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今こそ「少子化対策庁」を!少子化対策に絶対効く10の方法

 日本の少子化が止まらない。最近は、イーロン・マスクに「当たり前のことを言うようだけど、出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう」
と言われてしまうぐらい、危機的な状況である。

 しかし、事態は深刻なのに、どうも日本政府が本気で取り組んでいる様子が伝わってこない。2023年秋に「子ども家庭庁」ができるらしい。子どもの権利を守る子ども家庭庁も大事であるが、その前に少子化対策にもっと力を入れた方が良いのではないか?

 今こそ「少子化対策庁」を作って、総力をあげて少子化対策に取り組んだほうがいいのではないだろうか?
少子化対策庁を作ることで、日本政府が本気で少子化対策に取り組む決意を世界に知らしめることで、ややもすれば「終わった国」認定されかかっている日本に、もう一度海外からの投資を増やしたり、円高に向けられる可能性もある。

 少子化対策庁をぜひ、早急に作ろう!
なんなら、6月22日の参院選の争点にして欲しいくらいすぐやって欲しい。

 今までも、少子化対策会議などでやっているが、残念ながら一向に成果が上がってこない。生まれる子どもの数は減り続けている。常々「私を少子化対策会議のメンバーに入れてほしい」とSNSなどで呟いているのだが、中々お声がかからないので、私が考える「絶対に効果の出る少子化対策」を、勝手にここに公表する。

少子化対策立案のポイント



少子化対策の最大目的は、日本の人口減少を食い止めること、それも働いてくれる就労人口を増やすこと(というか増やすのは難しくても減らさないこと、減るスピードを抑えること)であろう。

これには、2つのアプローチしかないと思う。
 

1.出生率を上げる!子どもを産んでもらう。
2.外国人の方などに日本に移住してもらう。

ここまでくれば、1も2も、とにかくできることはどんどんやったほうがいいと思う。が残念ながら2・移民政策に関しては、私は全く専門性がないので、ここでの少子化対策は、主に「1.子どもを産んでもらう」について記していく。

子どもを産まなくなった原因


なぜ、こんなに子どもを産まなくなってしまったのか?
その主な原因は3つである。


1・若い世代の収入が増えず、非正規など不安定になっていること
2・子育てや教育にお金がかかりすぎること
3・妊娠や出産へのケアが少なく、女性への負担が高いこと

この3つをクリアすることで、若い人も「だったら子どもを産もうかな」と思ってもらえる。まずは、それぞれの原因について、簡単に説明する

1・若い世代の収入が増えず 非正規など不安定雇用になっていること


平成27年度少子化社会対策白書 概要版


平成27年度少子化社会対策白書 概要版


 実は、日本は過去30年ぐらい、実質賃金が減っている唯一の先進国である。給料は上がらないのに、社会保障費はどんどん上がる。手取りは全く増えない。若い人は、将来に明るい展望がない。
 20代、30代の非正規雇用率も男女とも上がっている。
 さらに、貸与奨学金や教育ローンなど、少ない給与から借金の返済をしなければならない若者も多い。
 
 「結婚すれば子どもを産む人も増えるから婚活支援」が少子化対策になっているが、結婚しないのは、出会いが少ないからではなく、「お金がなくて恋愛も結婚もできない。まして子どもなんて」が正しいと思う。
 
少子化対策として国や行政が婚活事業をしているが、若年層の可処分所得の向上という根本的な部分が解決しない限りは、いくら婚活しても、結婚も出産もできない。

 とにかく、子どもを産む世代の収入を増やすことは、最大の少子化対策だ。出産したら貸与奨学金の返済を免除したり、企業版子ども手当を支給する、税制として年少扶養控除を復活させる、児童手当を増額するなど、使えるお金を増やす施策を行うことが必要である。

2・子育てや教育にお金がかかりすぎること


 これは、すでに調査されていて、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」本当はもっと子どもが欲しいと思っている人も、理想の子どもの数を産むことを控えている。

第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)

 だから「子育てや教育の私費負担を軽減する」ことも大事である。幼児教育無償化なども進んでいるが、小中学校の給食費の無償化、給付型奨学金の拡充など、教育無償化はどんどん進めよう。

 また、公的な支出の他に、日本では、ランドセル、制服、部活のユニフォーム、など、子どもを学校に通わせるために親が払わざるを得ない費用が高額である。そろそろ、そのあり方を考える時期だと考える。

 私は1年間だけ子どもを連れてイギリスで暮らしたが、子どもにかかる費用がイギリスではほとんどかからなかった。やろうと思えば、できるのだ。

 ラン活と言う言葉が生まれ、10万円以上もするような高額なランドセルを競って購入するような風潮を良しとしていては、とても若い人は子どもを産もうとは思えないのではないだろうか?

