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流れるままの人生でも、宝物をみつけることもあるね。読書記録 図書室のキリギリス

読書記録 図書室のキリギリス

竹内真 先生著
双葉社
2013年


竹内真さん、初めて読む作家さんです。

また、図書館に行って入り口近くのティーン向けコーナーをちらっとみたら目に留まってしまった本です。


本好き、本屋さん好き、図書室好きだった中高生の私に読んでほしいかな。


◎あらすじ
主人公の詩織は職探し中。そんな時、高校で音楽教諭をしている友人から電話がかかってきた。

図書室の学校司書を探しているから、履歴書を送ってみたら、という。

詩織は司書の免許なんてないし、といったが、学校司書は資格のいる司書教諭とは違って免許はいらないから。

と、言われて履歴書を送る。 


詩織には夫がいたが3年前に突然出て行ったきり、法的に離婚が成立したばかり。


そんな状況の詩織だったが運良く、学校司書の職を得る。


詩織は誰にも言っていないが不思議な特技がある。


意味のある物に手を触れると、それの所有者の残留思念がわかるのだ。


仕事を初めてから前任者の荷物から残留思念を感じ取り、その人の居場所を突き止め。訪ねていく。


◎感想
 詩織は夫の失踪後、一人暮らし続けながらしばらく、元職場や友人たちと連絡を取り、彼の居場所を探していた。

私だったら、実家に帰って父母に不満を言って多分、

あんたも悪いところがあったんでしょう。よく考えてみなさい。

とか、言われて落ち込むだろうな。

でも、子どもたちがいたら、無理やり元気をふるい起こし、ガムシャラに働いたかもしれない。

このお話の主人公の詩織は、
まだ子どもはいなかったけれど、数年後、親しい友人の紹介で仕事を得ることができた。


学校の司書という仕事は、図書の整理保管だけではなく、
学校という組織の中で他の教員や生徒たちと関わっていかなくてはいけないだろう。


夫の失踪という家庭の重大な事件を抱えながら、様々な人間関係の中で仕事ができてすごいなと、思う。

詩織は精神的に自立した人で、ある意味「自分の力でどうしようもない事柄をいつまでも抱え込んでいても前には進めない」ということをわかっている人なのかなあ、ともいえる。


そして、詩織は図書委員の生徒たちとの関わりの中で、本を読むことの楽しさや、何かを発見することの面白さ、それを誰かと共有することの喜びを何度も味わい、伝えて生きるエネルギーを蓄えていったように思う。


この本を読んで、以前私も図書館がすきだから司書教諭の資格を取ろうと思ったことがあったことを思い出しました。


この本は、本好き、図書館好き、できるなら司書の資格を取りたいなんていう中高生の私に読んでほしい。


もう一度人生があるなら、やってみたい仕事のベスト5には、司書は入りそうだなぁ。


と、好き勝手な感想はこの辺で終わりにします。


◎今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊


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