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#3 世界でいちばん暗く長い夏

   今回は、今まで生きてきた中で1番地獄だと感じた2020年の夏について触れていきます。

ベッドから動けない

   私の場合は、全くベッドから動けませんでした。トイレは一日に1.2回。ご飯も1食。部屋の明かりは朝から晩まで点けませんでした。(私ごときが、電力を使用するのは申し訳ないと思っていました。)

   ただ、やむを得ず動かなければいけない夜は必ずやってきます。その時私は、手探りで1Rの部屋を虫の様に這って動いたのを覚えています。さしずめ、カフカの『変身』です。

とても惨めでした…。

    部屋も汚い。お風呂にも入れないため、身も汚い。なので、こんな状態では誰とも会えないと思い、次第に友達とは会わなくなっていく。

   アパートの一室で騒々しい程の孤独を感じていました。

ドス黒い感情

   先の見えない絶望。他人への羨望。身体に良くない事をし続けた私の精神は、ドス黒く腐る方を選びました。
   毎日スマホを見て、成功者と自分をわざと比較し落ち込んでいました。心の自傷行為です。

   また、皆、私の苦しみを知って理解するべきだという思いと、私の苦しみは他人が理解できる程度の安っぽいものではないという訳の分からない考えがありました。カオスです。

  真っ暗な部屋で、真っ暗な気持ちで毎日毎日枕を濡らしました。時には、幻覚(幻触?)で蟲を感知しました。
  いるはずのない蟲が、腕を登ってくる感覚があるのです。両手の中指から登ってきて、肩付近でずっと蟲たちは滞在し続けました。

   その時「俺は…終わったな…」と思いました。なんせ幻を見てしまうんですからね。2次元の情報をまさか私が体験するとは思っていませんでした。
「終わりだ…」「今日が人生最悪の日であって欲しい」という絶望と希望の入り混じった夏でした。

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