老人

2020年 2人に1人が50歳以上に

 高齢化が進む日本。現在高齢者は4人に1人という「超高齢社会」という異常事態なのである。この忌々しき事態を弊noteで「未来の年表」より引用し綴っていきたいと思う。

高齢者の高齢化が進んでいく

 高齢社会というとその人数の増え方ばかりに関心が集まるが、一口に「高齢者」といっても、その年齢幅は実に広い。65歳になりたての人と、100歳近い人では親子ほどの年齢差がある。年代の偏りも大きいし。一括りにするのは無理があるだろう。
 そこでまずは、「高齢者」の年齢構成を確認しておく。総務省が敬老の日を前に公表した統計トピックス(2016年9月15日のデータ) を見ると、65歳~74歳(1764万人)と75歳以上(1697万人)の人口は拮抗している。
 75歳以上をさらに細かく区別してみる。75~79歳が652万人、80~84歳が518万人、85歳以上が527万人だ。つまり、高齢者全体の3分の1近くを80歳以上が占めているのである。
 2018年には75歳以上の人口がふたすら増え続け、2055年頃には「4人に1人」が該当するようになる。

今後の日本の高齢社会とは、「高齢者」の高齢化が進んでいく社会であるのだ

出生率が改善しても出生数は増えない

 少子化を測るバロメーターに「合計特殊出生率」というのがある。1人の女性が生涯に出産する子供数の推計値のことだ。終戦間もない1947年には4.54だったが、直近の数値である2016年(2017年の数値を探したが見つからなかった)は、3分の1以下の1.44にまで下がった。
 これを1組の夫婦の話として単純化して考えてみよう。子供は父親と母親という2人の人間から生まれてくる。つまり、現在の人口規模を維持しよとするには、合計特殊出生率が「2.00」(厳密には2.07)でなければならない。「3」台になって初めて人口増加に向かい、「1」台であるならば増えない。もっといえば「1.00」であろうと、「1.99」であろうと両親は2人いるので出生数の減るスピードさえ遅くなるものの「人口減少」という事実は変わらないのである。これこそ日本が目下突き付けられている「極めて厳しい現実」なのだ。
 少子化は進み、人口減少は止まらない。それでは、人口減少日本の将来には、具体的に、いったいどんな事態が待ち受けているのだろうか。

2020年、女性の2人に1人が50歳以上に

「結婚の気運をもっと盛り上げて、多くのカップルに東京オリンピック・パラリンピックを楽しんでいただく流れを作ってまいりたい」

 これは2017年3月、東京都が初主催した結婚応援イベント「TOUKYO縁結日2017」に出席した小池百合子知事のあいさつである。こうした婚活イベントだけではなく、政治家や有識者などからは「ストップ少子化」と銘打って、さまざまな提言がなされている。
 だが、現在の日本で少子化に歯止めをかけるなど極めて難しい。仮に、少子化が止まるとすれば、それは遠い未来のことであろう。「ベビーブームが到来するかもそれない」と期待する人もいるだろうが、ちょっとやそっとのベビーブームが起こったぐらいでは、日本の少子化の流れは変わらない。
 先述したように、合計出生率が改善しても出生数の増加には繋がるどころか、むしろ減っていくからである。それはなぜなのか?
 これまでの少子化の影響で「未来の母親」となる女児の数が減ってしまっているためである。過去の少子化に伴う出生数の減少によって、すでに女児の数は少なくなっており、将来、子供を埋める女性の数が大きく減ってしまうである。これが少子化が止まらない一つの原因だ。
 現代の日本社会は、少子化が「さらなる少子化」を呼び起こす悪循環に陥っているのである。

「国民希望出生率」は実現可能?

 高齢者の進展によって女性人口に占める49歳以下の若い世代も減ってきているが、社人研の女性人口の将来推計を見ると、2020年には50歳以上人口が0~49歳人口を追い抜く。日本女性の過半数が出産期を終えた年齢になるということだ。
 これに対して、安倍政権は「国民希望出生率1.8」の構想を打ち出した。

※国民希望出生率とは
若い世代が結婚して出産したいという希望が叶った場合に想定される合計特殊出生率のこと

 「第15回出生動向基本調査」によると
「いずれ結婚するつもり」と考える独身者は男性85.7%、女性89.3%で、男女とも「ある程度の年齢までには結婚するつもり」が、「理想的な相手が見つかるまでは結婚しなくても構わない」を上回っている。結婚する意思のある未婚者が希望する子供数は男性が1.91人、女性は2.02にんであり、夫婦の予定子供数も2.01人である。こうした数字をベースに一定の仮定に基づいて計算すると、現在の「国民希望出生率」は1.8になるというのだ。
 ただ、この「国民希望出生率」を実現するためのハードルも決して低くはない。結婚したいのにできない、子供が欲しいのに持てない理由は様々。その一つ一つを解消していくには、政府や自治体の地道な取り組みが必要になる。そして、たとえ1.8を達成したとしても少子化に歯止めがかかるわけではない。
 合計特殊出生率の人口置き換え水準(人口が減らない水準)は「2.07」であり、1.8では遠く及ばないためだ。
 では、我々にはどんな選択肢が残されているのか?できることといえば、少子化のスピードを少しでも緩めることである。
 人口半減までのペースが速ければ速いほど、その変化に対応するための時間が少なくなる。逆に言えば、合計特殊出生率が高ければ高いほど、人口減少スピードは遅くなり、社会を作り替えるための時間を確保できるのだ。少子化対策を講じるための「時間稼ぎ」をするという意味からも、合計特殊出生率を向上させる取り組みを疎かにはできないのである。

終わりに

最後までお読みいただきありがとうございます!
今回は河合雅司さんが書いた「未来の年表」より引用させていただきました。この本はこれからの日本に起きえることが解説されており、あれ?日本やばいんじゃね?と再確認できる本で、とても面白かったです!ぜひ店頭やAmazonでお買い求めください!!

チープマン(@Zaif_invest)

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