お茶の葉18:中国茶の歴史

おはようございます。
今日も気温の上では寒いはずなのに、ベランダに出てみると空気の芯に冷たさは感じない。昨日の満月の光のように穏やかに冬の空気も徐々に春に歩みを進めているような気がする。と言って油断するとまたバカみたいに冷え込むタイミングがありそうだけど。

昨日までは、チャノキの葉を使った茶葉の種類から、それぞれに含まれる成分や効能などを一通り見てきた。個人的に今まで飲んできた日本茶、中国茶、紅茶の製造法から異なる違いが学んできた。
最後にお茶の歴史を振り返っていきたい。

昨日はそもそもチャノキの葉っぱが解毒作用のある薬として飲まれるようになった経緯を見てきた。今日はそこからの続き。

中国茶の発祥

三国時代(3世紀)の書物「広雅」によると、お茶は茶の葉を餅状に丸めたものをあぶってついて湯をかけ、みかんの皮・ねぎ・しょうがなどと混ぜて、他の材料と一緒に煮るスープのようにして飲まれていたようだ。この時代には朝廷では茶は酒と同等に扱われていたが、その後客人をもてなすなど次第に社交の場の飲みものとして用いられるようになっていく。

唐の時代(618~907年)になると、お茶を飲む習慣は全国に広がる。この頃のお茶は、蒸した茶葉をつき固めて乾燥させた餅茶(へいちゃ)が主流でした。
餅茶とは、茶っぱを丸餅のような平べったく丸く固めたもので、僕らが見慣れている一枚一枚が解れている状態・細かく挽かれたものは対して散茶と呼ばれる。
現在の中国南部の雲南省からインドのアッサム地方にかかる山地周辺で栽培され始めた茶葉は、この頃既に全国で栽培されるようになっていましたが、消費地への運搬には固形茶が便利だったようだ。

世界で最も古いお茶の本といわれている『茶経』は、唐の時代に陸羽によって記されたものです。『茶経』は3巻10章から成り、お茶の起源、歴史から製造具、茶道具、いれ方、飲み方、産地、心得にまで及びます。
餅茶の作り方や飲み方についても以下の様に詳しく書かれている。
摘んだ茶葉を蒸し、ついて型に入れて成形、日干し後火で炙って乾燥して保存する。飲む時は、それを削って細かく解して塩を入れた湯に加えて煮た後器に入れて飲む、そうな。

宋の時代(960年 - 1279年)になると、お茶は貴族から役人や文人など富裕な市民のものへと変遷していき、お茶を飲みながら詩を吟じ、書を嗜み、絵を描き、哲学を論じた。時に遊びとして「闘茶」と称してお茶の良し悪しを鑑定し、茶器の良否を競うこともあった。日本のお茶の文化が歴史で表舞台に出始め茶器などにもこだわり始めるのが信長から秀吉の1500年代と考えると、かなり先んじている。
飲み方も、緊圧茶の茶葉をすった粉末を茶碗に 入れてお湯とかき混ぜる、日本の抹茶のような飲み方が茶道と同じような竹製の茶筅を使ってされる様に。また餅茶の製法が複雑になり、さらに呼び方が変わって「片茶」、「団茶」と呼ばれるようになる。

明の時代(1368年から1644年)になると、貴族と富裕市民に限られていた喫茶の習慣が一般市民へと普及しお茶は大変動の時代を迎える。この時代、団茶は製造に手間がかかる上にお茶本来の美味しさを損なっているとして、初代皇帝洪武帝(朱元璋)は団茶禁止令を出す。これをきっかけに「散茶」が本格的に生産されるようになり、さらに蒸し製法に代わって釜炒り製法が一般的になり茶葉の主流が急変。残った団茶を飲む方法として、ジャスミン花の香りなどを着香させた「花茶」が登場するのもこの時代です。

この時期、浙江省の西湖龍井茶(ろんじんちゃ)や安徽省の黄山毛峰(こうざんもうほう)などの緑茶が知られるようになりました。また明代の末期には、福建省の武夷茶が上流階級に珍重され、この稀少価値の高い優良茶を商人が大金をもって求めました。

清の時代(1644年から1912年)になると、中国茶葉や茶具はほぼ完成し、中国茶文化は最盛期を迎える。福建省では青茶(烏龍茶)が開発され、「花茶」とともに愛飲されるようになる。また、青茶ならではのすばらしい香りを追求する過程で、工夫茶の手法が開発される。工夫茶とは、時間と手間をかけてゆっくりと丁寧にいれるお茶を意味する。お茶の魅力を引き出す茶器を使っていれ、まず聞香杯(もんこうはい)で「香り」を楽しみ、次に茶杯で「味」を楽しみます。中国茶が香りを大切にし、「花茶」が大いに普及しているのはこの頃からの習慣といえる。

清が崩壊すると、中国は列国の侵略を受けますが、茶壷製作や茶葉の栽培はさらに発展しました。
しかし、中華人民共和国の建国(1951年)後、中国茶は順調に発展を続けていましたが、毛沢東の文化大革命(1966~1976年)により、お茶は贅沢の象徴として弾圧され、栽培は制限される。これにより、当局の影響を受けない台湾や香港でお茶の栽培と茶芸がより発展し、現在の台湾茶の世界的な台頭に繋がっている。

*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

最初はありがたい薬として始まり、酒と並べ嗜好品として珍重されたお茶。王族・貴族から富裕層、市民へと徐々に広がっていく過程で、飲まれ方もより美味しく飲める様に変わっていく変遷も辿れるのも面白い。長い歴史があれば、それだけのストーリーがあるんだね。
そう思いつつ今日も美味しいお茶を頂こう。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。

皆様も、良い週末を。

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