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上司が今日は隣にいない。嫌いなのに、なぜか涙が…

別に寂しくなんてない。だけど、始業1時間前からいるはずの上司の席が空いているのは、何だか変な感じがした。

今日から2日間、上司はちょっとした休みを取っている。奥さんの実家に帰っているらしい。いつもは勤務中絶えず飛び交う上司のメールが、今日はぱたりと途絶えた。メールの数も心なしか少なめだ。

2つ先輩の上司は、今年からわたしの上司となった。いまはわたしと同期の男性含め、3名チームで1つの案件を対応している。もともと5名体制だったチームから1名が退職し、1名は産休に入っている。そんな状況で、サービス立ち上げ当初からかかわっていた上司はチームを引っ張ってきた。

正直言って、わたしは上司が好きじゃない。いわゆる「意識高い系」と呼ばれるタイプだ。どんなものに対しても「いまこういう時代だよね~~」と時代の寵児的発言をし、会社の欠点を指摘するときは「あの人たちにはウィルがないから~」と発言をする。一見すごい気がするけど、会話内容が全体的に薄っぺらい。そんな人の下についてから、意識の高い会話に付き合わなければいけなかったり、どこかのビジネス本でかじった知識をMTGで実践される。正直イラついていた。

そんな上司が、今日隣の席にいない。

上司がいなくても困る出来事はなかった。仕事もちゃんと進んでいる。でもなぜだろう、違和感があった。隣にいないだけで、こんなにも違うのかと驚いた。

午後2時ごろから、なんだか目が痛くなった。普段は何とも感じていないのに、今日は目が潤んでくる。ぎゅっと目を閉じて、仕事を再開するけどすぐに涙がたまる。隣を見ると、ぽっかりあいた上司の空席。今日のわたし、ちょっと変だ。訳が分からないまま、私の目はうるみ続けた。

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涙の理由が判明したのは、夜19時頃だった。目が潤んでいたのは、パソコンが原因だったのだ。デスクワーク中心のわたしは、仕事の9割以上はPCで行う仕事だ。だからPC画面を見つめていたわたしは、つい目が痛くなってしまったのだ。

ただパソコンを長時間見つめているのはいつも同じだ。いつもは何ともないのに、なぜ今日だけ目がうるんだのか?それは、私がいつも以上にじーっとPC画面を見続けられたから。つまり、いつも以上に集中力が継続したのだ。

いつもなら何だかイライラして、むやみにトイレに立ってみたりしてしまう。それが今日は皆無で、ずっとPCにかじりついて仕事を淡々とこなしていた。ものすごく集中できたのだ。

そしてこんなに集中できたのは、上司のおかげだ。となりに嫌いな上司がいなかったから、ムダなイライラがなく落ち着てい仕事に取り組めたのだから。何て快適なんだろうか……。居心地の良さから珍しく集中しすぎるあまり、目が痛くなって涙が出てしまっていたのだった。

ただ毎日集中しすぎて目が痛くなるのは辛い。だからたまには隣に上司がいる環境で、ほどよい集中力で仕事をした方がいい。上司には、あと2週間後くらいには戻ってきてほしい。上司の存在感を実感した1日だった。

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