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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察&解説

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NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、毎週アップしています。「細かすぎて伝わらないなぁ」と感じた作中の法律ネタも細かく解説しています。
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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第6週(高等試験司法科ほか)

朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第6週(高等試験司法科ほか)

第6週は、いよいよ寅子が高等試験司法科(現在の司法試験)に挑戦し、見事合格を果たしました。

NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、毎週noteにしたためています。

高等試験司法科はどんな試験?高等試験司法科は、現在の司法試験に相当するものです。どんな試験問題だったのか気になりましたので、調べてみました。

国立国会図書館のデジタルコレクションで検索したところ、

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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第5週(自白の恐怖・共亜事件の黒幕・管を巻く桂場ほか)

朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第5週(自白の恐怖・共亜事件の黒幕・管を巻く桂場ほか)

第5週は、いよいよ寅子の父の長い闘いが始まりました。戦前の刑事法廷が再現されており、法曹の立場からも大変「激アツ」な週でした。

NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、毎週noteにしたためています。

共亜事件の黒幕・水沼淳三郎無罪判決の後、検事と密会をする謎の大物黒幕。新聞記者の予想するとおり、おそらく、「水沼淳三郎」でしょう。共亜事件のモデルとなった帝人事件

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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第4週(戦前の刑事訴訟法)

朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第4週(戦前の刑事訴訟法)

第4週は、寅子たちがいよいよ明律大学本科に進学し、男子学生との様々なドラマがありましたが、個人的に気になったのは、実父の勾留、家宅捜索シーンです。

NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、毎週noteにしたためています。

戦前の刑事訴訟法戦前の刑事訴訟法は、現在のものとは全く異なるものでした。

現在の制度では、起訴・不起訴を決めるのは検察官ですが、戦前には、「

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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第3週(毒饅頭殺人事件)

朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第3週(毒饅頭殺人事件)

第3週は、寅子が法廷劇デビューを果たしましたが、残念な結果に・・・。「毒饅頭殺人事件」を上演させた学長の真意は、何だったのでしょうか。

NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、毎週noteにしたためています。

毒饅頭殺人事件の法的論点は?毒饅頭殺人事件の法廷劇は、大波乱のもとに中止に追い込まれ、結末が謎のままに終わりました。

毒饅頭殺人事件は、次のような事案で

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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第2週(画期的な判決)

朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第2週(画期的な判決)

第2週は、寅子がいよいよ明律大学女子部に入学しました。今週は、法廷シーンも登場し、法律ドラマ感が出てきました。

NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、毎週noteにしたためています。

戦前の法廷シーン今週は、裁判傍聴シーンが登場しましたが、戦前の法廷を再現したドラマというのは、画期的でした。

演出上の脚色もあると思いますが、「現在の民事事件とはだいぶ違うな」

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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第1週(穂高先生のモデルは?)

朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第1週(穂高先生のモデルは?)

2024年4月からスタートしたNHK連続テレビ小説「虎に翼」。法曹界が舞台ということで、弁護士視点で気になったことを、毎週noteにしたためます。

穂高先生のモデルは?寅子が明律大学女子部に進学するきっかけとなった、穂高先生との出会い。穂高先生のモデルは、民法学者の穂積重遠です。

穂積重遠の父は、民法の起草にかかわった穂積陳重であり、民法を勉強すると、「穂積」の名前を一度は目にします。

穂積

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