3・妊娠や出産へのケアが少なく、女性への負担が高いこと 


 
 私も経験者であるが、妊娠も出産も本当に大変だ。身体的ダメージは確実にあるし、10ヶ月も、新たな命をお腹に抱えて、転んじゃいけない、風邪をひいてはいけない、「この子に何かあったら、私のせい」そんなことを思いながら過ごす精神的なプレッシャーも相当である。
 日本では、「妊娠は病気ではない」と言うことで、健康保険の適用外であるが、この扱いが、社会の妊娠への理解を歪めていると感じる。

 「病気ではないのだから、辛そうにしてはいけない」
 
このような誤解を早く解いて、とにかく「妊婦に優しくすること」
が重要だ。日本では、またマタニティマークをつけていると、嫌がらせをされることも度々あるらしい。こんなことを放置しておいて、女性に、妊娠してくださいと頼むのはおかしい。
 これに対しては、「妊婦嫌がらせ防止法」などを直ちに作って、妊婦に対して嫌がらせをした人は逮捕する!ぐらいの本気を見せる必要がある。

つまり、少子化対策の方針としては以下の3つが有効だと思う。

  少子化対策方針1_若者世代の可処分所得倍増(所得倍増)
  少子化対策方針2_子育てと教育の私費負担軽減(私費負担減)
  少子化対策方針3_妊婦の社会的地位向上(妊婦地位向上)

この3つの視点で施策を積み上げていくことが重要である。


少子化対策に絶対効く10の方法

1・「妊婦いじめ根絶法」の制定(妊婦地位向上)

 驚いたことに妊婦とわかると、電車や、社内で、足を引っかけられるというような、大変悪質な嫌がらせが実際起こっている。
 マタニティマークをつけていると嫌がらせをされるという。
 足を引っ掛けて転ばせるなどは、立派な傷害罪、というか、殺人未遂罪である。いたずらでは済まされない。
 生きづらい社会、ストレスが溜まって、誰かに鬱憤を晴らしたいのかもしれないが、一番弱く抵抗できない妊婦に向かって、そんな卑怯な真似が許されていいはずがない。
 マタニティマークをつけている人に嫌がらせや障害行為を行なった人は、即刻逮捕できるように、「妊婦いじめ根絶法」のような新たな法律を作って、とにかく妊婦を守ろう。妊婦に意地悪をしている人は、社会からNO を突きつけよう。
 こういうことを言うと、「私の時はもっとひどかった」とか、「今の若い人は甘えている」とか言い出す諸先輩方がいらっしゃるが、これだけ少子化が進む中、それは無視して良いだろう。確かに今の若い人は甘えているかもしれないが、憤っても非難をしても、私も含め、人生の諸先輩は残念ながら妊娠も出産もできない。上から目線の男性も然り。おばさまやおじさま方にとっては腹立たしいかもしれないが、少子化がこれ程進んでしまったら、もう私たちは若い人にひざまずいて「どうぞ子どもを産んでください」とお願いするしかない。
 合わせて、企業もマタニティハラスメントへの取り組みを強化してほしい。マタハラが多い企業には、行政処分などを行なって、入札禁止とか、ある程度の罰則も儲ける、ぐらいのことはやって欲しい。
 そんなに妊婦が偉いのか?と言われれば「偉いんです!」と断言しよう。
 今の少子化はそうせざるを得ないところまで来ているのだ。

2・妊娠出産も健康保険適用に(妊婦地位向上)

 これは私も子どもを産むときに知って、とても驚いたし、いまだに納得がいかないのだが、妊娠出産は健康保険の適用外である。妊娠したかもと思って、産婦人科へ行くと1万円近くの金額を払わなければならない。
 なんでも「妊娠出産は病気じゃないから」だそうだ。女性が生死をかけて、さらに10ヶ月も体調不良状態にいるのに、病気じゃないから、健康保険は使えない。これは、本当にひどい。
 妊娠出産は病気じゃないというのなら、老化も同じだろう。生物は皆老化していくのだから、歳をとって膝が痛いとか、腰が痛いとか、ああいうのも全部保険適用外にしなければ道理が合わない。
 なんで、出産だけ、女性だけ、「病気じゃないから」などと意地悪されて、健康保険が使えないのか?これは、壮大な女性イジメであるとさえ、感じる。
 とにかく、子どもを産んで欲しいのだったら、妊婦検診や出産費用は当然健康保険に組み入れて、とにかく産む人の負担を減らすことが必要だ。
特に、若い人は手持ちのお金がないんだから、妊娠や出産にお金がかかるなら、やめようとなる。とにかく、明日からでも無料にした方がいい。
 国の施策が追いつかないなら、地方は今すぐやった方がいい。「うちは妊娠出産費用、無料です」といえば、都市に出ていこうとした若い夫婦も、もしかしたら残ってくれるかもしれない。
 また、「妊娠は病気でないから、健康保険が使えない」ということが、大きな社会的誤解を産んでいる。
 「妊娠は病気じゃないんだから、辛そうにしてはいけない。」
 つわりも、腰の痛みも、病気じゃないんだから我慢しなさい、というメッセージ性を発してしまい、体はものすごく辛いのに、辛そうにすると怒られるという、全く割りが合わないのが、日本の妊婦だ。
 こんなバカな誤解を解いて、妊婦が安心して具合が悪ければ病院に行けるように、即刻健康保険に入れよう。

