペガサスが生まれたのかと(笑)

では、次章「調理法を知る」 (11月3日更新!...予定💦)

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