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望んだ妊娠ではあるけれど

「望まぬ妊娠だった。」とは言わない。
しかし、その命は、突然にやってきた。

確かに、ちょうど結婚に関するイベントが終わったところだったし、
仕事も遊びも、「身軽」なうちにやっておきたいことはある程度やったつもりだったから、
子どもができるタイミングとしては申し分なかった。

それでも、私のおなかに新しい命が宿ったと知ったとき、
一番最初に出た言葉は、「なぜ!?」だった。

いや、できるようなことをした覚えはあるのだ。
でも、初経から周期が安定していた私にとっては、
今まで生きてきた中で3回くらいしかない、イレギュラーなタイミングだった。

妊娠を知って、最初に抱いた感情は、喜びよりも驚きだった。
そして、喜びまでたどり着く前に、私の心は不安で溢れんばかりになった。

お酒も飲んでしまっているし、母の体質を受け継いでいれば、数日後にはつわりが始まる。
職場にも報告しないといけないが、いつがいいのだろうか。
仕事はいつまで続けられるだろうか。
そもそも、私に子どもなんて育てられるだろうか。
このまま産んでいいのだろうか……。

不安で膨れ上がった心を抱えて、にぎりしめた妊娠検査薬の置き場を探した。

※この記事は、出産前に書いていたものを、加筆修正して公開しています。

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