3・出産したら貸与型奨学金の返済免除(所得倍増)

 「借りたものは返すのが当たり前」は、当然ではあるが、この未曾有の少子化の前に、私たちは一刻の猶予もない。誰が子どもを産めるのか?と言えば、出産年齢の女性しか子どもを産めない。
しかし、出産年齢の範囲にある若いカップルの現実はこんな感じだ。

「本当は、子どもが欲しいんだけど、毎月奨学金を2万円づつ、夫婦2人で4万円も返済しなければならないから、やっぱり子どもは諦めるしかない」

 

  日本は本当に労働者の給与が上がっていない。さらに働き方改革で残業も無くなり、社会保険料も年々上がって、手取り額はどんどん減っている。大学を卒業して正社員になったとしても、一人暮らしの家賃と生活費に奨学金の返済を加えれば、カツカツという若い人は多い。結婚や出産に向けての貯蓄もできない。

「結婚や子どもを持つのは贅沢」
「自分にはとても無理」

と思っている若い人は多い。
そんな人たちに、「子どもを産んだら、奨学金を返済しなくていいよ」と言ってあげれば、「だったら子ども産もうかな?」という気に少しはなるのではないだろうか。
 個人的には、「子どもを産んだら」なんてケチくさいことを言わずに、貸与型奨学金なんて一斉に返済免除にして、返済に当てていたお金を、若い人が自己投資に回してくれた方が、将来よっぽど税収が増えるのではないかと思う。
 それは無理でも、少子化対策として「子どもを産んでくれたら、奨学金は返さなくていいよ」は、今すぐやるべきだ。奨学金が返し終わった、35歳とか、40歳になってから、子どもを産もうと思っても、そこには中々難しい状況がある。

 反論は出るだろう。
 借金は嫌だからと貸与型奨学金を借りずに高卒で働いた人はどうするのか?奨学金を借りるのが嫌で大学時代、アルバイト漬けだった人もいるだろう。子どもを産む、産まないは個人の自由なのに、なぜ子どもを産んだ人だけが優遇されるのか、と納得できない人も多いだろう。しかし、その人たちには申し訳ないけれど、とにかく、子どもを産める年齢の人に産んでもらわないと、少子化は止まらない。

 そのために、少子化対策庁が必要だ。

 ただし、十分気をつけなければいけないのは、子どもを産む、産まないは個人の自由であり、子どもを産まない選択をするカップルの肩身が狭くならないように社会が十分に配慮することだ。

「本当は産みたいけれど生活が不安」という若者の背中を押すために、奨学金の返済免除を今すぐやろう。

4・年少扶養控除の復活(所得倍増)

 子ども手当の導入によって廃止された、年少扶養控除を復活し、子どもを育てている人の税金の負担を大幅に軽減する。子ども一人当たりで控除額を決めれば、子どもがたくさんいる人は、税金もたくさん免除されて、その分手取りが増える。
 年少扶養控除が復活して、子育て家庭の税や社会保険料の負担が減れば、実質的な所得が増える。また、かなり生活は厳しいけれど、ギリギリ住民税非課税などにはならなかった子育て世帯が、年少扶養控除により住民税非課税になることで、給付型奨学金などさまざまな社会保障制度も利用できるようになる。とにかく、子どもを育てるのには、とてもお金がかかるのだから、せめて税金を軽減するぐらいはやるべきだ。2人、3人、4人と子どもが増えるほど控除額も増やせば、二人以上の子どもを産むインセンティブにも少しはなるだろう。
 財源の一部としては、配偶者控除の廃止を当てたい。子育てや教育の費用負担が増え、若者の給与も増えない今の時代、夫婦共働きが当たり前だ。また、高齢化で就労人口が減少する日本では、女性の労働力は貴重だ。働かない方が結果的に得をするような配偶者控除制度は、今の時代にあまりにミスマッチ。
 配偶者控除を廃止し、年少扶養控除を復活することで、子どもを持つ若い世代にお得感が出る。

