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【キャリコン】「傾聴」≠「聞き上手」「おしゃべり」~1on1や子育てにも活かせる「傾聴」を学んでみた~♯060

先日、3カ月間のキャリアコンサルタント養成講座が終了した。
火木の昼間4時間、計24回をzoomで受講。時間的な負担は少なからずあったが、様々な理論によって構築されたキャリアコンサルタントの学習はとても面白かった。
また初めはクラスメイトがどんな人たちなんだろう…と少し緊張したけれど、自己開示を伴うワークが多かったからか、受講生同士、親しい存在になった。

自分がこれまで取り組んできたキャリア支援、人材育成の分野で、自分ができることをもっと増やしたいと考え、取り組み始めたキャリアコンサルタントの資格。

この講座で学んだ力の1つが「傾聴」だった。
傾聴とは、話題の背後になる話し手の心情に意識を向け、理解し、心を込めて応答していくこと。この応答自体が情緒的なサポートになって、クライアントの苦悩を軽減すると言われている。(Lec『キャリアコンサルタント養成講座テキスト2』より)
解決策を誘導することなく、傾聴によって相手に気づきを与え、感情や考えの言語化を促し、そして自己決定してもらうプロセスが、非常に奥深いものであると認識した。

正直、講座を受けるまで、人の話を聞くのが好きで「聞き上手」と言われたこともあるから、傾聴は、その延長線ですぐにできるだろうと思っていた。
つまり、相手の話を聞いて、うなづいて、「え、そうなんですか?!」と相槌を打って、質問をあれこれしていけばよいんだと思っていた。
実際は私が思っていたほど簡単ではなかった。
相手により深い気づきを与えるために、相手の感情、思考が現れるキーワードを拾って、そこを深堀していくこと、そして母性的風土を持ちながら信頼関係を築くこと、そしてたとえ話の途中で何かしらの解決案が思い浮かんだとしても、こちらが誘導せず、あくまでも「気づきを促す質問」を通じてクライアント自身に考えてもらうもらう技術が求められる。これは、訓練しないと得られない力だと感じた。

最近、1on1ミーティングを取り入れ、上司部下の信頼関係を築き、コミュニケーションを深めたり、内省する力を育み、自律的に動ける部下の育成に繋げている職場が多いと聞く。1on1ミーティングも基本的には部下に対する傾聴の場である。
ただ、上司との1on1ミーティングで、話を聞いてもらうどころか、上司が的外れのアドバイスをし続け、それが、全く部下の立場、環境を踏まえたものではなかったがために、会社への信頼、仕事のモチベーションが劇的に下がり、転職を決意したという話なんかも聞いたことがある。

また、子育てにおいても、自分の人生を自分で決めて歩める大人になるために子供の思い、考えていることを「傾聴すること」は大切だと考える。
ただ、子供の思いを聴こうとしたとて、ついつい、親の期待や希望が加わり、誘導的になってしまう部分もある。
しかし、傾聴を学ぶことで、客観的に「あ、自分の期待をもとに話を進めてしまっている」と気づけることは、それを正すうえでも大きい。

私が通っていた予備校のテキストには必要な心構えとしてこんなことも書いてある。

・治そうとするな(解決しようとするな)、分かろうとせよ
・言葉尻(事柄)にとらわれるな、感情(今の気持ち)をつかめ
・不思善悪(すべてを許す仏のこころ)
・行動するな、存在せよ
(Lec『キャリアコンサルタント養成講座テキスト2』より)

実際にやってみるとこれが思いのほか難しい。
「傾聴力」とは単なる「おしゃべり」の延長線上の話ではないと踏まえたうえで、これからも「傾聴」の自己研鑽を積みたい。

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