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塔の上のラプンツェルにみる、主体的心理の社会実装

ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」は、今年公開10周年を迎えました。
ラプンツェルは魔法の髪を持つ塔の中に閉じ込められたプリンセスが、ささやかながら強い自分の願いを叶えるために行動し、本当の自分を知る物語です。

今回は物語を見返しながら、主体的心理である"夢"を実現する過程について考えていきます。
多分にネタバレを含んでいるので、これから映画を見る方は先に見てからお読みください。

それでは、美しいランタンに囲まれた劇中歌と共にお楽しみください。

主体的心理の発信

ラプンツェルの願いは「年に一度、自分の誕生日にあがる無数の空飛ぶランタンを近くで見てみたい」というものです。
18歳の誕生日を目前に、この願いを母と信じているゴーテルに何度も伝えていきます。
ですが魔法の力を独り占めしたいゴーテルは、それに一切応じません。
そんな中、ラプンツェルが一人で留守番をしている最中に塔にやってきたのがフリンでした。

認知

フリンの持っていたティアラを隠したラプンツェルは、自分の願いを叶えるためにフリンに取引を持ち掛けます。
ランタンを見に連れて行ってくれたらティアラは返すというその取引を、フリンは渋々飲み、塔の外に共に出かけることになります。
取引を持ち掛けた時点で、フリンはラプンツェルの願いを認知することとなり、まず第一歩目の発信が届く結果となります。

接触・接続

二人は共に塔の外に出かけ、共に時間を過ごします。
初めて塔の外に出たことでテンションが上がったりはたまたゴーテルを悲しませると落ち込むラプンツェルの姿を、冷めた目で見つめるフリンではありますが、ここが二人が接点を持ち始めた初期段階でもあります。

興味喚起

フリンはラプンツェルの取引に応じることを面倒だと思い、そのまま怖い思いをさせて家に帰りたいと言わせるため、強面の人が多くいる酒場へ連れていきます。
ここで恐怖心を覚えながらも、ラプンツェルは「あなたたちには夢がないの?」と酒場の人たちに問いかけ、周囲を味方につけます。
その過程を見ていたフリンはラプンツェルに興味を抱き、なぜ彼女がこんな特殊な状況になっているのか詳しく知ろうとします。

ニーズ探求

フリンは追ってくる盗賊仲間や王族の護衛団からラプンツェルと共に逃げます。
これまで外の世界に出たことのなかったラプンツェルは、持ち前の長い髪と持ってきたフライパンを使いながら、フリンを助けひとまずは逃げ切ることに成功しました。

共感

ひとまず逃げ切れた二人ですが、今度は洞窟に閉じ込められ、水没してしまいそうになります。
助け助けられの関係となった二人は、そこで危機に直面しながらも気持ちをひとつにしてなんとか洞窟から抜け出す方法はないか必死になります。

巻き込み

ラプンツェルの光る髪の力で見えた抜け道をフリンが力を絞ってこじ開けたおかげで、なんとか洞窟から抜け出せたものの、フリンは手を怪我してしまいました。
それを見たラプンツェルは、「怖がらないで」と言いながらも自分の髪の力で治すと申し出、初めて髪の持つ魔法をゴーテル以外の人に使うこととなります。

仲間化

傷を治してもらったフリンは、これまでの旅路によりラプンツェルとの信頼関係が構築できたこともあり、自身の"誰にも言ってこなかったこと"を話します。
本当の名前はユージーンだと語るフリンに、ラプンツェルもこれまで塔から一度も出たことがなかった自分のこれまでを打ち明けます。

夢を叶える

心からの信頼を築いた二人は、お城近くへ向かい、ランタンを近くで見るというラプンツェルの夢を叶えに出かけます。
最高の一日にするためにボートから見ようと提案し連れ出すユージーンの姿は、当初のやっつけ仕事としてとにかく早く取引を終わらせようとしていた時と全然違います。
順を追って築いた関係性が、彼女の夢が叶う結果を導くこととなりました。

まとめ

この先も物語は続きますが、ラプンツェルは「発信」「接触」「ニーズ探求」「巻き込み」をすることで、自身の夢を叶えるだけでなくかけがえのない関係性も構築していきました。
これは私たちの生活にもいえることで、自分の夢や"こうしたい"ということをまずは「発信」し、そこをきっかけとして役に立ったり興味を持ってもらったりしながら、自分の願いを叶えていくことができるのだと思います。

主体的心理の社会実装については、こちらの外面の構造の部分を参考にさせてもらいました↓


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