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広告換算費1億円超!BtoBのPR施策としてキャリーミーがカンファレンスを開催した理由

企業の課題をプロ人材で解決する「キャリーミー」を運営している株式会社Piece to Peace取締役CMO 毛利優子です。

今回は、キャリーミーのPR活動について振り返ります。キャリーミーは、シリーズAの資金調達後に初めてPR施策を実施しました。調達以前は、広告運用やPRをするための予算やリソースすらなかったためです(汗)

BtoBのPR施策は、「日本の企業にプロ契約を」プロジェクトとして合計2回のカンファレンス(大型イベント)を実施しました。2021年に行った第1回では、地上波TVを含む75媒体に取り上げられ、広告費換算で1億円以上。2023年に行った第2回でも、実際のプロ人材活用が20案件成約につながるなどの成果を挙げました。

この記事では、本プロジェクトの開催背景や開催後の反響、実際のプロ人材活用への貢献、プロ人材活用を通してキャリーミーが目指すものなどについて解説します。

以下のような方に参考になるかと思いますので、お読み頂けたらうれしいです!
・TV CMのような予算はないものの、効果的なプロモーション施策を検討している経営者の方
・BtoB企業のPR・認知施策を知りたいスタートアップの経営者・マーケティング部門担当者の方
・カンファレンスの実施で、どんなPR効果が出るか知りたいマーケターの方
・メディアプロモーションに興味のある方


BtoBのPR施策で何をやればいいの!?プロ人材に相談して立ち上がったカンファレンスプロジェクト

第1回のカンファレンス開催は2021年1月。キャリーミーは当時、シリーズAの資金調達を終え、プロサッカー選手であり経営者・投資家でもある本田圭佑さんにアンバサダーに就任していただき、ここからアクセルを踏んでいこうというフェーズでした。

資金調達を実施するまでは事業として余裕がなく、広告運用やPR施策は着手できていませんでした。幸い、SEOを中心に広告費ゼロで登録者1万人を集めることができ、プロ人材側の集客には困っていませんでしたが、一方でプロ人材を活用する企業側へのアプローチに大きな課題を感じていたのです。

資金調達を経て、本田圭佑さんにアンバサダーになっていただたこのタイミングでBtoBの認知拡大施策を実施できないか、と代表の大澤と話し合いました。といっても、テレビCMや新聞広告を出すほどの予算はなく、そもそもBtoBのPR知見が当時の社内にはありません。

思案していた中で頼ったのが、電通出身のPR戦略のプロ人材。このプロ人材に依頼した理由は、電通という“出身企業”ではなく、「プロ契約」や「プロ人材」という“コンセプトへの理解”。そこから紡がれる言葉が素敵だったからです。ただメディアの興味を引くという観点で、「月〇万稼ぐプロ人材」といったメディア受けしやすいような切り口を提案するPRの方もいましたが、それはサービスとして本当に伝えたい想いとは異なります。

BtoBスタートアップの支援も経験豊富なこの方に相談し、提案いただいたのが「日本の企業にプロ契約を」というコンセプトのカンファレンスでした。

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このプロ人材には、カンファレンスのPR戦略を立てるとともに、プロジェクトマネージャーの立場で、PR代理店のアサインとディレクションをしていただきました。このような大きなイベントは実施した経験がなく、PR代理店を利用するのも、もちろん初めてです。信頼できるPR代理店、その中でもトップの担当者の方を紹介いただき、後述する事前調査の実施、メディアプロモーション、当日の進行設計などお願いしました。

キャリーミーを立ち上げた2016年当時と比較すると、「業務委託」という働き方がメジャーになってきたものの、一言に業務委託といってもクラウドソーシングや副業、顧問などいろいろな形態が出てくる中で、タスクベースの稼働で、“安かろう、悪かろう”といったイメージを持たれている企業様も少なくなくありませんでした。

しかし、キャリーミーが打ち出している「プロ人材」とは、専門知識やスキルを持ち、本業として複数の企業と業務委託契約で働き、成果や企業の課題解決にコミットする即戦力人材のこと。本来の副業人材とは一線を画す存在です。

とはいえ、世の中的な認知度はまだまだ低く、プロ人材も副業人材も同じような括りで考えられていたため、特に企業側の「プロ人材」「プロ契約」への解像度をいかに上げられるかが私たちの積年の課題であり、今回のプロジェクトの大きな目的となりました。

「プロ人材とは何か?」を伝えるために第1回カンファレンスを開催

主に実施したのは、大きく3つです。
1.プロジェクトサイトを制作・公開
2.プロ人材のポストを募集
3.カンファレンスの開催

1.プロジェクトサイトを制作・公開

まずは、プロジェクトサイトの制作です。先述のPRプロ人材に協力を仰ぎ、サイトのキャッチコピー「会社なんかに埋もれるな。」やボディコピー、キービジュアルデザインの発注・ディレクション等を行い公開しました。

日本の企業にプロ契約をのKV

BtoBのPR施策ですが、メディアへのアプローチには生活者の個人視点に立つことが重要です。BtoBのPR施策の場合でもこの生活者視点を入れないとメジャーなメディアに取り上げてもらうことは難しいという理由からでした。