5・ランドセルや学校指定品の見直し(私費負担軽減)


 給食無償、教育無償化はもちろん、どんどん進める。それに加えて見直したいのが、学校指定品などのあり方だ。
 ランドセルが高い。制服も高い。学校指定の体操服も、上履きも、体育館ばきも、どれも高い。同じような品質のものが、お店でも、ネットでも、ずいぶん安く売られているのに、学校指定品を買わなければならない。地方では、通学用の自転車まで指定されているところがあって、その自転車が7〜8万円するという話も聞いたことがある。
 とにかく、学校指定という名の下に、お手頃価格をはるかに上回るものを半ば強制的に購入しなければならない仕組みはいい加減にやめにしたい。
 
 学校指定品肯定派の意見として、皆が同じものを持つことで、貧富の差がわからなくなるということを言う人がいるが、家に帰ってお腹いっぱいご飯が食べられなかったり、外食できなかったり、塾に行けなかったりと、あらゆるところで、他の家庭と違うのは、わかってしまうわけで、詭弁でしかない。むしろ、人と同じものを持てないことを「良くないこと」と刷り込んでしまうマイナス面が大きいのではと思う。
 民主主義を取る限り格差はある。格差社会が良くないのは、格差が固定してしまって個人の努力ではどうにもなら無くなってしまう、つまり「親ガチャ」みたいなことになってしまうからだ。
 私が1年間だけ体験した息子のイギリスの小学校では、とにかく、学校指定で買わなければならないものはひとつもなかった。ドリルもノートも鉛筆も筆箱も体操服も、何もなかった。もちろんランドセルもなかった。制服はあったが、「白のポロシャツにグレーか黒のズボン」というような、標準服であり、近所のスーパーで安く購入できた。日本もそれで十分ではないかと思う。東京の公立小学校で、有名デザイナーがデザインした制服一式10万円とか、ちょっと異常だ。校章の刺繍が入っているだけで、数千円も高くなるYシャツでなければいけない理由があるだろうか?

 ランドセルや制服やその他学校指定品を無くそうというと、「それで食べている人がいるから」という意見もある。ランドセルにしろ、制服にしろ、確かにそれで生活をしている人がいるのはわかる。しかし、そろそろ、その人たちの生活を支えるために、子育て家庭に半ば強制的に購入させる仕組みはやめたほうが良いと思う。中小企業の救済は、他のところでやるべきである。
 ラン活などという言葉を編み出し、もともと高いランドセルの価格をさらに釣り上げるような、そんな馬鹿なことを煽れば煽るほど、若者は、出産から遠ざかる。

6・児童手当の「特例給付の廃止」の廃止(所得倍増)


 2022年10月から、このままでいくと、世帯主の収入が1200万円以上の子育て家庭は、子ども一人5000円/月もらえていた児童手当がなくなる。子どもを二人育てていれば、毎月1万円国からもらえていたものが、無くなる。
 これはあまりにもひどい。
 そもそも児童手当というのは、民主党政権の時の「子ども手当」が政権交代で名称変更になったものだが、本来は、親の収入状況に限らず、すべての子どもが当然もらうものだろう。それがなぜか「お金持ちには出さなくていい」という世論の声があり、一定の収入を超えると1万円が5千円に半減されて支給されるようになった。そしていよいよ、その5千円がなくなるのだ。
 この5千円を削った予算で、保育園を建てて待機児童対策を行うということであるが、このまま少子化が進めば、待機児童はいなくなる。タチの悪いブラックジョークのような事態になってしまう。

 今の日本で、年収1200万円あれば、子どもをしっかりと育てられるか?良い教育を与えられるかといえば、決してそんなことはない。そこから、税金も年々高くなる社会保障費も引かれて、一生懸命子どもを育てているのに、国からは1円のサポートもない。

 本来は、全ての子どもに配られるはずの児童手当さえ所得制限でもらえないのだから、その他の福祉制度はもちろん使えない。私立高校無償化も、修学援助もなく、大学や専門学校の給付型奨学金も使えず、下手したら日本学生支援機構の貸与方奨学金も使えず、高い利子を払う教育ローンを利用して、子どもを大学に行かせなければならない。
 一生懸命頑張って、ちょっと給料が高くなると、国からの支援が何も無くなる今の構造では、とても、子どもをたくさん産もう、育てよう、という気にはならない。特例給付を廃止して出る財源は、1200億円程度らしい。このために、中の上ぐらいのボリュームゾーンの親たちを出産から遠ざけるのは勿体なさすぎる。
 財源は必要である。しかし、元々少ない子どもに関係する費用から捻出するのはどう考えてもおかしい。子ども関係予算を純増させなければ意味はない。
 だからこそ、少子化対策庁が強い権限で望む必要がある。

