わたしが過ごしたいパブリックスペース

公園。学校。図書館。駅。劇場。公民館。水辺。公開空地。
公共空間のなかで自分が自由に過ごせる場所ってどれくらいあるんだろう?

住んでいるまちに居心地のいい場所はある?

ボール遊び禁止、大声出しちゃいけない、自転車乗り入れ禁止などなど。公園で何ができるのか探すほうが大変。安全のためとはいえ、いまや公共空間はルールがたくさんありすぎて結局うまく使えなくなったような気がする。

公共なのに閉ざされているような雰囲気すら感じることもある。旅をしている途中でその地域の暮らしに入りこみたいなと思ったとき、地域コミュニティを探すのに苦労したし、ツテがないとなかなか飛び込めない。はたから見て全然ひらかれてない。
「まちづくり」と盛んに叫ばれている今も、第三者がすんなり入っていけるような場所は本当に少ないんじゃないかな。

自由に過ごせる居心地のいい場所。
外から見てわかるオープンさ。
私でも入ってもいいのかもと思わせるようなウェルカムな雰囲気。
自分の「好き」を出していい安心感。

そんな場所が住んでるまちにあったら絶対通う!!

田中元子さんの『マイパブリックとグランドレベル』は、実際にそんな自由な公共空間を自分で作っちゃった、つまり、「マイパブリック」を作った人の話。

とつぜん自前で屋台を制作したり、公園で無料コーヒーをふるまって知らない人とつながったり。かなり突拍子もないことする人だなぁと思うのだけど、その外に向かっていくオープンな雰囲気は一緒になって参加したい気にさせてくれる。

目にとまったのは、この一節。

** 個人が作る私設公共=マイパブリックは、「みんなのもの」という責任を負わない。作り手本人がよかれと思うものを、やれる範囲でやる。それをフィーリングの合うひとが使う。そうでないひとは別のマイパブリックを使ったり、あるいは自分でつくったりする。そんな在り方だって、あるのではないだろうか。それしかないし、それでいいのではないだろうか。**–––––––– 田中元子『マイパブリックとグランドレベル』

さすがに自分で公共空間をつくるとなると、いろんな人々の視点とか配慮が必要でなんだか大変そうと思っていたけど。やれる範囲でやる。それくらいなら気負わずにできるかもしれない。

むしろ、自分なら何ができるかなってわくわくしながら考えられそう。

彼女はコーヒーを配っていたけど、お花だっていいし、カレーだっていいし、音楽のプレゼントでもいい。

住んでるまちにないなら、やっぱり自分で居心地のいい場所というものを作るしかないなーと思った今日この頃です。


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