サイト内ではまず、サイバーエージェントで7つの新規事業立ち上げ経験を持つ人材、ユニクロでグローバルマーケティングなど、プロ人材10名のプロフィールをご紹介。

さらに、事前に企業に所属するビジネスパーソンに対して「副業/複業や独立に関する意識調査」を行い、その結果をプロジェクトサイト内で公開。コロナ禍で働き方が見直されたこと、独立意欲のある方が増えていることなど、エビデンスを数字で示して社会的な変化を感じてもらいつつ、なるべくわかりやすく、メディアに取り上げられやすい形を目指しました。

調査を実施し、データで社会の変化を伝える

2.賛同企業集め&プロ人材のポストを募集

2つ目が、賛同企業集めとプロ人材のポスト募集です。こちらがキャリーミー側の第一ミッションでした。目標50社でしたが、商談時や既存のお客様へのアナウンス、代表大澤による経営者の方々への直接の声がけ、テレアポなどを実施し、結果パルコ様などを含む53社に賛同いただき、マーケティング、セールス、経営企画など、幅広い職種で約90件の求人ポストを出していただきました。

賛同企業は53社へ

賛同企業ポストを募集する上で工夫したのは、求人の部分です。プロ人材・プロ契約とは、「スポットで少しだけ手伝ってもらう」のではなく、「プロとしてコミットしてもらう」こと。そのイメージをより強化するため、今回のポストでは最低ラインを月額30万に設定し、マーケティング戦略や事業開発、営業戦略、CFO案件など、より上流の課題を扱う案件が多く提出されました。通常は月額20万程度の案件もあるため、これは大きな挑戦でした。また、業務についても、経営戦略、マーケティング戦略といった上流から入っていくイメージを持ってもらえるような求人を集められるよう、協賛頂いた各社のご担当の方との交渉を重ねました。

3.カンファレンスの開催

プロジェクトのスタートとなる2021年1月26日(火)に、「記者発表会」として各メディアを招待し、カンファレンスを開催しました。プロジェクト内容の発表だけでなく、代表の大澤をモデレーターに、有識者としてJobPicks編集長兼NewsPicks副編集長(当時)の佐藤留美さん、プロ人材を活用されているパルコ様、パーソルテンプスタッフ様をお呼びしてトークセッションを行いました。

地上波テレビ含めて75媒体以上のメディアに掲載、広告換算1億円以上の効果!

 結果として、カンファレンスとプロジェクト全体の内容は75以上の媒体に取り上げられ、広告換算すると1億円以上の効果が上がりました。

特に「コロナ禍で増える副業」というテーマでカンファレンス当日の夕方にnews every.で放送された際、約1分間の尺だったにもかかわらず、その日はプロ人材の登録完了通知が鳴り止みませんでした。カンファレンス後にも、Abema Newsで「副業が日本経済を救う」というテーマで、日経ビジネスでは「副業から複業へ 新たな働き方は広まるか」という形で6回にわたる特集を組んでいただきました。

副業から複業へ、新しい働き方は広がるか(日経ビジネス)

最終的に、プロジェクト前後で登録者は330%アップ。改めて露出、特にテレビの威力を感じました。

私もこういったPR施策の展開は初めての経験で、いつ、どのくらい取材のご依頼があるのか、どんなことを聞かれるのか、どんな情報をお渡しすればいいのかなど、手探りで進めていました。そのため、少し悠長に構えていたところがあったのですが、カンファレンス直後から1週間ほどは取材のアレンジ、調整に追われてしまいました。その期間は寝ている夢の中でも各所と調整をしたり、家事育児がままならないくらい極限の日々でした(笑)。

本プロジェクトで新たな気づきとなったのは、プロジェクトへの賛同として企業を集められたことです。「プロジェクトにご賛同いただけませんか?」という切り口で商談を進められると、いわゆる“営業感”なく提案することができます。

プロジェクト前に53社それぞれにヒアリングを行い、求人ポストをつくっていったのですが、今回のプロジェクトを機に初めて求人を出してくださった企業様も多くいらっしゃいました。このプロセスで「こんな課題をプロ人材に頼めるんだ」「プロ人材の登録者にはこんな人たちがいるんだ」といったように、サービス理解を深めていただくこともできました。

また、カンファレンスという手法を通して潜在層にアプローチできたことは非常に大きかったと思います。メディアの掲載効果は想像をはるかに超えており、企業側のリード獲得や認知に対する課題へのアプローチ施策としては手応えのある結果となりました。

認知拡大のみにとどまらず、求人のポストには多くの応募が集まり、プロジェクト開始後に17案件が成約にいたりました。さらに、今回のプロジェクトには参画いただけなかった企業様の中で、その後、メディア露出の結果をご報告して、求人を出していただけた例も多くありました。

