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命がけのしたたかさ。映画「女王陛下のお気に入り」

日曜日は久しぶりに時間ができ、
以前から見たかった映画
「女王陛下のお気に入り(The Favorite)」
を見ていました。

2018年の英・米・アイルランド合作の映画で、
18世紀初頭の英国のアン女王と
二人の女官をめぐる、
史実に基づいた映画です。
 
いくつか史実と違う点も
指摘されていますが、
いろいろな意味で
とても面白い映画でした。
 
二人の女官、サラとアビゲイルは
いとこ同士なのですが、
裕福に育ち、
少女時代からアン女王と友人となったサラと
まさに泥水をすするような体験をして
宮廷に上がったサラの生き方、
行動の仕方はあまりも違っていました。
 
権力を手にしているサラ、
なんとかのし上がろうと
野心を燃やしているアビゲイル。
 
そして、政治について
理性的な判断ができなかったり、
癇癪持ちの子供のように振舞ったりするけれど
複雑な心境や葛藤を抱えた女王。

(華やかな舞踏会で、主役のようで主役ではない、「お供え物」のような存在の女王の死んだ魚のようになった目がとても印象的でした)
 
それぞれの心情が人間の醜い部分も含めて伝わってきて、
非常に濃密でした。
 
豪奢な衣装も素晴らしい。

また、ほとんどの撮影が
実際にイングランドにある
「ハットフィールドハウス」
という貴族の邸宅で行われているのですが、
この邸宅には実際にエリザベス1世や
ヘンリー八世の一人息子、
エドワード王子が住んでいたことも
あったのだとか。
 
1903年には日英同盟締結を求められていた
伊藤博文がこの邸宅に招かれたそうですから、
この邸宅は様々な歴史的な場面を
見てきたのでしょうね。
 
15世紀に建てられた邸宅なのですが、
現在も公開されているそうで、
映画の中でその重厚な佇まいを見ていると
「次に英国に旅行できる日が来たら
絶対にここに行こう」
と思わずにはいられません。
 
(ですから、
「英国王のスピーチ」
「恋に落ちたシェイクスピア」など
様々な映画のロケ地となっているそうです)
 
それにしても。
 
様々な形の人間の「欲」の強さや
力関係の凄まじさや
権力というものを
目の前に突きつけられるような
映画でした。
 
その中でも、
やはり人は誰かの「優しさ」
に触れた時に心を動かされるのですよね。
(それを逆手に取るつわものもいるわけですが)

メインキャストの女優さんたち、
アン女王を演じたオリヴィア・コールマン、
サラ役のレイチェル・ワイズ、
アビゲイル役のエマ・ストーン。
 
彼女たちのぶつかり合いのような演技も、
鬼気迫るものがありました。

大人向けの場面やセリフもあるので
お子さんのいるご家庭で見る
家族団欒向きの作品ではありませんが、
とにかく見所が多いので
なんども見たくなる映画の一つになりました。
 
今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
 
*昼間の桜も綺麗ですが、
夜桜も素敵ですよね。
 
今日は満月は見えませんでしたが、
先日は月と桜がとても綺麗に見えました。

写真はここ数日間の
井の頭公園の夜桜の様子です
 
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もう少し!


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