母が助かりますように

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酔っ払った親父 4日目

いつも、厳かな親父が、出張先から酔っ払って帰ってきた。 帰ってきた途端、母の手を掴んで泣き出した。こんな父を見るのは初めてだった。一番辛い思いをして、吐き出さずにいたのか、本当に辛そうだった。母は笑っていたが、どこか元気はなかった。 1日1日という時間が過ぎる度、母の体力は落ち、ぼくたちも辛い日々が続く。1日が終わってほしくない。 これが現実だと思いたくない。

    • 元気のない3日目

      昨日は少し体調良くて、安心してたけど、今日は起きては寝ての繰り返しでとてもきつそうだった。 体調が良いとみれば、弟や妹は母が病気なのを忘れて、普段通りに接してしまう。すごい腹が立つが、母の前で喧嘩をすることが母のストレスに繋がると思うと、我慢するしかない。 明日からおばあちゃんが来て、母の面倒を見てくれるらしい。おばあちゃんは、若い時に旦那、つまり母の父を亡くし、そして娘にも先に逝かれてしまう。おばあちゃんはとても複雑な気持ちだろう。子が親を失うより、親が子を失う方が辛い

      • 母が余命宣告受けて2日目。

        今日は広告会社の面接受けて、すぐ帰ってきた。 今日の母は元気だった。僕も面接で上手く話すことができて気分が良かったし、母が元気だったので今日はとても楽しかった。 母が余命宣告されるまで、僕達の家族はバラバラだった。昨日、母からもう長くないと言われてから、父や兄弟を含め、みんなが思いやりを持って過ごすようになった。コミュニケーションもたくさん増えて、母も楽しそうだ。 もしかしたら、病気は悪いことだけじゃないのかもしれない。残りの時間の中でまた家族の温かさが戻り、母がいなく

        • 押し潰されそうな就活

          僕は今、大学四年生です。広告業界を目指して、就活に励んでいます。明日も面接があって、とても今忙しい状況です。 そんな状況の中、母から、「いつ死んでもおかしくない状態なの、ごめんね」と言われました。 母は10年前、乳癌を患い、完治しましたが、今年の1月に癌が再発していることが分かりました。それがわかった時はもう長くはないのだろうと、少し覚悟していたこともありましたが、それは5年程先のことであると思っていました。僕には5つ離れた妹と、3つ離れた弟がいて、あと5年生きてくれれば

        酔っ払った親父 4日目