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アルビノ×ASD×適応障害の私は、働いています。

この記事は、「私も働けたんだからあなたも働けるよ!」というものではありません。

「私のような人の就労はとても難しい」と言いたい記事です。

もっと希望に溢れることを言ってよ、ただでさえ経済はこれから悪くなるのに、と思った方には申し訳ありませんが、経済が悪化すると真っ先に打撃を受けるのが障害者などの弱者なのです。警鐘を鳴らす必要は十分にあります。

私の病状-アルビノ

まず、私の病状とそれによってどんな状態になっているのか説明します。

最初にアルビノです。アルビノとはメラニン色素が少ないまたはなく生まれる遺伝疾患で、体毛は薄く、日焼けに弱く、弱視を伴うことが多いです。症状は個人差が大きいです。

私も弱視ですが、視覚障害者手帳を取れる視力ではありません。そこそこ見えている、とイメージしておいてください。ここ、後に重要になってきます。

私の病状-ASD

次に、ASD(自閉症スペクトラム/アスペルガー症候群)についてです。人によって症状の出方が違います。

私はコミュニケーションに大きく苦手が出ています。例えば、冗談を理解できない、空気が読めないなどです。そうなると、人と話していても、「何かうまくいかないな、何でかわからないけど」と感じる状態になります。

また、ものの程度がわかりません。「ある程度溜まったら片づける」などの指示をされると、そのある程度がわからずに困ります。

それから、これはASDのせいかはわかりませんが、人の顔を覚えられません。年齢層が同じで同性でスーツを着ている人を2人並べられたら全くわからなくなります。

私の病状-適応障害

そして、適応障害です。

参考:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_adjustment.html

私の症状は収まってきていて、最近は薬があれば眠れるし、早い時間は無理ですが朝起きることもできます。

ただ、週末は過眠(簡単に言うと寝過ぎの状態)になってしまいます。働いて食べて寝るのが精一杯、という状態です。

私のスキルセット

地方国立大を出て、今日で3年目がスタートしました。学歴としてはまあ悪くないけど、無敵でもないよね、といったところです。

本来なら社会人3年目ですが、休職期間があるので、社会人経験はそんなにありません。

昨年7月にライターとして活動を始めて、もうすぐ1年が経とうとしています。実績を少しずつ上げている段階です。

他にやってきた仕事は事務補助や補佐など。ExcelやWordも使いますが、難しい関数を使いこなしたりする必要はありませんでした。

転職を考えるとき、これがなかなかネックになります。カフェの店員をしていた人ならこんな風におすすめするとお客様が買ってくれたなどの成功経験が話せます。技術職なら扱っている技術の改善について話せるでしょう。

しかし私が話せることと言えば、正確にデータ入力をした、くらいのことなのです。より効率的な関数を導入した経験などがあればよかったのですが……。特に語れる成功経験もありません。

手順もやることもすべて決まっているため、自分で考えることがないのは楽ですが、それだけでは成長できません。

狭まっていく選択肢

何故こんなことになってしまったのか。原因はいろいろあります。障害や疾患にフォーカスしながら見ていきます。個人的な事情は今回あまり関係ないので、省きます。

簡単に言えば、障害や疾患で受けられる求人があまりなかったし特別な資格やスキルももっていなかったことに尽きると考えています。私がもっていたスキルは地方国立大卒、それのみと言っていいでしょう。

それでも私の出た大学というのは出ればそれなりに就職先のあるところのはずでした。ところが、求人票を見ていくうちにだんだんと選択肢が狭まっていったのです。

その理由を見ていきます。

日焼けが大敵

アルビノは紫外線に弱く、人より日焼けをしやすい疾患です。屋外での作業がメインになる仕事は避けた方がいいでしょう。

例えば、外でお菓子やジュースの販売をするには、定期的に日焼け止めを塗り直さなくてはなりません。そして実際そういった現場では、そんな時間を確実にとることは難しいです。忙しい時間帯にそれは無理でしょうからね。

そんなわけで屋外で行う仕事が選択肢から外れます。

運転ができない

さらに、私はアルビノのために弱視で、運転免許を取るのに必要な視力を満たせません。つまり、要普通免許と書いてあったり、車がなければ通勤できないようなところにある企業では仕事ができません。 

そして、屋外で行う仕事と、運転免許がなければできない仕事が選択肢から外れました。

接客ができない

そして最後に、これがなかなかに致命的でした。ASD特性がコミュニケーションの苦手を強くもっているため、接客ができないのです。やってみたことはあるのですが、訳もわからないうちに上司に怒られてしまい、ほぼ解雇同然でその職場を去りました。

そんなわけで、屋外で行う仕事、運転免許がなければできない仕事と、接客が必要な仕事が選択肢から外れました。

労働時間の制約

さらに、適応障害の治療中のため、労働時間に制約があります。週30時間以内というのが主治医と決めた時間です。

普通にフルタイムで働くと週40時間なので、そこより少ないことになります。

条件に合う"仕事"はなかなかなくて

さて、この条件をハローワークのシステムで検索してみると、仕事が全然ありませんでした。検索結果に出てきた求人すべてに応募してみる勢いでいかないと仕事がないという感じですね。

これは私のいるところが地方であることもあると思います。東京なら、状況は違ったかもしれません。

また、ASDの方で手帳があるので障害者枠を使おうと思って求人を見ると、フルタイムで健常者とほぼ同じに働ける障害者にしか居場所がないことがわかります。

運良く理解ある職場に巡りあえたけれど

そんな私ですが、何とかオープン就労(障害や疾患を明らかにして就職すること)で、理解ある職場で働いています。

障害が落ちる原因になりかねないのだとしても、隠して就労して苦労するよりはまし、と考えて、障害や疾患を開示しました。

その結果、期限つきですが、職を得ることに成功しました。

ただこれは特に実力でもなく、運なのかなと思います。

そして期限つきなので、次を探さないといけません。これまでの経験でわかったことを踏まえ、リモートワークのみで食べていくことを目標に探していきたいと考えています。

何か質問などあればコメントにお願いします。

執筆のための資料代にさせていただきます。