このような効果が挙げられた一方で、難しかったのは、どうしてもメディアでは「副業」文脈の報道がほとんどだったことです。

キャリーミーではどちらかというと「副業」ではなく「複業」、プロフェッショナルスキルを持ち、それを本業として複数の企業で業務を担う人材の活用を推進しています。

地上波含めて75媒体以上掲載

PRは広告と違い、どう取り上げられるかについては自社でコントロールできません。しかし、メディアからの取材等に協力いただいているプロ人材に失礼な形になってしまっても困ります。どんな形で発信されるのか、放送や掲載をされるまでわからず、気苦労が絶えないところでした。

ですが、総じてみれば、カンファレンスを実施してプラスが多く、キャリーミーのステージを一つあげてくれたように思っています。

競合が一気に増える中でいかに差別化を図るか?第2回カンファレンス開催

第1回のカンファレンス開催から約2年経ち、市場環境は大きく変わりました。外部人材の活用、業務委託に関して一定の認知が得られ、キャリーミーの競合にあたるサービスが数多く生まれてきました。以前まではプロ人材という存在の認知獲得が重要でしたが、これからは自社サービスの差別化を行っていく必要があります。

そこで、第1回の反省点である「メディア露出はできたが、ほとんどが『副業』文脈だったこと」の改善と、より実際の成約に結び付けることを目標に、前回と同じプロ人材とPR代理店に協力を仰いで2回目のカンファレンスプログラムを考えました。

メインに据えたのは、株式会社ベーシック様とそこで実際に活躍されているプロ人材とのトークセッション。「なぜプロ人材を活用するにいたったのか」「どのようにマネジメントされているのか」など、プロ人材活用のイメージが湧くような具体的な内容にしました。

15名以上のプロ人材をアサインされてきた株式会社ベーシック代表取締役の秋山様からは、正規雇用の枠にとどまったとしたら、実現可能性がシンプルに低い。仕事に対してコミットメント力がすごくあがる」など、プロ人材など多様な人材を活用しながら、組織を強くするための具体的なヒントをお話いただきました。

それに加えて、キャリーミー新事業「キャリーミーダイレクト」の発表と、マーケティングや事業開発領域のプロ人材 15 名による自己紹介ピッチも実施。1回目のカンファレンスではLPで経歴や実績をご紹介するだけでしたが、今回はプロ人材自らご自身の強みなどをプレゼンしていただきました。プロ人材活用の経験がない企業様にも「こんなすごい人がいるんだ」と感じていただけたかと思います。カンファレンスの最後には、来場いただいた企業様とプロ人材の方々とのマッチングイベントを実施。

マッチングイベントの模様

新事業ローンチとマッチングイベントの影響もあり、2回目のプロジェクトでは、1回目を超える20案件の成約につながりました。1回目、2回目ともに1つの目標としていたカンファレンスの実施費用はペイできる形となり、そこに認知効果も加えると事業へのインパクトは想像以上に大きかったと言えます。

第2回の反省としては、広告換算費5000万円程度で前回に比較すると地上波などのメディア露出が足りなかった点です。もちろん、時流にもよるのですが、メディアにニュースバリューを感じてもらえるトピックをいかにそろえるかという難しさを感じました。

プロ人材活用の現在地。キャリーミーができること、やっていきたいこと

昨今、企業だけでなく公的機関や自治体でも「外部人材の活用」が広がっています。コロナの影響で、「オンラインでの打ち合わせやリモートワークでも問題なく業務は進むんだ」という感覚を得た企業も多く、専門性を持った外部人材に依頼する敷居は一段と低くなったと思います。

実際に地方企業で、キャリーミーでプロ人材の方をアサインして、初めてリモートでお仕事を依頼した企業もいらっしゃいますし、企業側の外部依頼に対する抵抗や不安感は少しずつ減ってきています。

また、副業解禁の流れが強まり、週3正社員制度をつくる企業が出てくるなど、日本の働き方はここ数年で大きく変化しました。

プロ人材という言葉もいたるところで耳にするようになりましたが、その定義は様々。

その中でキャリーミーは「プロ人材」「プロ契約」の草分け的存在であり、登録者数は1万人以上。サービス開始当時はほとんどなかったマーケティング、セールス、事業開発等などのビジネス領域を中心に、企業の上流の課題に取り組める案件が豊富です。

企業様にご推薦する際は、必ず面談を実施して審査をしており、稼働後のプロ人材の評価を含めて約8年のデータを蓄積。これらは他のサービスにはない強みだと自負しています。

業務委託というスモールスタートだからこそ、プロ人材側も企業側もライトにスタートしながら本当にやりたいことに挑戦することができ、双方で相性を確認していけることは大きな魅力だと思っています!

キャリーミーはビジョンを改めて定義し直しました。新ビジョンは、“あなたの人生に「挑戦」を”。

私たちは、企業とプロ人材の挑戦を応援する企業です。その共通認識のもと、今後の目標はキャリーミーの広報・PRとしては、キャリーミーを利用してくださっている企業様、プロ人材の方たちのストーリーを形にして、発信を強化していくこと。そうしたストーリーからキャリーミーのサービスに興味を持ってもらえたり、ファンになってもらえるようにこのnoteも発信していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします!

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