腹痛から私を救ってくれたのは……

あぁ、また……もうダメだ。途中のメールを放り出し、スマホをもってオフィスを出た。今日はなぜかおなかが痛い。たいてい1度痛みに耐えれば終わるのに、今日は何度もぶり返している。原因を探るべく「胃腸が痛い」でググってみたけど、自分のおなかの痛みがシクシクなのかキリキリなのか、はたまたキューッなのか分からず原因不明だ。これで3回目の痛み、仕事にならないのでとりあえずトイレに向かった。

トイレの赤い扉を開けると、運よく個室はガラガラだ。個室に入って一息つくけど、痛みはひかない。あー痛い痛い……。少しでも痛みを紛らわしくて、楽しい思い出を考えてみた。恋人と行った小豆島や台湾、高校の友だちとの手紙交換、文化祭、意外に素を出せたアルバイトの飲み会……どれも本当によかった。でも回想にふけっている途中、いつもの痛みが割り込んできて結局思い出はかき消されてしまう。これではダメか。

次はスマホをいじる。こういう時、何も考えずに見れるスマートニュースの「恋愛」や「まとめ」はありがたい。適当に気になるタイトルを見つけては中を見て、次のタイトルを見つけては中を見る、その繰り返しだ。

多少は気がまぎれるけれど、やはりスマートニュースも腹痛から私を救ってくれるレベルではない。気づくと手が止まり、痛みに苦しむ時間になっている。

痛みが治まってオフィスに戻った時、気づいた。楽しかった思い出もスマートニュースも、つらい腹痛から私を救ってはくれない。痛みを避けたいなら、自分自身で何とかするしかないのだと。

考えてみるとわたしは健康に全く気を遣っていなかった。夕食はいつも22時を回っていたし、運動も「いつかする」と言って全くせず、その分お菓子は食べてばかり、仕事がない日は夜更かし三昧。この不摂生が直接の原因か分からないけれど、おそらく体調不良の1つの原因でないかと思っている。

つい最近、自分との約束を軽んじずに自分の時間を大切にしたいと書いた。腹痛から私を救うためにも、わたしはわたしの健康を大切にしていきたい。

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