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日本のジュエリーの未来-3

3DCGの技術が進化し、
これからジュエリー業界にも変化を
もたらすのではないかと思います。

他の業界にも言えることですが
これからはもっとクリエイターが活躍できる場が
増えてくるのは、とても楽しみなこと。

ですが、
3DCGの分野においても
日本のジュエリー業界はかなり遅れています。

鉛筆で描いていたものを
CADで線を引き、面をはれるようになったことで
満足してしまい、想像力の欠如が
とても深刻な課題だと思う。

あまりにも同じ顔のプロダクトが溢れすぎていることに
違和感を覚えてしょうがない。

ジュエリーの設計段階でかろうじて
ライノセラスや3DESIGNを使っている。
そんなところが多いのではないでしょうか?

新たな価値を生み出すためにではなく、
製造ラインの方にだけ組み込まれてしまっている場合が
圧倒的に多いことも理由のひとつだと思う。

日本の時計業界のデザイン力の低迷に似てきている。

単純にこれまで職人が手で作っていたプロセスを
データ化できる恩恵に期待したり、
作業の効率化を図ったり、
自己都合のひと手間をなくすことだけが目的になって
CADやデジタルを導入する企業が
ジュエリー業界ではよく見られているということ。

こういった目的の場合は、
個人的には失うものの方が
大きいのではないかと思います。

人の手が生み出したもののほうが
魅力的なデザインだったのではないか?
といった視点も持ち合わせておくべきです。

デジタル領域に足を踏み入れることは
プラスな面もあるけど、
マイナスな面の誘惑が多いのかもしれません。

10年前に比べると
ブランド化という言葉に
真剣に取り組むジュエリー企業はごくわずか。

今一度、
企業やブランドの商品開発のベースとなる考え方を
見直す時期に入ってきているのではないでしょうか?

CADやデジタルはあくまで手段であり
クリエイターはもっとその先を見据えて
新たな価値を生み出す必要があるのではないかと。

手で作る技術を継承しつつ、
さらにその先の価値をどのように生み出し
デザインしていくかが、
とても重要だと思う。

UK

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