見出し画像

考える時間について考える

自分の本心って、こんなにも時間をかけないと見えてこないものなのか。

考える時間をこんなにたくさんつくらないと、見えてこないものがあるのか。

ここ最近、というか先月「エッセンシャル思考」という本を読み始めてから、自分の心と向き合う時間を週に1度、6時間くらい設けるようになった。

時間をつくるのは大変だった。今も大変だ。(年末なのよ...)だけどそれよりも、本が教えてくれたことを絶対に無駄にしたくない、という気持ちが強すぎて頑張ることにした。34歳というタイミングを考えても、今の私にとって自分から目を逸らさない作業は、とても重要なことだから。

_

エッセンシャル思考というのは「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方、考え方だ。2014年ごろにかなり話題になった本で、当時はなんとなく買う気にならなかったのだけど、最近縁があって友人からいただいた。

読み始めて2ページ目でもう、めちゃくちゃ夢中になった。とにかくわかりやすくて読みやすくて、読もうと思えば3時間くらいで読めそうな勢いのある本だった。

でも話題になった当時じゃなくて、今読んで正解。あと年末っていうのが大正解。今現在の自分にとって必要な思考が詰まりすぎていたので、立ち止まり、思考し、を繰り返して読了まで結局1か月半もかかってしまったくらい、濃厚な読書になった。

内容をとても大ざっぱに紹介すると、本には「人生のなにもかもはトレードオフなのだから、選びたいものをしっかり選び抜いて、捨てるものを迷わず捨てなさい」というようなことが書かれてある。

取捨選択。

してきたつもりだった。

多くを選び、捨ててきたつもりだった。

だけど、本を読んでいて「あ、全然捨ててないじゃん」って思った。だって私のクローゼットには、1年以上着ていない服がたくさんあったから。

本によると、人間は一度所有してしまうと失うことを恐れる「授かり効果」という心理的バイアスがあるらしい。さらに人は、すでに持っているものを実際より高く評価するそうだ。

なるほど、だから1年も着ていない服を捨てることができないのか。で、そんなときに有効な自分への問いかけが紹介されていた。

「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」

ガツンときた。

捨てられない服や本しかり、惰性で続けていたこと、仕事etc...すべてにこの問いは有効だ。

この本を持っていなかったら、今お金を出して買うだろうか。

この仕事を受けていないとして、今はじめて声がかかったら受けるだろうか。

そんな疑問が次々浮かんだ。ということはそれこそが、私が今あるものを実際より高く評価している証だった。こういう抗えないし気づけない本能があるから、読書とか考える時間が大事なんだろうな。


さらに、この授かり効果とセットで発動されていそうな「現状維持バイアス」にも震えた。

いつもやっているからという理由でそれをやめられない傾向を「現状維持バイアス」と呼ぶ。

あーなるほどね。かつてダメ男と付き合ってたときの私は「授かり効果」と「現状維持バイアス」に支配されていたんだな。すごい納得。人間は基本的に損切りができないようになってるってことみたい。

ということは「今」この瞬間も、私は何かしらのバイアスに支配されて不要なことに時間を費やしているかもしれない。過剰に大事にしているものがあるのかも。だとしたら一刻も早く、自分にとって何が大事で、何を選ぶべきで何を捨てるべきか、明確にしなければいけないんじゃないか。

ちなみにマイクロソフト社創業者のビル・ゲイツは、1週間の「考える週」を定期的にとっていたらしい。偉人がつくってきた時間を、私みたいな凡人が「時間つくれない」なんて愚の骨頂である。何を削ってでもやると決めた。

で、いざ実践してみるとこれがまた凄い。「わかっていたつもり」「考えていたつもり」があまりにも多いことに気づいたのだ。自分のことなのに。

大事にしていたものが実はそんなに大事じゃないかもしれないと気づいたり、そもそも本当に大事にしたいことがわかっていなかったり。自分の弱さや強さ、曖昧さにたくさん気づいていく作業は時に苦しかったけど、この時間は必要だとすぐにわかった。定期的に考える時間は、一生つくり続けようと思う。

_

最後に、ブスブス刺さった名言をいくつかご紹介して終わりにしたい。

たまに思い立ってメールボックスを整理したりするだけでは駄目だ。そうではなく「今、自分は正しいことに力を注いでいるか」と絶えず問い続けるのが、エッセンシャル思考の生き方である。
「いつか着る可能性はあるだろうか?」という考え方はやめよう。そのかわりに「大好きか?」「すごく似合うか?」「しょっちゅう着るか?」と考えよう。もしも答えがノーなら、それは不要なものだ。
もしも選択の権利を放棄するなら、他人があなたの人生を決めることになる。自分で「これを捨てる」と決めなければ、誰かがあなたの大切なものを捨ててしまうだろう。
何かに「イエス」と言うことは、その他すべてに「ノー」と言うことなのだ。
私たちの最大の資産は、自分自身だ。
自分への投資を怠り、心と体をないがしろにすると、価値を生み出すための元手がなくなってしまう。
人生の本質目標を決めるのは、容易ではない。勇気と洞察力を持ち、自分の力を最高に発揮できる行動を見定めなければならない。そのためには、タフな問いに答えることが必要だ。トレードオフを直視し、本質から外れたものごとを断固として切り捨てなくてはならない。


それにしても、私のこの文章の長さはいつだってエッセンシャル思考じゃないよなぁ。少しずつ削っていきたい。

ちなみに12月にエッセンシャル思考の続編「エフォートレス思考」という本が発売されていて、これから読むところ。すごいタイミング。本の縁ってほんと不思議。







この記事が参加している募集

推薦図書

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?