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【なまらのんびり01】夜、妻の叫び声。【夫婦エッセイ】

とある夜。

夕食も食べ終えたあと。

子供もまだいないため、この時間がゆっくりできる時間です。
妻と一緒にお茶を飲みながら溜まった録画番組を消化したり。
あるいは各々やりたいことをやったり。僕は読書やパソコンなど。妻は編み物をしたり日記を書いたり。
穏やかな時間をいつも過ごしています。



その時、すでに2人とも寝る準備をぼちぼち始めていました。
歯を磨いたり、着替えたり、トイレに行ったり、それぞれが部屋を行き来していました。



突然、寝室の方から妻の叫び声が聞こえてきます。

「アーーー!」

突然のことに僕は体をびくりと強張らせました。

何か今日やるべきことを忘れていたのか?
何か壊してしまったのか?
タンスの角に足の小指をぶつけたのか?

「○○ー!」

更に続く声に耳を傾けると……甲高く裏声に近い声で語尾を伸ばしています。

「○○○~♪」

まるで、オペラみたい、と思いました。

「まるで、オペラみたい」

寝室を覗き込み妻にそう告げると、妻は笑顔でした。

「アアー明日はーオペラーアアー♪」

翌日は休日。昼から妻とオペラを行く予定でした。
2018年秋に札幌市中央区北1西1に「さっぽろ創成スクエア」ができました。その中には「札幌市民交流プラザ」があり、その中には「札幌文化芸術劇場hitaru」がある。オペラやバレエにも対応した大きな劇場が北海道に誕生したのです。
北海道でもオペラを見ることができる。これはとても素晴らしいこと。オペラを一生に一度は見てみたいと思っていた僕は妻を誘ってチケットを取っていたのです。どうやら妻も楽しみにしていてくれたようですが……

場を和ませる冗談のつもりで「オペラみたい」とツッコミを入れたのだが、本当にオペラを歌っていた……正確にはオペラ風に独り言を言っていたのだということがわかり、僕は苦笑いしました。

「明日はオペラだね……早く寝よう」

近所迷惑になりそうだから、と僕は思いました。




夜、夕食を食べ終えた後。妻と二人の平和な時間のお話でした。



3月10日、人生初オペラ、hitaruで「椿姫」を見てきました!







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