7・企業への教育税の導入(私費負担軽減)

 色々やるとお金がかかる。財源のひとつとして、企業からの教育目的の税を徴収することを提案したい。企業の内部留保は、過去最高を更新している。今の法人税とは別に教育税を例えば1%ほど徴収するのはどうだろう? 企業にとっても、むざむざ、若い日本人の労働者が減っていくことを良しとはしないだろう。教育税は、給付型奨学金の拡大など、家庭環境によらず、子どもたちが良い教育を受けられるために使いたい。貧困家庭だけではなく、所得が中位以下の家庭ぐらいまでは学費の減免などをぜひやってあげてほしい。大学をはじめとした学校の予算も足りない。日本の教育予算は先進国最下位レベルである。教育に充てる財源が必要なのだ。
 格差が広がるのは、中流が上と下に分かれるのではなく、上のボリュームは変わらずに、中流が下に滑り落ちる。日本の強みだった分厚い中間層の復活には、現在は給付型奨学金などの支援が全くない、中流のちょっと下にいる層に教育支援を行うのは必須と感じる。せっかく大学に入ったのに、アルバイトで明け暮れるのは本末転倒である。存分に学んでもらって、社会に出てから還元してもらったほうが、リターンは何倍もある。

8・少子化対策優良企業の表彰や認定を(妊婦地位向上)

 産休・育休の取得率はもちろん、企業版児童手当のような手当を出したり、マタニティハラスメント対策を講じたり、子育て家庭に柔軟な勤務方法を提供している企業を「少子化対策優良企業」として認定したり、表彰することも検討したい。入札の際に加点をしたり、企業版児童手当には、税の優遇をするなど、企業にとってのインセンティブも設計しよう。
 ESG投資なども盛んだが、少子化は間違い無く、日本の最大の社会課題である。これに本気で取り組む企業の株価が上がるようにすることは重要である。

9・児童手当の大幅拡充(所得倍増)

 まずは、上記6の「特例給付の廃止の廃止」をした上で、児童手当の増額と給付期間の延長を実施したい。現在、99%の子どもが高校に進学し、親の扶養を受けているにもかかわらず、もっと言えば中学よりも高校はよっぽどお金がかかるのに、なぜか月額1万円の児童手当は中学卒業時で終わってしまう。少なくとも、高校卒業時の18歳までは支給するべきだろう。さらに額も1万円では無く、もう少し増額して欲しい。

 少子化の最大の原因は、若い人たちが、「お金がなくて子どもを育てられる自信を持てないこと」である。児童手当の大幅拡充に、ぜひ舵を切って欲しい。

10・多子世帯への応援を

 大変残念なことに、今の日本では、子どもが多くなると生活が苦しくなる。少子化対策の観点で言えば、離婚もせずに夫婦二人で頑張ってたくさんの子どもを育てている、本来は表彰しなければならないような家庭が、一番苦しい。
 子どもが増えれば、家事も育児も当然増える。共働きもできない。どちらか一人が頑張って働くと、児童手当ももらえなくなる。これはもう、「たくさん子どもを産んで欲しい」という政府のメッセージと、今の制度が真逆を向いている。

 子どもが3人以上の家庭には、児童手当を倍にするとか、子どもが4人以上いれば、所得にかかわらず給付型奨学金を受けられるようにするとか、子どもがたくさんいる家庭をしっかりと経済的に応援する制度設計に変更しよう。
 フランスは、少子化対策に成功した国だが、「子どもは3人以上産むと、ものすごく得」という制度設計にしたので、二人産んだ人は「もう一人産まないと損」と思うそうだ。

 子どもを産める年齢の女性はどんどん、減っていく。すべての女性が子どもを産みたいわけでもない。だからこそ、子どもを産んでもいいな、と思う女性が、「もう一人、いやあと二人、子どもを産もうかな」と思ってもらえる、本気の少子化対策が必要なのである。

いますぐ「少子化対策庁」を!

 残念ながら、今までの少子化対策では、目覚ましい成果は全くない。婚活の成功事例を集めても、出生率が上がらないのは当然だろう。
 これが最後のチャンス!
 本気の少子化対策をぜひ。
 
そのために、大きな権限を持つ「少子化対策庁」を早急に作って欲しい。
お声がかかるのをいつでも待ってます!