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当日パンフレットは何のため?誰のため?

女物のカバンって小さいじゃないですか。
でも芝居を見に行くと色々渡されたり、色々買っちゃったりするので結局サブバッグ持って行ってる、なんてことが多いんですよね。だってチラシは最悪折り畳めてもパンフはさすがに折り畳めないし物理的に、チラシだって折らずに持って帰りたいわけですよ。でも大きめのカバンで向かうって気分ではない時に、見栄えが悪いかもしれないけれどサブバッグを持って行ったりするわけです。でもまあそれでも持って行くの忘れて全部裸で持って帰ることもあるけどね!!!はずかしいな!!!

ところでこの「当日パンフレット」ってピンときたらまあ小劇場の人って感じですよね。うん、私も小劇場で仕事するまでこの存在知らなかった。

パンフレットとはグッズコーナーで販売しているものであって、はてさて「当日」パンフレットとはなんぞや・・・劇団四季やバレエとかで「本日の配役表」なるペラ1枚の紙はチラシ束の一番上になってたり、会場に掲示されているけれど。

当日パンフレットでGoogle検索したところで語義が出て来ないということは完全にローカルな造語なのでしょう。

だいたいの内容としては、主宰・演出家・脚本家の挨拶、ストーリーあらすじ、配役表、団体の次回公演情報、出演者の次回公演情報が書かれていたりするこの紙。形式はチラシやアンケートを挟み込むためにA4の二つ折りやA3の二つ折りサイズになっていることが多い。

まあ極論いらないんですけど。

なんでこんな話をし始めたかと言うと、先日観た劇団新和座の舞台がすごくお客様ファーストでそのステージについてフォーカスした当日パンフレットを作成されてたんですね。ちなみに劇団だったので「今後の活動情報・メンバーの客演情報などは全てHPに掲載一元化してますアナウンス(QRコードつき!)」+チラシのある人(特に客演さん)は折り込みという非常にシンプルな告知案内だったのです。

そして思い出したのは以前とある現場で当日の折り込みチラシなどについて連絡事項として稽古場で話した時、小劇場出身の役者さんが多かったのですがキャストが50人ほどだったので、

●いわゆる当日パンフレットは作成しない
●配役表とあらすじはチラシと同じように配布する
●チラシに関しての枚数の連絡。折り込み希望者は事前に連絡のこと

要するに次回出演公演などの情報については「チラシの折り込みというフォーマットで告知すること」という点を徹底したんですね。ちなみに舞台公演以外のチラシ折り込みはNGなどとも言っていなかったのでチラシが完成していない、自分のSNSのアカウントなどを宣伝したいというのであれば「自分チラシ」を作成して折り込んでもOKというスタンスです。

そしたら演出家がこういいました。

「役者にとって次回公演とかSNSの情報って次に繋がることだから当日パンフレットに書いてもらわないと困る」

知らねえよ。ていうかそれ思ってても役者のいるオープンなところで言うなよ。悪意しか感じないわ。

当日パンフの内容なんて、団体の方針それぞれ、内容なんかどう言う形であっても問題ないはずなのです。今このステージについての解説書なのであればはっきり言って役者の次回公演の予定についてはパンフレットには不要。ていうかまずお前雇われ演出家だろ。こっちも雇われ制作だから言いたかったらスタッフ会議で主宰者のいるところでて言うか作品に口出ししてない段階で制作について口出ししないでほしい・・・。


では問題。

「当日パンフレットとは、誰のためのものか」そして「誰のためのものであるべきか」

まあ正直答えないと思います。解なし。

次回出演情報をまず掲載するのであれば「役者のためのもの」なんでしょう。作品について掲載するのであれば、「今日見にきてくれたお客様へのガイド」としてなんでしょう。どっちも正解だと思います。

でも「当日パンフレットは当然作られるものであって、そこに自分の次回情報は掲載されてしかるべき」という役者へのサービスとして当然のように要求してくる態度についてはお断り申し上げたい。
自分が宣伝したいのであれば、当日パンフレットを待たずに自分で積極的に情報は拡散するべき。
そもそも、パンフレットの細かい文字より、出演なんだったらチラシそのもの、自分のSNSアカウントを知って欲しいのであれば「自分チラシ」にQRコードを入れてすぐ携帯でアクセスできるようにすればいいんじゃないの?
確かに、小劇場であれば特に役者の手売りに集客を依存しているから、その対価として宣伝告知の便宜はある程度はかってしかるべきだけれど、それはあくまで「団体が行える体裁の範囲内」でしかないのだから、他の団体がああだ、自分はこう言う風に載せて欲しいのにそれが通らない程度で文句を言われる筋合いはないと思う。

なおかつ、団体側は全てにおいて何を目的にして製作するものなのかということを意識すべきとも思った。
漫然と作業をしていると、肝心の作品の部分がぶれる。たとえチケットの1枚、パンフレットの1枚に至るまで、全てにおいて「公演」を成立させる要素であるともっと注意しないといけないと思う。

美は細部に宿るのだ。




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